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今年のマコノヒー映画第一弾 『MUD マッド』

32e34123『テイク・シェルター』のジェフ・ニコルズ監督。『テイク・シェルター』もまたヒネリのある不思議なテイストのヒューマンドラマだったけれど、こちらは独特なエッジを効かせながらも、ストレートさを感じる作品。海外では絶賛されたらしいのだが、日本では未公開作品特集(“未体験ゾーンの映画たち 2014)にて限定公開されるのみ。ちなみに、『テイク・シェルター』もやはり未体験ゾーンでの公開だったっけ。ただ、この特集のものって、少し待てばDVD化されたりもする。だから、「これは必須!」と劇場に駆けつけるべき作品なのか、そこまでする必要が無かったのかは、見終わった後にちょっぴり考えてしまうところ。

しかし、この人が出ているなら見ざるを得ない!という引きを持つ、マシュー・マコノヒーこの人!彼が出ているなら、今だったら必ずや映画好きが釣れる。それだけでも、この作品公開すべきだったんじゃないか?なんて私は思うのだけれど…。

caststaff_img06こんな顔した子供が出てくるだけで、『スタンド・バイ・ミー』!少年の一夏の冒険!と大喜びな私。リバー・フェニックスにソックリなこの風貌とこの角度…なんて、眺め倒したくなる。この映画から映画を見始めたと言っても過言ではない私にとっては、尋常ではない喜び様!!だったのですが…

主役の男の子はむしろこの彼ではなく、もう一人の赤髪の子。でも、ゴーディみたいに勇気がなかなか出てこないコンプレックスを抱えた子では無く、クリス以上に喧嘩っ早い、根性ある少年。私はこの短気な彼が、あまりにも喧嘩が強すぎたり、上級生に対しても少しも恐れが無かったり、やすやすと大人の世界に入ってきたりする、この辺りに何の葛藤も無く描かれていることで、逆に面白みを感じることが出来なかった。

良かったのはアメリカの片田舎の、よくある風景。川の風景を映し出した映像が何とも雰囲気があるのです。“MUD(マッド)”呼ばれるお尋ね者の謎な存在が、この映画を引っ張り始める。常識的な大人の価値観ではなく、成長途中にある少年ならではの感じ方から、マッドを自分に近しく感じ、愛に理想を求める姿は誰しも共感を感じる。二人のすれ違いや女の狡猾さに少年が傷つくところも、甘酸っぱくて良かった。ただ、分かりやすさがかえって自分にとっては仇となり、好みからは外れてしまった。もう少しベタならベタならではのやり方で見せて欲しかったなあ…。それから、ラストの銃撃戦がまた、退屈さを助長させてしまったところもあるかもしれない。おそらく、この監督にとってはアクションシーンは苦手なのだろう。銃撃戦のシーンで眠くなるって珍しいよね…。ただ、サム・シェパードの豪腕ぶりがなかなか見事です。久しぶりに見たけれど、雰囲気がだいぶ昔と違うなあ…。

’13年、アメリカ
原題:Mud
監督・脚本:ジェフ・ニコルズ
製作:サラ・グリーン、アーロン・ライダー他
製作総指揮:トム・ヘラー、ギャレス・スミス他
撮影:アダム・ストーン
音楽:デビッド・ウィンゴ
キャスト:マシュー・マコノヒー(マッド)、タイ・シェリダン(エリス)、ジェイコブ・ロフランド(ネックボーン)、リース・ウィザースプーン(ジュニパー)、サム・シェパード(トム・ブランケンシップ)、マイケル・シャノン(ゲイレン)、ジョー・ドン・ベイカー(キング)、レイ・マッキノン(シニア)、サラ・ポールソン(メアリー・リー)、ポール・スパークス(カーヴァー)、ボニー・スターディバント(メイ・パール)

 

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コメント(2件)

  1. 「MUDーマッドー」

    この作品を観ようと思ったのは、一度だけ接触した予告編で「(これからのアメリカの映画監督では)この監督の名前を覚えておけ」的な事が謳われ、尚且つマシュー・マコノヒーが出て…

  2. まさに良作!

    20日のことですが、 映画「MUD マッド」を鑑賞しました。

    アーカンソー州の川辺のボートハウスで両親と暮らしている14歳のエリス
    ある日、ミシシッピ川の島でマッドという男性と出会う…




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