rss twitter fb hatena gplus

*

12★ドラゴン・タトゥーの女

’11年、アメリカ
原題:The Girl with the Dragon Tatoo
監督: デビッド・フィンチャー
脚本: スティーブン・ザイリアン
製作: スコット・ルーディン、オーレ・ソンドベルイ、ソーレン・スタルモス、セアン・チャフィン
製作総指揮: スティーブン・ザイリアン、ミーケル・バレン、アンニ・ファウルビー・フェルナンデス
原作: スティーグ・ラーソン
撮影: ジェフ・クローネンウェス
音楽: トレント・レズナー、アティカス・ロス
キャスト: ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、ステラン・スカルスガルド、スティーブン・バーコフ、ロビン・ライト、ヨリック・バン・バーヘニンゲン、ジョエリー・リチャードソン、ジェラルディン・ジェームズ、ゴラン・ビシュニック、ドナルド・サムター、ウルフ・フリバーグ、インガ・ランドグレー、マッツ・アンデルソン、エバ・フリトヨフソン、エロディ・ユン、ジョセフィン・スプランド、エンベス・デイビッツ



ただの個人的な理由なのですが、数日間はPCから遠ざかる予定です。しばらくPCはもちろん、読書も、映画館も行かずDVDを見ることもできない予定。なのでこの作品だけでも、UPしておこうかな…などと思い立った。少しPCから離れる前にって。私はよっぽど、映画の感想を書くのが好きなのだろうな。だからこのブログを、細々と言えども長い間、続けてしまったのかも。

ソーシャル・ネットワーク』の熱狂がようやく落ち着いてきたと思ったら、早速入ったフィンチャー次回作のニュース。こうしてサクっと身軽に作品を撮り、しかも大ヒットしまうなんて。オスカーも、同じ面々で2年連続「編集賞」を取ってしまった!「これは予想してなかったな」という受賞スピーチだったけど、あれは本音だと思うな。

ちなみに私は、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』、スウェーデンのオリジナルバージョンに大分満足していたので、少々言いたいこともあったり。でも全体的には、とてもよくまとまっているし、もう一度楽しめてしまったしで、満足度は高かったですよ。まあサスペンスならではの「オチが分かった後の、何となくのガッカリ感」はあったけれど、そこにすかさずプラスされた、「ほのかで淡いラブストーリーテイスト」。こういう辺りで「おあとがよろしいようで」って上手くまとまって終わりそうですよね。

個人的にはこんな感じ。ネタバレです。

1.ストーリーのまとめ方、見せ方は、オリジナルの上手な点を参照にしながら、それに負けずとも劣らずの、魅力的な物語構成だ。

2. キャストが見事。オリジナルの好感度の高いミカエルさんを演じて、引けを取らないダニエル・クレイグが素敵。(モテる男は目の前のご馳走を拒否らない)

3.リスベットのキャラクター設定が、オリジナルと少し違うのがあまり好きではない。ルーニー・マーラの甘いマスクは、リスベットが弱そうに見える。正直、裏原系ファッションに身を包んだ、コスプレのデスメタル好き、に思えてならなかった。

4.オリジナルと違う一番のポイント、ミカエルとのラブストーリー が余計だ。とは言え、それはそれでハリウッドの上手さとも思えたりもするので複雑な思い。女子としては、オリジナルのあの激辛リスベットが好きだけれど、男子はおそらくこちらのリスベットの方が好きだろうな、と。だからこそ、リスベットを少し可愛くオブラートに包んだのかも。

5.逆レイプシーンがイマイチだった。オリジナルは100点。おっしゃー!とガッツポーズをしたくなるような逆レイプシーンに喜んだのに、ハリウッドバージョンの「ツンデレキュートなリスベット」設定では、この程度の逆レイプか。と、少しつまらん思い。(アナル鉄パイプはもっと過激にお願いします)

6.『ミレニアム』の女編集長役、ロビン・ライトとの関係が、オリジナルよりもっと濃厚な、「長年のカップル」のように思えてしまった。オリジナルの方は「仕事上の付き合いも含めた、大人の体の関係」というクールさを感じたけれど。ロビン・ライトが無駄にイイ女なので、ミカエルが余計「煮え切らない男」に思えてしまう。

