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43★メリダとおそろしの森

’12年、アメリカ
原題:Brave
監督: マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン
共同監督: スティーブ・パーセル
製作: キャサリン・サラフィアン
製作総指揮: ジョン・ラセター、アンドリュー・スタントン他
原案: ブレンダ・チャップマン
キャスト(日本語吹替):大島優子



何でも今回のディズニー・ピクサーの興行収入、かなり日本では良くないらしい。(メリダとおそろしの森の興行収入がヤバい)へー、やっぱりそうなんだ。私が見た時はかなりガラガラだった。このテーマが良くないのか・・と思いきや、アメリカでは普通に売れているらしい。いい加減何度も言われていることだけれど、アイドルの吹替って本当に止めた方がいい。ピクサーがこんなことをするとは、正直ショックでしたよ。何故配給会社は学ばないのだろう。私はTVを全く見ないので、「ピクサー」以下何も知らずに観に行ってしまった。オリジナル字幕で見たかったけれど、ちょうどいい時間に吹替しかやっていないので仕方なく、そしたら・・・。

とは言え、観に行ってしまえば、内容自体は楽しめるもの。私的には、こういう物語って、子供の頃から何度も何度も慣れ親しんだものに似ているの。言わば、世界名作劇場の世界ですね。いや本当、女の子って子供の頃、大抵こういうのが好きなんですよね。TVアニメだけじゃない、本にもこういうのたくさんあったな。大人になった今でも、こういう「プリンセス物」を見るとなんだか嬉しくなってしまうのです。困ったことに、いくつになっても少女の気持ちを持ち続けている、ってことでしょうか。ったく、全然似つかわしくないけどな ^^;;;

こうした王女様設定って、ピクサーよりはディズニーっぽいんですね。それこそ、ディズニーならではの得意分野。たとえば、去年の『塔の上のラプンツェル』、一昨年の『プリンセスと魔法のキス』、これまでの輝かしいディズニーの歴史、『リトル・マーメイド』やら『白雪姫』やらの、ありとあらゆるものを抜かせばの話ですがね。『プリンセスと魔法のキス』。これは、当時タイトルを聞いて「うげえっ」と思わずスルーしてしまったのだけれど(原題の『プリンセスと蛙』だったら蛙好きのため、見に行ったかもしれない!)、DVDで見てみたら素晴らしい完成度に、とても感激してしまった。このことがあってようやく、自分はこうした「プリンセス物」にドップリ浸かった少女時代を過ごしたのだなあ。と再認識をしたという次第でして。(ああ、私にも少女時代はあったのね・・・!)

では、この物語のピクサーらしさはどこにあるんだろうか?たとえば、ヒロインの王女様のお転婆っぷりとか?このヒロインときたら、見たこと無いほど勇敢過ぎる。原題も「Brave」、ヒロインでありながら「守られる存在」では決してなく、自分が王国を積極的に守っていくんですよ。なんてキップの良い性格。さらに、よくある男の子の主人公物とは違い、冒険に出ていく世界の対峙する相手が違う。男の子ヒーローものの、「世界に出ていき」、「モンスターと戦う」、そんなよくあるパターンではないところも、大好きだ。こうした違いはとても納得がゆくこと。(魔法使いのお婆さんも、意地悪だったり嫉妬から起こす行動ではなくて、偏屈もので変わり者なだけ、というところもドライだよね。)

ヒロインにとって、戦うべき一番の相手は、自分を理解してくれないお母さんだったりする。それから、王国の王女、跡継ぎとしてどんな行動を取るか。この辺が見所なのです。ふとしたことから魔法によって、そのお母さんがクマに変身してしまう。このお母さんグマが元に戻る方法を探していく。おや、と気がついてみれば、ちゃーんと「よくある冒険物語」とは全く違っているじゃないですか。私だったらこの辺りが気に入ってしまうよ。

今年の夏は、『おおかみこども〜』といい、この作品といい、良く出来た日米の素晴らしいアニメが、「母と女の子の物語」だ。なんだか感慨深い。これまで描かれた有名な母と娘の物語といえば、ギリシャ神話の「デメテルとペルセポネー」、こちらを思わず思い出すけれど、こうした「母娘原型」とは全く違ったパターンが描かれていることに気がつくんですね。かつての「母娘原型」から、現代に生きる我々はようやく脱却し、違う物語を得たかのように。女の子の冒険物語、それは男の子の物語とは違っていてしかるべきだし、さらに母と娘の物語について、活き活きと語ったこの物語が、本当に気に入った。

『プリンセスと魔法のキス』、『塔の上のラプンツェル』と来て、こちらの『メリダとおそろしの森』。どれも現代のお伽話というにふさわしい、素晴らしい作品ですよ。現代のプリンセスの物語の新鮮さ。ディズニーはピクサーを吸収して、きっとどうしてもディズニーの伝統的お家芸がやりたかったんだろうな。

 

※ストーリー・・・スコットランドのある王国で弓と乗馬が得意な王女メリダは、王国の深い森をこよなく愛し、森とともに育ってきた。しかし、メリダは古代より精霊たちに守られてきたこの神秘の森が持つ本当の力、そしてその森の奥深くで待つ自分自身の運命を知るよしもなかった・・・

メリダとおそろしの森@ぴあ映画生活

 

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コメント(4件)

  1. なぜか日本でのみコケてしまっている本作。
    面白いのに残念です。
    一番成長する実質的な主役はむしろメリダより母ちゃんの方だという気がします。
    「おおかみこども」の花もそうですが、育つのは別に子供だけじゃないですねえ。

  2. ノラネコさんへ

    こちらにもありがとうございます♪
    うん、メリダ面白かったですよ。私これ大好きでした!日本で売れなかったなんて、やっぱりAKBのせいなんですかねー。ピクサー商品が傷物になってしまった・・・。
    親子ともども成長物語、っていいですよね。『おおかみこども』にしろ『リアルスティール』にしろこの作品にしろ、親が成長する姿に感動してしまいます。

  3. メリダは当たりでしたね
    大島優子さんはキライじゃないんですが、この仕事ではあきらかにハズしてましたね
    残念です
    川で魚採りシーンで泣けました

  4. よしはらさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    やった!よしはらさんと合って嬉しいです!
    この作品は、世界では売れているのに日本だけイマイチで、寂しい思いをしていたので、特に嬉しいですね。
    大島優子は、私はすっかり懲りました。
    全部が全部大島のせい、というわけではないと思うんですけど…うん、配給会社も悪かったと思いますw




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