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不思議ちゃん系女の子の怖さと実力が全開な作品 『ザ・フューチャー』

sub_image8903大好き!虜になってしまいました。
何て才能のある素晴らしい監督さんなんだろう。監督・脚本・主演を担当している、ミランダ・ジュライ。何とも独特な、魅力が満載の作品でした。おそらくは彼女印がここかしこに現れているからこそ、こんなにも偏った魅力に満ちた作品なのかも。「女の子って訳が分からない!」そういう男性にとっては、もしかしたらものすごく夢中になるかもしれない。もしくは全くならないか、そのどちらかだと思うけれど。

 

私は「彼女になりたい」と思うぐらいハマってしまったし、見終わった後もずっとドキドキした高揚感を、思い出すたび感じてる。見ている時は「面白いなあ」と思いながら見ていても、後から思い出してもそのキラキラ感が残っていることなんて、あまりないよね。私はたくさん映画を見ていて、その様は、まるでゴミ箱を漁る野良猫みたい。貪欲なの。でもそんな浅ましい私でも、この余韻を忘れたくない、と思う時もある。ふと足を止めてその瞬間を抱きしめたくなる。そういう作品こそが、本当に忘れられない大好きな作品になっていくって気がする。

何が気に入って、何が気に入らなかったかを話させてくださいね。
まず気に入った方。これは、35歳という微妙な年を扱っているところ。35歳って、よく求人情報などで「35歳まで」と銘打たれていることが多いんですよね。なんだか、「それを過ぎてしまったら終わり」ぐらいに決定的な、哀れな年齢のよう。まだ本当はまだ全然若い部分もあるんだけれど、この年であればいい加減、自分の個が固まって来ないわけはない。そう思われてしまう年。

そんなターニングポイントで、「自分のやりたい事だけをやってみる」。このテーマにとっても惹かれてしまった。自分探しをするにしても、遅いのか早いのか、良く分からない年齢だからこそ、やってみる価値があるような気がする。普通の人は、そんな年に自分探しなどし始めたりはしない。「仕事を辞め、インターネットを解約して、自分のやりたい事だけをやる30日間」を掲げる。まず、「仕事を辞める」。ここで普通の人は多くの人が断念してしまうことだろうと思う。自分の時間というのは、本当は自分が所有しているものなのに、多くの人にとっては、自分のために時間を使う時間などあまり無いのよね。自分の人生なのに、「自分がその時間を所有していない」だなんて、あまり考えたくないことに違いない。

それから2つ目の、「インターネットを解約する」。これにも相当な衝撃を感じてしまった。ここ近年の私と来たら、インターネットを解約するなんて、まるでそんなことを想像したこともなかった。無駄な時間をよくインターネットの前で過ごしている。よく考えたらインターネットをやる前の自分に戻ったら、まるで違う生活方法が出来そうなものに、そんな単純なことを、まるで思いもつかなかったなんて。自分のガチンガチンの固定概念というものに気がついた。だからこそ、そんな部分にメスを入れるのは必要なことであるかのように思った。いろいろ剥ぎとってどんどん自分らしくなっていく。やりそうでやれないこと!


彼女が一日を過ごすそのやり方にも、注目して見てしまった。「毎日一つのダンスを作り出す」ことを自分に課す。変てこなダンス、意外とこれもすごく難しいんですよ。ダンスって型があって、誰かが考えた型を似せることから習い始めるものだけど、自分らしいオリジナルなダンス!で、彼女がやってみようとしたダンスは、これまた「ダンス」の概念からは結構外れたもので、すごくワクワクしてしまった。そういう型破りなものが何もかも大好きな私にはたまらない。
(でもね、私は、大学生の頃は、とってもオリジナルなダンスを踊りまくっていたと思う。特に、プライマスとか、変わった音楽であれば余計に。)

ミランダ・ジュライは、美人なのかそうでもないのか良く分からない風貌で、そこがまた好き。顔だけ見れば、ソフィア・ローレンみたいな美人顔。私の友人は、「ソフィア・ローレンをブスにした感じ」などと失礼な言い方をして、私をカチーンと怒らせたけれど。たぶん、髪型のせいかもしれない。まるでベティちゃんみたいに、グルングルンとカールした髪。おばさんパーマと見えなくもない。それなのに、手足は長いし、プルンとお尻を出した時は、何とも官能的。私は「お尻」の良さについては若い頃からずっと懐疑的で、「お尻のどこがセクシーなんだろう?ただ真ん丸な2つの肉塊でしかないのに。」と思っていたけれど、まるまる剥き出しのお尻は、女の私から見ても、とっても刺激的に見えた。

さて、気に入らなかった方だけれど、ラストはあんまり好きじゃない。

この先ネタバレで話します********









「最近好きな映画は何だった?」と聞かれて、「うーん、うーん、あっそうだ!『ザ・フューチャー』。」と私は答えたのだけれど、そしたら優しいおじさんのえいさんは、「僕は、夫婦が別れてしまうラストが嫌いなんだ。」と答えてました。
その答えは、私にもとっても納得のいくもの。そうなの、私もそこが嫌い!
信じたいんですよ、ずっと変わらないものを。自分の道を自分で選ぶにしても、後から自分は間違っていたのかもしれない、と思いたくない。だから、恋人が別れてしまうあの瞬間は、とっても痛々しいものに思えてしまった。

年上の男性を選んでしまう未来。あれはその後の彼女にとって、正しいことだったのか、どうだったのか。苦々しい終わり方を迎えてしまうラストなんですね。

「未来」はいつも怖いもの。現在のすぐその先に繋がっているはずなのに、ぷちんとその糸が切れてしまうこともあるかもしれない。この結末は、自分にも経験したことのあるすごく苦いものだった。まるで彼女の訳の分からなさは、同時に何を考えているのか分からない女の子の怖さでもあるかのよう。そう考えればやはり二重の意味で、女子を十二分に表したと言えるものなのかも。うん、やっぱすごいと思うわ。

監督・脚本:ミランダ・ジュライ
撮影:ニコライ・フォン・グリーニベニッツ、エリオット・ホステッター
音楽:ジョン・ブライオン
キャスト:ハミッシュ・リンクレイター(ジェイソン)、ミランダ・ジュライ(ソフィー)、デビッド・ウォーショフスキー(マーシャル)、イザベラ・エイカース、ジョー・パターリク

 

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