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『巨乳未亡人 お願い!許して…』『さみしい未亡人 慰めの悶え』『異父姉妹 だらしない下半身』

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巨乳未亡人 お願い!許して・・・


新橋ロマンにて鑑賞。

通常であれば、監督の名前も映画のタイトルも、検索すれば数秒で情報が出てくるのが当たり前。ところが、全く情報が出て来ない、という事態に初めて出くわしました。おかげで、いつ映画が作られたかも分からない。
なんということだ…!こんなことなら、映画のポスター写真をカメラに収めてくればよかったナ。

ピンク映画というのは私はあまり見たことがなかったので、なるほどこういうものなのかー、と興味津々。ロマンポルノとの違いなんかにも着目しましたね。
例えばロマンポルノでは、女性のヌードを映したとしても男性の下半身など絶対に映さないけれど、ピンク映画ではフェラチオ姿を映したり、ボカシを入れてチン様を映したり。それから、パンティーの上から触る姿を映したりなどもピンク映画ならでは。なるほど、そうだったのかー。

しかしこちらの監督の作品が変わっているのは、ピンク映画にも関わらず、きっちり映画を撮ろうという姿勢が見られること。心理描写がちゃんと映画風で、あくまで“映画として”ピンク映画を撮っているんですネ。
ロマンポルノのように、10〜15分に一度は必ず濡れ場がやってくる、という訳でもなく、きっちり映画の“ストーリー”を見せてくる。関係ないシーンでいきなり濡れ場が始まったりはしない。こういうのってかなり稀なのかも。
さすが、新橋ロマンのラスト時期に、支配人がお気に入りを大放出したのだろうな、と踏んで見に来てよかった。
すごく面白い!

この作品は、なんと社会派的でもあった。いい年になって突然リストラされる主人公(那波隆史)。主人公は就職難に喘ぎ、似たような立場の者達が集う、河原近くの寂れたアパートで住み始める。傷を舐め合うように生きる者達を内心軽蔑していたが、一人の未亡人をきっかけに次第に心の交流をするようになり、人間らしい生き方を思い出していく。
と、あらすじだけを語っているとものすごくまともな映画のよう!しかしそこに、エロ(かなりちゃんとエロい!)と不思議なユーモアのセンス(おじさん達の間のとり方が面白すぎ)が差し挟まれる、という…。
巨乳未亡人役の愛田奈々さんを取り囲む、おじさん達がみんな優しくて、どこかモテなそうなのが、いかにもリアル!
彼らが肩を寄せ合うように住む河原の風景と、そこを行き来する4両編成の電車の姿など、どうしてどうして、“一流映画の装い”じゃないですか!

監督:荒木太郎
キャスト:愛田奈々、松すみれ、星野ゆず

さみしい未亡人 慰めの悶え


こちらは、『東京物語』をピンク映画にしたもので、思わず笑ってしまった。まず、石巻に住む母が、これを最後と突然上京してくる。長男夫婦の家で居場所がなくなり、長女の家にやってくるが、そこはものすごく手狭なアパートだ。「やりたいことを、やりたい時に、やりたいだけ」が信条のため、隣に母が居るというのに、ところかまわずセックス三昧(しかも、変なジャージ姿で…)。
一方、次男の未亡人(愛田奈々)だけが優しかった。彼女は実は寂しさに耐え切れず、様々な男と寝ていた。
例えば、同じ会社の上司(那波隆史)に迫られてラブホテルに入るが、「純粋に身体だけの関係で、あなたのことを好きになったりはしないわ」などと言ったりする。ヤリ過ぎて腰が抜けて立てなくなったその場で、さらにもう一発、というのはなかなかに鬼畜な所業。

居場所がなくなった義母が彼女のところへやってくるが、するとなかなかに気持ちの優しい子であることが分かる。
「私なんか、本当は全然良い子なんかじゃないんですよ…」などという台詞がなくとも、彼女が原節子役なのは分かっていたけれどw、そこをちゃんとやる、ピンク映画版小津オマージュ!

「東京も大分変わってしまった、曳舟もスカイツリーが出来て大分駅の様子が変わってしまったし…」などという台詞があり、次第に変わっていく東京の姿を思わせる。寂れた金網越しに、「明日は一緒に浅草のロック座に行きましょう。そこで昔、いろいろな映画を見たわ…」等と言う台詞もあって、あ、ここはあの笠智衆と東山千栄子の、駅(と石灯籠)のシーンに近いじゃないか!などと思ったりも。

しかしフザケてやってるのではなく、監督、大真面目。震災に絡めて語り、さらに石巻で被災しながら営業再開した「日活パール」に感謝と尊敬の念を捧げますとの献辞付き。素晴らしい!

監督:荒木太郎
キャスト:愛田奈々、里見瑤子、佐々木基子

異父姉妹 だらしない下半身


こちらも愛田奈々×荒木太郎作品なのだけれど、こちらでの主人公は愛田奈々ではなく、美泉咲。そして、姉妹モノでした。
派手で男関係の出入りの激しい姉(愛田奈々)と、真面目な妹(美泉咲)。異父姉妹の愛憎をバディ物のように描く。なんだかんだ喧嘩をしながらも、二人きりで育ってきた姉妹。
でも、妹もやる時はやる。姉の男(那波隆史)と関係してしまい、後から知ってこじれたり。
二人の葛藤混じりの微妙な距離感とヴァイブレーションを、きちんと捉えた作品。
こちらもやはり、普通の“ピンク映画”にしては、ストーリーをちゃんと描こうとする努力が見られるのでした。

