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Fill-the-Void-poster 三大映画祭週間にて鑑賞。新作5本+旧作5本の厳選10本。こちらはイスラエルの作品。
ヴェネチア映画祭からはこの一作のみで、女優賞獲得作品とのこと。イスラエル映画というだけで選んでみたけれど、91分という短いランニングタイムでグッと心に迫る良作だった。これが女性監督による処女作だとは。

結婚を控えた時期に姉をお産で亡くし、結婚を先延ばしにされてしまうシーラ。ユダヤ教区のラビにより、結婚の日取りからお見合いの相談まで、必ず皆がアドバイスをお願いするようだ。そうこうする内に、結婚の約束は反故になってしまう。そして、亡き姉の夫ヨハイと結婚してはどうかと勧める知り合いが居る。

 小さなユダヤ教徒の達の間で静かに起こる、結婚という人生の一大事。その小さな円環の中で秩序がラビによって保たれており、そこから逸脱することは許されない。まるで不思議な別世界を見ているようでもあった。だからこそ興味深い。自由恋愛が認められている世界ばかりではなく、不思議な戒律によって保たれている人たちも居るのだなあ。室内を映した絵や照射が暗めのキッチン等に立つシーンも多く、自由気儘とは言えない女性達の生活が伝わってくるようだった。
 とは言え、結婚は現代に住む我々の誰にとっても、人生の一大事。シーラは18歳という年なのに、早く結婚したいという思いに固辞していて、強迫観念的ですらある。血縁ということで気持ちが揺らぐそれぞれの心理、気持ちの微妙なスレ違いを、的確に捉えた。確かに、良く知っている人物だからこそ驚くこともあれば、惹かれる部分もあっただろうに。二人のスレ違いは歯がゆい。
「自分と結婚しようと思った理由は何だったのか」、「初婚同士というのはどう違うものなのか」。二人の思いがそっと寄り添う瞬間のほんの小さな心の重なり。“結婚は縁だ”という気持ちが、この頃には納得いくようになっている。恋愛結婚だろうとお見合いだろうと、こと結婚となると“タイミング”が何より大事なものかもしれない。そして、やはり結婚は“縁”によって繋がるものだと、納得が行くラスト。

しかし、ユダヤ教の女性は何故皆焦っているんだろう?女性たちの焦りがジリジリと描かれていて、とてもリアル。

’12年、イスラエル
原題:Lemale et ha’halal
監督:ラマ・バースタイン
キャスト:ハダス・ヤロン、イフタチ・クライン、レナナ・ラズ

 

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コメント(8件)

  1. とらねこさん☆
    実はロンドンで最初に住んでいた家のオーナーがユダヤ人だったのだけど、娘さんの結婚式の写真を見せてくれて、「いくつだと思うー?16歳だよ。早すぎると思うんだけど、母親は14歳で結婚したんだよ。」と話してくれました。
    その時60代だったと思うのだけど、今でも結婚は早いのかな~

  2. ノルウェーまだ〜むさんへ

    こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
    ね、やっぱりユダヤ教の人たちは結婚が早いんでしょうか。
    おそらく、ユダヤ人=ユダヤ教を信奉するグループ、と必ずしもイコールである訳ではないようですが、
    この映画はタルムード信奉者達の生活をどっぷり描き出していましたよ〜。その方々ももしかしたらそうですよね。
    早い内に結婚してしまう人は安心、みたいな描き方でした。

  3. 今年の三大、これだけ観損ねたんですよね・・・。
    気になるなあ、どこかでやってれば行きたいけど。

  4. rose_chocolatさんへ

    こちらにもありがとうございます♪
    私は今回三大映画祭は4本見ました。うち1本は旧作だけど。
    なので新作は2本見てない計算です。
    roseさんはどれが一番良かったですか?
    かえるさんは『フットノート』、私の友人は2本しか見てないけど『ヴィクとフロ』が一番良かった、と言ってました。
    私はこの作品が一番気に入ったんですよ。
    みんなバラバラw

  5. 今年の三大は3本観たよ。
    『フットノート』『ヴィクとフロ』『ロンドン・リバー』
    どれも好きだけど、途中で寝た『ヴィクとフロ』が
    よかったかなあ。寝たのにいいってどーゆうことなんだけどw
    あの終わり方とか雰囲気とかが好みでした。

  6. rose_chocolatさんへ

    こんばんはアゲイン♪
    私の4本は、この作品と『ヴィクとフロ 熊に逢う』、『フットノート』、『恋恋風塵』でした。
    私も『ヴィクとフロ』はなかなか良かったですよ〜。『フットノート』も面白かったですし。
    残念ながら侯孝賢なのに盛大に寝てしまった『恋恋風塵』以外は全部楽しめました。
    何というか、一足早くTIFFっぽい雰囲気を楽しめた感じ。作家性のある強烈なスタイルの作品群なので、新作はどれも好みでした!
    早くTIFF行きたいな〜って感じです。TIFF楽しみですネ〜!

  7. もうTIFFの季節かあ・・・ 今年も早いのう。
    今年は仕事がどーなるかわかんなくて、全然読めないのよね。
    土日オンリーの参戦になるかもと・・・ それは空しい(涙)
    また予定合ったらごはんでもマックで茶でもー

  8. rose_chocolatさんへ

    そうですね、もしあれだったら直前でも良いかもね?
    私も本当は流動的で、もしかしたらこの時期忙しくなるかもしれないんですよ
    今の時点では行く気満々なんだけど…w

    roseさんはTIFFのスケジュールはいつも立て込んでいて、それこそ御飯を食べる暇もあまり無いイメージ
    なんか今回は、アリーナの辺りで御飯系の企画も充実してるとのことだけれど
    はてどうなっているのやら?
    去年はそう言えばお茶もらってペットボトルだらけになってたっけーw




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