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思いきり生きる瞬間 『ダラス・バイヤーズクラブ』

intro-img-01マシュー・マコノヒー、アカデミー賞主演男優賞おめでとう!もしかしたら穫れちゃうんじゃないか!?なんてそのもしかが、こうやってあっさり実現されるとは。本当に去年からのマコたん(この言い方可愛くて気に入ってる)の快進撃にはビックリされ続け、この波に乗ってのオスカー奪取までに至ろうとは!…それにしてもこの作品でのマコノヒーの痩せようときたら、全くの別人みたい。ファーストショットからして、顔が細っ!小さっ!アゴのラインがシャープになっていて、体全体があまりに細くなっていて…ショックなほどだった。だって、『マジック・マイク』であんなにムキムキマッチョなボディ、かつノリノリセクシーダンスが素晴らしかったから。激痩せしていたのはマコノヒーだけじゃなく、ジャレッド・レトも!二人合わせて40kgですって!?ジャレッド・レトのガリガリぶりにも超絶ビックリ。私、普段ダイエットダイエット言ってるけど、ここまでガリガリの骨と皮まで痩せたことなんて無いわ。8kg痩せたのが本当に精一杯なことだったよ…。(実はつい最近の私です)本当に意志の力だけでやろうと思ってやれるところが、さすが俳優のプロ根性、スゲエよね…。

物語にも大満足。本作は、前人未踏の挑戦を、自分なりのやり方で戦った男の話だった。誰もが諦めていた死の病、AIDSに対して精一杯自分なりのやり方で戦うという。難病モノはいかにあれど、こうしたアプローチはまず無かったし、新鮮で驚きもする、事実を元にした物語。素晴らしい傑作!

AIDSになる前はロン(マシュー・マコノヒー)は何事も続かない人だったらしい。余命30日と宣告されて、ここからの彼が本気を出す姿と来たら。私はいつだって、当たり前のやり方をしない人が好きだけれど、そうそう、こんな風に独創的なやり方で、物事に対処出来るなんて。「何がFDAだ、こちとらDOAだ!」。DOAが何かは後で調べたけれど(笑)。当時AIDSが何たるかなんて、誰も分かっていなかった。全く対処法が無いと思われていた。それこそ、「ゲイの人がなる病気だ」なんて言われていたし、作品内でも医者がそのような質問を浴びせるけれど、本当にそんな偏見があった。だから、ロンは不治の病と戦うばかりでなく、偶然ながらゲイがなる病気だという、そうした世間の偏見とも戦うことになった。本人が元々偏見を持っていた人だったというのに。しかも南部のテキサスのカウボーイ連中ときたら、それこそ保守派のまっただ中。自分の偏見もいつの間にか無くなって、というか生きるためにそんなこと言っていられなくなって、美しきゲイのレイヨン(ジャレッド・レト)と仲良くなり、一緒に働き始める。ジャレッド・レトが本当に素晴らしくて、美しくて…。そう言えば彼は『チャプター27』では激太りの大変身をしていたっけ。イブ役のジェニファー・ガーナーなんて、本当の女性なのに美しさで全く彼に敵わず。ジャレッド・レトが本当に愛らしくて、この二人のコンビネーションが本当最高だったな。二人合わせてオスカーだなんて、本当に素晴らしい!

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感動を煽ったり、ドラマチックさを盛り上げるための技巧を凝らしたりなどせず、あくまで控えめに、丁寧に物語を追った物語なのが良かった。おかげで劇中で、ロンは生き生きと生きられた。彼の不断の努力や、不屈の精神が垣間見れた。「死なないようにするので忙しくて、生きてる気がしない」と語るロンの、ラストのロデオの8秒間!まさに自分らしく生きたと言えるその瞬間。死を宣告されてからのロンは、まさにロデオをずっとやり続けているかの如く生きていた、と言えるように思える。「必死に生にしがみつき、死と裏表になるかのような命がけの戦い」、これがまさにロデオとして表現されている。彼がロデオに乗る姿がキラキラと眩しく思えるのは、単に延命のための戦いではなく、それこそが彼の命を賭しての戦いであったためだったなあと。死を宣告されてから、むしろ本気で生を眩しく生きられた男。

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’13年、アメリカ
原題:Dallas Buyers Club
監督:ジャン=マルク・バレ
製作:ロビー・ブレナー、レイチェル・ウィンター
脚本:クレイグ・ボーテン、メリッサ・ウォーラック
撮影:イブ・ベランジェ
音楽:カート&バート
キャスト:マシュー・マコノヒー(ロン・ウッドルーフ)、ジャレッド・レト(レイヨン)、ジェニファー・ガーナー(イブ)、ダラス・ロバーツ、グリフィン・ダン

 

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コメント(4件)

  1. とらねこさん☆
    体調はもう大丈夫ですかー?
    とらねこさんもなかなかに綱渡りな生き様ですね☆

    とにかくW受賞良かったですよねー
    予測通りというか希望通りというか・・・
    ロンの生き様を見事に表現しきれている作品でした。
    レトも可愛かった~~

  2. ノルウェーまだ〜むさんへ

    こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
    え、綱渡り?何のことでしょう。ホホホ…

    W受賞すごかったですね!もしかしたら、いけるかな?と思ったけれど、まさか本当に獲れてしまうとは!
    だって、そんなに簡単に獲れるもんじゃないですもんね。
    きっと最近のマコたん評価がぐんぐん上がっているおかげだと思いますー。

  3. この間やっと観ました。
    「死なないようにするので忙しくて〜」のくだりは
    死なないようにするので忙しくて、死ぬ暇がないとも受けとめられました。
    物理的な衰えは確かにあるでしょうけれど、病はそれにもまして気からともいいます。
    バイヤーズクラブの運営によって死に押しつぶされてる余裕がなかったことは、結果的にロンに力を与え、彼の寿命を延ばしたように思います。
    それだけにはかなく逝ってしまったレイヨンが余計に哀れなんですが。ジャレッド・レトもすごく良かったです。

  4. くりりんさんへ

    おはようございます〜♪コメントありがとうございました。

    >「死なないようにするので忙しくて〜」のくだり
    なるほど、「死ぬ暇が無い」とは面白いですね。
    私も、「病と戦うことによって、むしろ彼の寿命が結果的に伸びることになった」という意見は同じです。
    「必死に生にしがみつき、死と裏表になるかのような命がけの戦い」、これがまさにロデオとして表現されていたと思います。
    彼がロデオに乗る姿がキラキラと眩しく思えるのは、単に延命のための戦いではなく、それこそが彼の命を賭しての戦いであったため、であったなあって。
    レイヨンの姿とは、対照的に描かれてましたよね。自身の絶望に飲み込まれるかのような、レイヨンの儚さが悲しかったです。




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