ところで3作品、全て愛田奈々が主役級の出演なんですね(この作品に限り、準主役)。この監督のよほどのお気に入り、ミューズなのだろうなあ。
確かに、巨乳な上に顔は美形。井口遥に土偶アイドルのボリュームを加えた人。顔立ちは優しげな美人なんですよね。
この作品を見て、彼女の手足の長さにも気づいた。失礼だけれど、美泉咲さんが手足が短くて、背も低いため、余計目立ってしまったというか。
『巨乳未亡人 お願い許して』のシャワーシーンでは正直、お腹まわりの贅肉がかなり気になったのだけれど、こちらでは大分痩せてスッキリした様子。

しかし、3作品がどれも主人公は、“未亡人”設定であったり、“バツイチ”設定であったり。たとえ、まだ若いという設定でも、バツイチ設定が付与されているのに、監督の好みと拘りを感じたり。
全部、なんだかんだ楽しめてしまいました。しかもどれもピッタリ60分という尺で驚く!

監督:荒木太郎
キャスト:美泉咲、向笠ゆいこ、愛田奈々

 

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コメント(7件)

  1. ロマンポルノとピンク映画の違い!
    そこなんだ。へぇ~。勉強になりました。
    新橋行かれたんですね。さすがです。私もこのジャンル行きたいんだけどどうにも手が回らないのと、何となく勇気が出ないのもあり。女性にはハードル高くないですか?映画館の雰囲気的にとか。
    そういう意味で新橋がなくなっちゃうのは本当に残念ですね。

  2. 見事、ピンク鑑賞おめでとうございます。
    偏に新橋ロマンの存在のおかげでしょう!(悲)
    私もこの3本は観に行きましたよ。愛田奈々、名前だけしか知らなかった。名前から若いAVさんを勝手に想像していたので美貌のアラサー熟女で嬉しくなっちゃいました。

    一点、生意気に指摘させていただきます。
    荒木太郎監督を那波隆史というピンク男優と誤認していらっしゃるようです。
    監督は「さみしい未亡人 慰めの悶え」で長男の役をやっているトッチャン坊やのような人です。かなりインパクトのある顔です。
    拙ブログの「不倫ごっこ 淫らに燃えた妻たち」で若かりし頃の画像を載せてます。
    また、「色情痴女 密室の手ほどき」で荒木太郎を初めて見た衝撃を書いてますので、よろしかったら・・・

    監督としては、発想や映画愛はすごく良いのですが脚本が玉に傷という印象です。

  3. rose_chocolatさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    ロマンポルノは、多分勘違いされてる人が多いと思います。
    なんといっても、映画としてちゃんと見ていて面白いんですよ!
    だって、普通に映画を見ていても、濡れ場のシーンて結構出てきますよね?だって人間の営みだもの、そこだけ綺麗に描くってのはどうなんでしょう。
    むしろ、昔の日本映画が世界中で評価されてたのは、タブーが無くなんでも描いていたからだと!

    興味がお有りでしたら、是非是非行かれてみてください。
    探せば意外と、ポレポレや時々ヴェーラでもやってますよ。

  4. imaponさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    本当です、何もかも新橋ロマンのおかげですよ。
    今月は4回行っちゃいました。最後の3日間の内2日行けなくて、残念だったな…。

    本当、愛田奈々、とっても素敵な人でしたよね!巨乳で、ふっくらした美人で。
    アハハ、熟女で喜んでたとは(笑)。

    あっそうか!荒木太郎さんの顔ってこの人じゃなかったんですネ。どの作品にも出てきているようだったので、てっきりこの人と勘違いしてしまいました。ご指摘、ありがとうございます。書き直しておきます。
    顔のインパクトが凄いという記事を読んで、吹き出してしまいましたw
    顔を見て「勘弁して下さい」なんて言うんだもの(爆笑)

    しかも、脚本も酷いなんてーw。アハハ!おっかしい〜!

  5. こんちは。
    ちなみに荒木太郎監督は林由美香でピンク映画なのに続き物の連作映画を撮ってたりします。荒木太郎監督のは普通にちゃんとしたお話ですけど一般にピンク映画の方が屑はどうしようもないような屑映画みたいなのに当たりますね。本当、やってるだけみたいな。
    多分、ポルノはにっかつという撮影所システムがあったから、そんなに崩れようがなかったのかもしれません。今はそのシステムも崩れて荒木太郎監督の独立プロ、多呂プロが自分の作品を作る中で後塵を育てるという凄い事になってたりします。荒木太郎監督は人によって好き嫌い別れるけど、ともかく凄い人という印象。

  6. 新橋ロマンで荒木太郎三本20140815-20140821

    ◆『さみしい未亡人 なぐさめの悶え』
    五つ星評価で【★★★★愛田奈々はこれが一番好き。映画愛内包】
    愛田奈々主演、里見瑤子 佐々木基子 稲葉良子 出演。
    友松直之脚本監督。2 …

  7. ふじき78さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    へえ〜荒木太郎監督は、林由美香の連作物なんかも作ってたんですネ!
    何しろ、ネットで探してもなかなか情報が見つからないのに驚きました。
    教えてくれてありがとうございます〜♪
    ですよね、私もピンク映画はただ単にやってるだけというイメージでした。ちゃんとストーリーがあるのに驚きましたよ。ちゃんとにっかつみたいになってるんだなーと。

    いやーそれにしても、ふじきさんは普段の映画とガラッと様子が違って、すごくまともなコメントをくださるんだもん。嬉しくなりましたw




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