7.ステラン・スカルスガルドの曲者ぶりが光っている。

8.トレント・レズナーが音楽担当をしていて、NINのTシャツを着て登場するところはツボだ。

9.冒頭の『移民の歌』のトレント・レズナー&Karen.Oのカバーがカッコイイ。このカバーは、歌はオリジナルのツェッペリンをベースに使いながら、編集で上手にヘヴィーさを効かせている。しかし何より、「本物を使ったカバー」であるところがポイントだ。『移民の歌』カバーバージョンというと、実は’93年のInfectious Groovesのカバーが有名だ。当時はそれほど「カバーをする」こと自体がよくある出来事ではなかったので、注目されたという点もあるが、Infectiousは、その上手で大胆なアレンジが受けヒットした。トレント・レズナーのカバーは、そんなInfectiousのカバーを受け、これをさらにヘヴィーにし、かつ聴きやすい上手なアレンジでもって味付けをしている。何より、本物のロバート・プラントの歌を使っている。

『ドラゴン・タトゥーの女』も、この『移民の歌』のカバーのように、上手にオリジナルを使いながらも、自分ならではの味付けに仕上げられたカバーのようだ、と思った。

 



※ストーリー・・・
大物実業家の不正を暴くも、名誉棄損で有罪判決を受けたジャーナリストのミカエル。やるせない毎日を送っていたある日、彼のもとに大財閥会長のヘンリックからとある失踪事件の調査依頼が入る。頭脳明晰なリサーチャーのリスベットとともに彼は調査に乗り出す・・・

ドラゴン・タトゥーの女@ぴあ映画生活

 

関連記事

『エル・クラン』 ブラックテイストな犯罪一家物語

アルゼンチンで大ヒットした、と聞いて思い出すのが去年の『人生スイッチ』...
記事を読む

『ヘイトフル・エイト』 密室の曲者揃い踏み!!

エンニオ・モリコーネのオスカー、おめでとう。この作品で獲りましたね。 ...
記事を読む

『ヴァバンク』ポーランドの国民的娯楽作

今年のポーランド映画祭でかかった81年の作品ですが、ポーランドでは誰も...
記事を読む

後味の悪い映画と言えばコレ! 『ファニーゲーム』

史上最強に後味の悪い映画として、悪名高き作品。 私は、DVDで見た時は...
記事を読む

『ピエロがお前を嘲笑う』 ドイツ発のサイバーサスペンス

ドイツ発のサイバークライム/ハッカーを描いたスリラー。 ギークな童貞主...
記事を読む

2,223

コメント(13件)

  1. とらねこさん、こんにちは。
    (あ、レーシック、いかがですか?)
    ごらんになったんですね。

    私もオリジナルの映画に大満足してたので、このハリウッド版にはとらねこさんと似たような感想を持ちました。
    リスベットは確かにちょっとコスプレしてるように見えましたよね。オリジナルのリスベットがあまりにもイメージにぴったりだったために、か弱く見えてしまって。
    そして、私も一番文句をいいたかったところは、あの恋愛シーンです。あれをいれてしまったことによって、なんだか明らかに原作のポイントを外してるような気がしてしかたなかったんですが……。
    逆に原作も知らず、オリジナルの映画も観ずにだったらもっと楽しめたかなぁと思うんですが、もしかしたら続編は私は見ないかもです…。

  2. amuさんへ

    こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
    レーシック、やって来ましたよ〜。やっぱり、メガネを使わないで済むのがすごく便利ですよ〜。

    やっぱりamuさんも似たような感想を抱きましたか?嬉しい!そうなんですよね〜、いろいろ文句を言いたくなるところがありましたよね。結構面白かったんですが…。
     なんか、日本人てすごい見た目で誤魔化される人多いと思いません?外人がゴスっぽい格好してたら怖い、ってすごく単純。私の友人で、アメリカ人でモヒカンでタトゥーだらけの人が居るんですが、その人はイカついと思われてるんです。でも、私が彼を見た第一印象は「頭の良さそうな、オタクの大人しい人」。本人にそう言ったら、よく「怖い」って言われるのにって驚いてたの。でも、見た目だけでなく一瞬で私だったら中身まで見抜くし、その人が本当に強いかどうかも分かるのになーって思います。
     私もamuさん同様、このリスベットは弱そうに思えた!恋愛部分も余計でしたよね。

  3. とらねこさんこむばむわ
    『移民の歌』はなんでこれなんだ??と思っておりましたが、
    >『ドラゴン・タトゥーの女』も、この『移民の歌』のカバーのように、上手にオリジナルを使いながらも、自分ならではの味付けに仕上げられたカバーのようだ、と思った。
    こういう洞察ができるのか〜と感心するのでした!
    実はオリジナルを観ていないので十分楽しめましたけど、オリジナルはもっとハードなんだろうなとなんとなく推測してました。

