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15★セルビアン・フィルム

’10年、セルビア
原題:Serbian Film
監督・脚本: スルディアン・スパソイエビッチ
キャスト: スルジャン・トドロビッチ、スルディアン・スパソイエビッチ、セルゲイ・トリフュノビッチ、エレナ・ガブリロビッチ

ここまで露悪的に「やってはいけない表現」が羅列されると、いっそ精々しいほど(?)。「過度のゴア描写や倫理的理由により、世界各国で上映中止や一部シーンカットでの上映を余儀なくされてきた衝撃作が、日本でノーカット版で公開」。うわあ、さすがだ!シアターNと、京都ナナゲイ!!



公開前に、とある映画好き女子が、「シアターNって映画館、本当最悪ですよね」とか言うんですよ。「『セルビアン・フィルム』なんて、誰が見に行くの?!」って。カチーン!!!!そんなこと言われたら、誰が止めたって見に行くぞ!という気になる、ってモノじゃないですか。

まず、タイトルのシンプルさが、かえって強烈に思えるところもイイ。堂々、その名も「セルビアの映画」と来たもんだ。今後は、とことんセルビアに注目して見てしまいそう。セルビアの映画ってどんなのがあったっけ?『ライフ・イズ・ミラクル』とかエミール・クストリッツァ監督の名前をここで挙げたら、映画好きに袋叩きにされてしまうかしらんww

この映画よりもっと他にも、凄惨なシーンを描いた凄い作品はありますよね。『ギニー・ピッグ』とか、最近の作品では『マーターズ』を思い出す人も多いだろうな。前出の『ホステル』とか?『ホステル』の殺戮の館は何処だったっけ、と思ったら、あれはスロバキアでしたっけ。(「ブラティスラバ」!街の名前を忘れないように、何度も呟きながら映画を見てたのが印象に強く残ってますよね!)セルビアは、スロバキアの少し南でした。ユーゴスラビア連邦ということでご近所。

しかし、どこかでこの作品に対しては、ワクワクするポイントが加算されちゃう。何処か、「見てはいけない世界を見ているんだ」と、無性に駆り立てられてしょうがないものがあるんですよ。

その正体は何かと言うと、これはやっぱり、都市伝説であるスナッフ・フィルムを題材にしているからなんでしょうね。「スナッフ・フィルムを作る映画」。これを聞いてワクワクしない人は居ないんじゃないかな。そうです、この手の闇市場では、一番高値で取引される、最後のエログロジャンル!『8mm』とかあったけど、そんなに思いつくほどたくさん在る訳じゃない。この映画以降再び、今後ジャンルとしての「スナッフ・フィルムモノ」が、二匹目のドジョウを狙って、作られ始めるのではないかと!

参照サイト:X51.ORG : 娯楽殺人映像 ー スナッフフィルムは実在するか

そんな訳で、楽しんでしまってはいけないんだけれど、思わずゾクゾクしちゃうんです、この映画は。何しろ、露悪的なまでに「やっちゃいけないことだけ」を詰め込んでいて、もう本当にお腹いっぱいな気持ちになれる。適当なところで止めずに、最後まで本当〜によく頑張っている!そんなところがまたポイント高かったりする。今年一番のエログロ突出作品として、忘れられないだろうな、と。よくぞここまで振り切った!逆にエログロに対する精一杯の愛情が感じられる作品ではありました。

物語のペース的舵取りとしては、人によっては冒頭辺りが少しモタモタして感じられるかもしれないです。主人公が少しづつ裏の世界に入っていくんだけれど、この辺りが少しジラされている感覚があるんですよね。でも私に言わせれば、こういうジラされ感は、その後の爆発に絶対に必要なことなんだな。もう少しタイトにしてもいいと感じる人もいるかもしれないけど、私は断固としてジラシ支持派。

エロとグロのバランス感覚もとてもいいです。全体的に、グロよりもエロが勝っているタイプ。「ハードゴア・スリラー」という見出しより、「ハードエロ・ゴアスリラー」って私なら呼んであげたい。エロが何よりの原動力になっているところが、逆に下半身の元気さを感じちゃいます。

グロ中心の方が映画としては多いかもしれないですよね。でも、都市伝説・スナッフ・フィルムを題材にするなら、絶対その物語はエロ中心になるはず。グロ的に物足りない感を感じた人はおそらく居ないでしょうね。それなのに、エロが優っているんです。

しかーし!おかげで、変態に出会ってしまいました。私の横に座っていた男が、途中から鼻息が荒くなり、ふと見るとどう見てもチ◯コをしごき出してました。あの胸糞悪い新生児ポルノの辺りでは、どうしているか?と思って見てみたら、しっかり萎えてました。つい確認してしまった・・・。見たくないのに。

印象的な音楽が、何度も何度も流れるんだけれど、最後には麻痺して、だんだんノリノリになる。忘れられなくなります。この音楽。少しだけQueenの『We Will Rock you』に似てるじゃないですか。

