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『あやつり糸の世界』一部・二部@ファスビンダー映画祭

e0310543_3361996ファスビンダー唯一のSFと呼ばれる今作品。以前、アテネフランセでやっていたことに後から気付き悔し涙を飲んだ。今回ファスビンダー映画祭でやるということで、ようやく見ることが叶った。

普段ドラマを撮っているファスビンダーがこの作品だけSFを撮ったというのは貴重であるし、この題材であれば実際、文学的に描くよりずっと手軽に平行世界を語るに相応しい、そう判断したのも頷ける。実際面白く、見所が満載だった。“考え方次第で物事の見え方がまるで違って見える”というのが、そもそものSFの定義であるとするなら、この作品はもっともクラシカルでシンプルな位置に立ったSFだ。SFという分野は何も“宇宙人やら何やらを登場させればいい”というような安易なものではない。

自分達自身が、誰かがプログラミングしたものであることを知ってしまった主人公。一部は、そうした別の階級の世界(もっと上の世界)を発見する道筋を立て、二部では上の世界との戦いが主になる。鏡やガラス、水晶等に映り込んだショットが映し出される。ラストには、上の階層の世界に辿り着き“生身の肉体”であると実感するけれども、そもそもさらにまた別の階層の世界が入れ子状に重なっているのではないか、との疑問がふと芽生える。


’73年、ドイツ
原題:Welt am Draht
監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
原作:ダニエル・F・ガロイ「模造世界」
脚本:フリッツ・ミュラー=シェルツ、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
撮影:ミヒャエル・バルハウス
出演:クラウス・レーヴィチュ、バーバラ・ヴァレンティン

 

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