  4. manimaniさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。

    いや、こっちも面白かったんですけどね^^
    移民の歌のカバーは、何故今頃って感じですよね。歌詞で冒頭に「我らは氷と雪の地からやってきた」っていう一文があるのもピッタリですし。
    オリジナルの方がハードという訳ではないんですが、逆レイプシーンが個人的に納得がいかなくてw。オリジナルの方は、逆レイプシーンで溜飲を下げるけれど、ハリウッドバージョンでは、リスベットがレイプされるシーンを楽しむ、っていう違いはあるかもですね。なかなかいい声で吠えてるなー、でも尻が見えるなあとか、そういう視点で見れるように出来てますもんね。

  5. こんばんは。

    ツンデレかわいいでダメですか?
    こっちのリスちゃんの方が好きです。

    良い意味でも悪い意味でもハリウッド化、アメリカナイズされていましたね。

    ちなみに、DVDで出てるオリジナルの完全版(前後編で3時間)だと、ミカエルと編集長のラブシーンが増えてて、あんまり嬉しくなかったりします。

    ハリウッド版も三部作するんでしたっけ?

  6. 健太郎さんへ

    こちらにもありがとうございます♪
    ですねえ、こっちのリスベットの方が、男子は好きなんじゃないかと予想してましたw。でも、オリジナルのノオミ・ラパスはとても評判が良く、ハリウッド版のキャストも決まる前には、ノオミを主役に添えよう、という要望が強くあったそうです。本人が同じ役をやりたくない、と断ったのでそれは叶いませんでした。
     これまでのフィンチャー映画の中で、一番売れているぐらいに大ヒットしているようです。その点を考えたら、大成功と言えるかもしれませんね。

    >オリジナルの完全版だと、ミカエルと編集長のラブシーンが増えてて
    ハハ、そうなんですかw。たしかに、それは嫌かもしれませんね。

    ハリウッド版はこの後のシリーズでは、第二作が「The Girl Who Played with Fire」、第三作が「 The Girl Who Kicked the Hornets’ Nest」という原題で、すでにダニエル・クレイグとルーニー・マーラは同じ役をやることが決まっているのですが、フィンチャーがやるかどうかはまだ分からないようです。私は正直フィンチャーはやらないんじゃないかと疑っています。

  7. こちらにもこんばんは。
    TB&コメントありがとうございました。

    ツンデレぶり可愛かったです。
    ノオミ・ラパスは例の暴行シーンが随分と嫌だったみたいで、それで断ったのではないでしょうか?

    フィンチャー監督ですが、そんなにヒットしてるのに続編撮る気が無いのは、やはりリメイクだからでしょうか?

    2作目のタイトルは「火と戯れる女」でオリジナルと同じですが、3作目のタイトルは謎ですね。
    「ホーネッツの巣を蹴った女」ですか? オリジナルは「眠れる女と狂卓の騎士」なんですけどね。

    監督共々、タイトルも気になりますね。

  8. 健太郎さんへ

    こんにちはアゲイン♪
    暴行シーンが嫌だったという理由ではなく、同じ役柄を何度も演じるのが嫌だった、という理由でした。実際ノオミ・ラパスは、このシリーズを3作で一年続けた他、同作のTVシリーズでもリスベットを演じています。彼女はハリウッドでキャリアを築く前にイメージが固定してしまうのを恐れたのでは。でも今や売れっ子ですから。現在、日本でも公開されている『シャーロック・ホームズ』で重要な役どころを演じ、今度のリドリー・スコットの大作『プロメテウス』では主演に大抜擢されてます。断って大正解でした。
     一方、ルーニー・マーラの方は、このリスベット役で新人女優ながら主演女優賞にノミネート。こちらも大正解、皆幸せですね(笑)。

    タイトルの変更は配給さんが困るでしょうね。ホーネットはクマンバチなので、『クマンバチの巣を蹴る女』ですね。




管理人にのみ公開されます

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


スパム対策をしています。コメント出来ない方は、こちらよりお知らせください。
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...

【シリーズ秘湯】乳頭温泉郷 鶴の湯温泉に泊まってきた【混浴】

数ある名湯の中でも、特別エロい名前の温泉と言えばこれでしょう。 乳頭温...

2016年12月の評価別INDEX

年始に久しぶりに実家に帰ったんですが、やはり自分の家族は気を使わなくて...

とらねこのオレアカデミー賞 2016

10執念…ならぬ10周年を迎えて、さすがに息切れしてきました。 まあ今...

2016年11月の評価別INDEX & 【石巻ラプラスレポート】

仕事が忙しくなったためもあり、ブログを書く気力が若干減ってきたせいもあ...

→もっと見る

【あ行】【か行】【さ行】【た行】 【な行】
【は行】【ま行】【や行】 【ら行】【わ行】
【英数字】


  • ピエル(P)・パオロ(P)・パゾリーニ(P)ってどんだけPやねん

PAGE TOP ↑