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実は精力的に活動中 ロバート・レッドフォード最新作 『ランナウェイ 逃亡者』

mainこれまたロバート・レッドフォード監督作品がやって来た!日本では『声をかくす人』は去年の年末に公開されたばかりだけれど、製作は2010年。こちらの作品は2012年とのことだけれど、精力的に活動されているのだなあ。

かつて、ロバート・レッドフォード監督作品といえば、『リバー・ランズ・スルー・イット』、『モンタナの風に吹かれて』のように、自然の美しさを描いた、いかにも朴訥な作品が多いイメージだったけれど、ここ近年は『大いなる陰謀』、『声をかくす人』といった、骨太の作品をいつの間にか撮るようになったなあ、なんて思ったりする。声を張り上げて威勢のいい作品であるというよりは、普通であれば目をつむってしまいそうな事実の裏側を丹念に汲み取っていくかのような作り。私は意外にもここ最近の彼の作風が好きになった。

この作品は社会派ミステリー。’69年にベトナム戦争に反対していた過激派グループ“ウェザーマン”の一人が、30年経って突然自主して来た。これまで長い間沈黙し、社会に隠れ住んでいた人々にも逮捕の危機が及ぶ。新米の新聞記者であるシャイア・ラブーフが熱意を持って記事に取り組んでいく。

スーザン・サランドンがこうした役どころを演じるのは、この作品に多大なる魅力を与えていると思う。思わず『デッドマン・ウォーキング』を思い出すし、彼女と言えばハリウッドの女性陣の中でもリベラル派でしっかりした意見の持ち主というイメージであるし。

この作品で描かれるような、当時ベトナム戦争に反対していた若者たち、彼らは世界を変えようとしていた。あの頃の彼らが今はどう変わったのだろう、そして今のこの社会をどう思うのか…そんなことを考えながら、自分たちの問題としても見ることが出来た。日本ではこうした抗議活動はほぼ無駄なものとしてしか考えられてはおらず、そもそも「お上の言うことに逆らうことなど考えない」という人がほとんど。特に今のようにネトウヨがメジャーになっている今としては、左翼やリベラルというだけで嫌われてしまう始末。そんなことを色々と考えながら見てしまった。

物語は彼らのパーソナルな部分に落としこんでいく。長年放置してきた、だが逃れられない義務をまっとうする人間として。

’12年、アメリカ
原題:the Campany You Keep
監督:ロバート・レッドフォード
製作:ニコラス・シャルティエ、ロバート・レッドフォード他
製作総指揮:クレイグ・J・フローレス、ショーン・ウィリアムソン
原作:ニール・ゴードン
脚本:レム・ドブス
撮影:アドリアーノ・ゴールドマン
音楽:クリフ・マルティネス
キャスト:ロバート・レッドフォード(ジム・グラント/ニック・スローン)、シャイア・ラブーフ(ベン・シェパード)、ジュリー・クリスティ(ミミ・ルーリー)、テレンス・ハワード(コーネリアス)、スタンリー・トゥッチ(レイ・フラー)、サム・エリオット(マック・マックレオド)、リチャード・ジェンキンス(ジェド・ルイス)、ニック・ノルティ(ドナル・フィッツジェラルド)、ジャッキー・エバンコ(イザベル・グラント)、アナ・ケンドリック(ダイアナ)、クリス・クーパー(ダニエル・スローン)、スーザン・サランドン(シャロン・ソラーズ)

 

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