rss twitter fb hatena gplus

*

『戦争のない20日間』『灰色の狼』@ソヴィエト・フィルム・クラシックス

戦争のない20日間

f0221052_2330162最近、東京はアレクセイ・ゲルマンづいていて、『道中の点検』『神様はつらい』『フルスタリョフ、車を!』とこの作品の4つを鑑賞しようと思えば出来た。ところがフルスタリョフとこの作品だけという、半分しか見れなかったのは悔しいけど、まあ次の機会を狙うことにしよう。
『フルスタリョフ、車を!』は途方もなくパワフルな怪作で、作品の持つ驚くべき底知れ無さに圧倒されてしまった。それに比べるとこちらの『戦争のない20日間』は、割と普通に良く出来た映画。
大戦中の20日間の休暇という、心休まるはずの日々。ところがこの機に妻との離婚問題に立ち返らなければいけない。戦争中もまるで地続きのように日常は続いていて、その日常は勝手に時間が過ぎていく。今度は逆に、そこに戻っていかなければならないという訳か…。
一方、ある女性との出会いもあった。つかの間の安らぎを得る。
スターリングラードの後…。成し遂げた感はあるんだろうか?いずれにせよ、もう一度そこへ戻っていくのは辛そうだ。そう思ううちに、砲撃の出迎えが。こうした砲撃をまたかいくぐる日々。自分には想像もつかない。

’76年、ソ連
原題:ДВАДЦАТЬ ДНЕЙ БЕЗ ВОЙНЫ
監督:アレクセイ・ゲルマン
原作・脚本:コンスタンチン・シーモノフ
撮影:ワレーリー・フェドーソフ
音楽:V・ラヴロフ
キャスト:ユーリー・ニクーリン(ロパーチン)、リュドミーラ・グルチェンコ(ニーナ)、アレクセイ・ペトレンコ(空軍大佐)他

灰色の狼

soviet2011_04カザフスタンが独立する前のソヴィエト連邦時代の映画。カザフスタンの人達はどこか日本人ぽいというか、アジア人に似てるよなあ…なんて思っていたけれど、やはりこの映画を見ていてもそう思う。チンギス・ハーンを祖とする遊牧民だからなのか。

狼の子を拾ってきて育てようとする遊牧民の子、クルマシ。叔父アハングルはそれに反対する。一方彼は村の領主から羊百頭を盗み、隠し持っていた。…

撮影がすごくいい。冒頭のシーンからして、鷹が狩りをする姿が映し出されたり、狼たちが羊の群れを実際に襲うシーンなど、今だったら動物愛護団体が反対して、絶対撮影出来ないようなシーンがたくさんある。カメラもよくこうしたシーンを大きく寄せで撮ることが出来るなあと思う。フィルムも褪色が進みほぼ白黒に見えたりする部分も一箇所あったり、右端の5分の1ぐらいが色が褪色していたりもしたけれど。でも映像自体がとても良く撮れていて驚いてしまった。ラスト、自然の厳しさを強調するところもカザフの遊牧民ならではの思想なのかもしれない。

’73年、ソ連
原題:ЛЮТЫЙ
監督:トロムシ・オケーエフ
原作:ムフタル・アウェーゾフ
脚本:アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキー、エドゥアルド・トロピーニン
撮影:カドィルジャン・クィドィラリエフ
音楽:ドゥンチェンバイ・ボドバーエフ
キャスト:カムバル・ワリエフ(クルマシ)、シュイメンクル・チョクモロフ(アハングル)、アリムジャン・ジヤンゴロゾワ(おばあさん)

 

関連記事

『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン

心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む

『ホース・マネー』 深い哀しみの中で封印された記憶

私がこの作品を見たのは、もう東京では終了間際だった。フリーパスポート期...
記事を読む

『LOVE 【3D】』 問題作にして、センチメンタルな“愛の定義“

3D技術が出来た時に、映画監督なら誰しも思いつくようなアイディア。 い...
記事を読む

『アンジェリカの微笑み』 オリヴェイラの美意識に酔う

マノエル・ド・オリヴェイラがとうとう亡くなってしまったのは去年(201...
記事を読む

ホセ・ルイス・ゲリン 『ミューズ・アカデミー』

幻惑する映像美を封じ込めての審美的議論。 能動的な誇大妄想狂の美という...
記事を読む

1,230

コメント




管理人にのみ公開されます

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


スパム対策をしています。コメント出来ない方は、こちらよりお知らせください。
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...

【シリーズ秘湯】乳頭温泉郷 鶴の湯温泉に泊まってきた【混浴】

数ある名湯の中でも、特別エロい名前の温泉と言えばこれでしょう。 乳頭温...

2016年12月の評価別INDEX

年始に久しぶりに実家に帰ったんですが、やはり自分の家族は気を使わなくて...

とらねこのオレアカデミー賞 2016

10執念…ならぬ10周年を迎えて、さすがに息切れしてきました。 まあ今...

2016年11月の評価別INDEX & 【石巻ラプラスレポート】

仕事が忙しくなったためもあり、ブログを書く気力が若干減ってきたせいもあ...

→もっと見る

【あ行】【か行】【さ行】【た行】 【な行】
【は行】【ま行】【や行】 【ら行】【わ行】
【英数字】


  • ピエル(P)・パオロ(P)・パゾリーニ(P)ってどんだけPやねん

PAGE TOP ↑