思わず拳を振り上げて、「We Will〜We Will〜 FUCK you!!!!」と、歌いたくなりますよね。

P.S.・・・シアターNってば、いつの間にか、レディースデイとメンズデイと、サービスデイの3種類が設定されていたのね。私はそれに気付かず、水曜に行っちゃいました。「女子率相変わらず少ねー!」と思ってたけど。ただでさえ女子率が少ないNだし、そんな変態に会うぐらいなら、せっかくだからレディースデイに行きたかったな。

 



※ストーリー・・・
元ポルノスターの男が昔なじみに依頼された仕事で味わう悪夢と狂気が混濁する体験を、凄絶な描写と共に描く。ありとあらゆる禁忌をおかす、そのショッキングすぎる行為の数々に圧倒される1作だ。

セルビアンフィルム@ぴあ映画生活

 

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コメント(5件)

  1. ご無沙汰してます。なんかコメント欄、変わったんですね。新しい事せんといて、おじさん、とまどうわ。
    このところ急激に映画鑑賞に対する欲求が萎えてしまって・・・。映画を良く観るようになって約5年。まぁ、ここらで一息入れるのもいいかな。
    萎える前からこの映画だけは、例え、宣伝見かけ倒しだったとしても観ておきたいと思っておったのですが、結局、上映終了。とらねこさんの記事を読んで、やっぱり観ておけばよかったなと、ちと後悔。
    それにしてもとらねこさんの楽しそうな文章。本当はちょっと不快な思いをされたのかもしれないけれど、何だか変態さんとの遭遇もラッキー!な感じで読めるのですが・・・

  2. imaponさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    アハハ!コメント欄が変わってから、微妙に面倒臭くなってしまってすいません・・。
     imaponさん、最近新しい映画をあんまり観なくなってしまいましたもんね。もう完全に自己流を貫いてるなあ、なんて。でも、完全に自分の好みの映画ばかり並べてるimaponさんが素敵だなあと思います。それに、これはこれで喜ぶ映画マニアが居そうですよね。あと、相変わらずよしはらさんと交流してるのも、何気に見てて嬉しいし(笑
     あー、私がブログを書くのが毎度毎度遅いばかりに!せっかくimaponさんが興味を持ってくれたのに、すでに終わっていたとは。。スイマセン><。

    いやー、さすがに変態に会ってしまったのはやっぱりちょっと嫌でしたよw。でも、さすがNだなあ、みたいな気持ちもあったりして(爆) 実際、結構エロいので、興奮するのも分かる気はしますw imaponさんにも是非見て欲しかったな〜!

  3. こんばんは!

    とらねこさんに薦めていただいたので観ちゃいましたよ、セルビアン!
    いやぁ、参りましたね。まったくもって僕のクララは立ちませんでした。とらねこさん隣に座っていた変態さん、本当に凄いね。この映画で興奮できるなんて!
    僕のは青菜に塩って感じでした・・・って下ネタばかりすいません(笑)

    映画の途中で本気で吐きそうになるという貴重な体験をしました。
    特に産声が断末魔に変わるアレは流石に・・・。
    でも一本の映画として内容は極悪でも、完成度自体は高い映画かなって気はしました。序破急と構成にメリハリがありますし、主演のおっさんの変貌が凄い!やっちゃいけない事ばかり描いている映画だけど、引き込まれてしまうのは演出が巧みなせいなのでしょうか?
    あの主人公の兄も気持ち悪いですね。ホームビデオで興奮する様はあまりに気持ち悪すぎ。まぁ、これが伏線になって「正しいセルビア人家族の風景」へと突入するのですが、ここでも吐きそうになっちゃいました(笑)。

    でもこの映画を観た事について後悔はしてません。
    インパクトは絶大だったので、密かに年間ベストの8位くらいに仕込んでおいても良いかなって思っているくらいですから(笑)

    また変な映画があったら教えてください!
    次はタイトルが凄い『先生を流〇させる会』(一応、伏字)あたりですか??
    レポートお願いします!

  4. 蔵六さんへ

    こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
    やたっ!見てくださいましたか!ヒャハハ、想像通り、気に入ってくれたようですね。
    しかも、年間ベストに入れるぐらいとは!いやー、実は蔵六さんならもしかしてそうなるだろうな、と思いました。完成度の高さに関しては、私も同感です。これはDVDでなく、映画館で見たいレベルですよね!
     蔵六さんのクララは青菜に塩でしたか・・ぷぷっ。良かった、蔵六さんがまともで!そんなに繊細とは知りませんでしたw。でも前半の、特に最初の方は、割りと普通にエロを描いていた部分もありましたよね。後半も畳み掛けになる前は、割と少しづつ展開していく感じがいいんですよね^^; 
     「正しいセルビア人家庭の風景」!あの見せ方、恐ろしいですよねえ。そもそも、シーツの上からのサイズを見て嫌な予感がしてたんですよね。観客には分かるけど、小さな足が・・の辺りから主人公が気づくまでを長く回してて。ああやって丁寧に映すところは怖いですよね。気づいたら「家族仲良く」て・・。
     基本的にカメラワークが良かったですよね!遠くからの画を映すのが印象的に見えるシーンなんかは、特に良くて、インパクトが強いです。

    >先生流◯
    了解です!これは見たかった。というか、これは結構売れるんじゃないかなーとひそかに思っています。そんなことないのかなあ。『告白』の延長線というか。




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