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白っぽい画面作りがスタイリッシュで病的 『アンチヴァイラル』

antiviral_sp_top_02デヴィッド・クローネンバーグの息子である、ブランドン・クローネンバーグが初監督を務めた作品!てことで楽しみにしていた私。

おお、昔のクローネンバーグを彷彿とするね!という病的描写がスタイリッシュな今作。モノクロ、特に白を基調にするので、それを汚すかのような赤が鮮明。

注射のシーンが異常に多く、それだけでも弱冠、体を何かに侵食されていくかのような気持ち悪さを感じてしまう。私は注射が苦手で、子供の頃から注射を出来るだけしないよう、錠剤に変えてもらえるよう母が医師に頼んでいたぐらい。そんな注射の苦手な人には結構なダメージ!何せ、セレブが病気になる際にその病原菌を採取して培養し、それを売るというビジネス。意図的に罹病する際にも注射をし、回復する際にも注射に頼る。うう、この作品、初めから終わりまで注射だらけなワケだ…!

セレブの細胞を培養して肉の中に忍ばせた食べ物すらビジネスの俎上に乗せられ、一般人はそれを購入して食べる、なんていう描写もあったっけ。偽装した肉の塊は見ているだけでも気色悪いけれど、そこに培養したセレブの細胞が混入しているなんて、考えるだけでもウゲー!“注射する”という行為よりも、“食べる”という行為の方がより直接的なイメージがあるものね。

ただ、イカレ具合が弱冠小奇麗にまとまった印象も受けるかも。繰り返しが多い上に、セレブを持て囃す文化を批判する姿勢が中途半端で、単に取り上げたのみで終わっている感が無きにしもあらず。見終わってしまうと残るものが無いのが少々残念だ。体を何かに侵食されていく、意識が朦朧とフラフラになった主人公の描写が初めから終わりまで続くので、イメージ的にも少々単調なんですよね。

だがしかし!見るぜ今後も!…と言う気持ちにはなれるデビュー作でありました。少なくともここ最近の、生気の抜けたオヤジの作品よりはずっとマシだったし。

69059主役を演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズも、どこかアルビノっぽく、極めて白っぽい。彼の不気味カッコいいムードも素晴らしかったですよ!

12年、カナダ、アメリカ
原題:Antiviral
監督・脚本:ブランドン・クローネンバーグ
製作:ニブ・フィッチマン
撮影:カリム・ハッセン
キャスト:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、サラ・ガドン、マルコム・マクダウェル

 

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