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116★白夜

’71年、フランス、イタリア
原題:Quatre nuits d’un reveur
監督:ロベール・ブレッソン
原作:フョードル・ドストエフスキー
撮影:ピエール・ロム
音楽:ミシェル・マーニュ
キャスト:イザベル・ベンガルテン、ギョーム・デ・フォレ、ジャン=モーリス・モノワイエ、ジェローム・マサール

ニュープリント35mmフィルム版。ユーロスペースにて上映。



思わず二回見てしまった。見終わった後、ドストエフスキーの原作と違うのに驚いてしまって。あれ?こんなんだったっけって。でも、原作を読んだのももう20年ぐらい前なので、だいぶ忘れていても仕方がない。再読しようかな…。私がこの作品を見てみようと思ったのは、TIFFで見た『ある学生』のカザフスタン人監督、ダルジャン・オミルバエフが、ドストエフスキーの原作物として例に挙げていたため。ちょうどニュープリント上映がある時期だったので、この機に!と飛びついたのでした。

誰にでもあるような人生の一時期。愛する人をまだ見つけていないせいで、街を歩くちょっと綺麗な人にすぐに惚れてしまったり。
なんだかふんわりとした、人生の一場面を描いた物語なのだけれど、何となく素敵なんですよね。
自我がとても強くて、そのために恋を上手に出来なかった時代。私にとって、この頃の思いが一番強く心に残っている。
恋に憧れるような、それでいながら相手のペースと自分のペースを上手いこと合わせることが出来なかったり。

相手が悲しんでいる原因が他の男だったら、手助けしてる場合じゃないでしょー。
とか言いたくなるけれど、自分が本人だったら、やっぱり同じように行動してしまっていたかも。
「今だったらもう少し上手くやれるのに‥」という頃にはもう遠い、甘く苦い感情たちが懐かしい。

何とも言えない、甘酸っぱいエロチックさを感じる、鏡のシーンが好き。好きな彼女の名前を思わず連呼するシーンも。
ああ、何と分かりやすい!こんな風に頭がいっぱいになるほど愛してしまう純粋さが、何だか羨ましく遠く感じた。
自分もああいう時代に、自分を愛してくれる人を振ってきたのだろうなーと。
そう思うとなんだかとても甘酸っぱい。

 

※ストーリー・・・
画家の卵であるジャックはある夜、セーヌに身投げしようとする少女マルトを助ける。彼女には一年前アメリカ留学に発った恋人がおり、二人が再会を約束したのがその晩だったのだ。青年は苦悶に沈む彼女を美しいと思った。そして、激しい愛の衝動につき動かされながら、努めて平静を装い、彼女の心が恋人から離れるのを望み、そこに罪悪感を覚える。’57年版と同じく、有名なドストエフスキーの悲恋小説を現代を舞台に翻案した、ブレッソンの覚醒した世界観を窺わす痛烈な作品だ。ヴィスコンティのロマンチズムはここになく、青年の盲愛が、彼の習性である思いのたけをミニ・テレコに吹き込むという形で、露骨に顕わになる様が見ていく苦しいほどだ・・

 

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コメント(2件)

  1. >ヴィスコンティのロマンチズム

    ボクがみたのそれだわ~。あのね、今日、Ipod タッチとやらを買ってしまったんだけど、、、ちょっとスマホもってる人に近づいた、、、これどーすればいいんでしょう? 音楽のリストがさっぱり同期しないのだが、、、

    おもに音楽を聴くために買ったのに、、、このままじゃ、16ギガの、カラッポの箱だ。。。

  2. 裏山さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    へー、iPod touch買ったんだ。古いやつ?
    音楽のリストが同期しないってどうして?とりあえず、よく分からなかったら、Apple Storeに逝く…じゃなくて、行くといいよ。
    16ギガなのに空っぽは寂しいもんね^^;
    あ、Apple Storeは、突然行かないで、ネット予約して行くべきだよ。
    そうじゃないと、すんごい待たされちゃうからね。
    http://www.apple.com/jp/retail/ginza/




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