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99★ノスフェラトゥ

’78年、ドイツ、フランス
原題:NOSFERATU
監督・製作:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク、F・W・ムルナウ
撮影:イェルク・シュミット=ライトヴァイン
音楽:ポポル・ヴー
出演:クラウス・キンスキー、イザベル・アジャーニ、ブルーノ・ガンツ、ローランド・トパー、ワルター・ラーデンガスト



またしてもドイツ文化センターにて鑑賞。この日はブラム・ストーカー生誕165周年の日という、ピッタリの日に見てしまった。

この日は、Googleのロゴも記念のため変わっていたのです。何かと話題に上るGoogle検索の変身バージョンだけれど、自分が『ノスフェラトゥ』を見ようという日に、こんな記念日だったと教えてもらえるとは!本当は『コブラ・ヴェルデ』もまだ見ていなかったので、アギーレからの流れでコチラと迷ったけれど、「やはりブラム・ストーカーの記念日だしな!」と鼻息を荒くして見に行ってしまった。私原作の『ドラキュラ』も読んでいるんですよ。

私が子供の頃初めて見た恐怖映画は、『ドラキュラ』でした。監督も誰が演じたものかも覚えていないけれど、たぶん、ベラ・ルゴシの『魔神ドラキュラ』だと思います。子供の頃、TVでやっていたのを親と見た。普段は、私と妹が夜更かししないように、あの手この手で寝付かされたのだけれど、この時は母親は私を寝かしつけるのを忘れたのか、母も夢中になってしまったのか、最後まで見てしまったんですよね。おかげで私は、この経験を一生引きずることになりました。夜寝るのも怖くなるほど、トラウマになってしまった。普通、しばらく怖いものは読みたくないと思うものだけれど、いつしかその恐怖もすっかり忘れ、また怖い話を読みたいな、と思ってしまう。『エコエコアザラク』とか、漫画の怪奇物語も怖かったですね、夜や闇を怯えて過ごしました。その他、夏にやっている「あなたの知らない世界」この番組もまた私を、“眠れないサークル”に落とすこともありました。小学校高学年もしくは中学生まで、ずーっとこのサイクルの中で過ごしました。そこで、気づくと私はホラー好きになっていたのです。いわば、ドラキュラのせい!だから、ドラキュラ物は私にとっては特別なものなのです。

吸血鬼物って、怖いだけじゃなくて、美しくもあるんですよね。エロさもある。子供の頃、寝るための部屋は両親と一緒でした。子供の寝静まった暗闇で、親が二人でコソコソ何かをしている訳じゃないですか。恐怖、好奇心、子供ながらの性的興奮、こうしたものの全てが、いわば闇にあった、と言っても過言ではない。闇に憧れ、その魅力に自然と惹かれていきました。またドラキュラの、“不老不死である”存在に憧れる部分もある。闇と共に訪れる紳士。闇でしか生きられない存在に対する畏怖。ヴァンパイアの魅力は、その他のホラー物と一線を画し、ロマンチックな存在なのです。

ムルナウの『吸血鬼ノスフェラトゥ』のリメイクであるこの作品も(オリジナルは未見ですが)、こんな絶妙なバランスで、ドップリと堪能出来る作品に仕上がっていたと思う。クラウス・キンスキーのドラキュラは、長い爪に出っ歯の前歯2本で、禿頭。ガリガリに痩せていて、耳も尖った姿。いかにも何百年も生きている闇の者という雰囲気は抜群でした!ただ、あまりに病的なので、時々コメディっぽくて、可笑しくて吹き出しそうになってしまいました。あんな妖しいやつ、絶対嫌だろう!というのに、全くビビらないブルーノ・ガンツの若い頃・・。若い頃のブルーノ・ガンツ、なかなかのイケメンで驚きました。

ここでのドラキュラは、不死の中で孤独に生きる存在として、忌むべき存在の自分に絶望しているんですよね。原作やオリジナルと違い、ドラキュラに対峙するのは、イザベル・アジャーニ演じる美しい妻のルーシー。彼女が現れるだけでハッとするほどエロティックな香りが漂い、素敵でした。恐怖に凍りついた表情がとてもいい。何より良かったのは、血を吸われる時のあの瞬間。あのゆっくりとした奇妙なエロティックな映し方は、死への恐怖や現世への倦怠感、全てを吹き飛ばす一時の快感を表現したかのよう。素晴らしかった!
ラストシーンのネズミがまたすごい。人がいなくなり無人と化した都会に、ネズミだけが大量に居る。中世は、ペスト“黒死病”とネズミを結びつけて考えていたんですよね。“ネズミの王”としての“悪魔の使い”が、“ドラキュラ”という表現。恐ろしい死の蔓延する古都の姿。なかなかに圧巻でした。

 

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