人生、ここにあり! #82
- 2011年12月28日 8:45
- 映画:ドキュメンタリー・実在人物
- イタリア映画, ジュリオ・マンフレドニア
’08年、イタリア
原題:Si Puo Fare
監督・脚本:ジュリオ・マンフレドニア
製作:アンジェロ・リッツォーリ
原案・脚本:ファビオ・ボニファッチ
撮影:ロベルト・フォルツァ
音楽:ビビオ・デ・スカルツィ、アルド・デ・スカルツィ
キャスト:クラウディオ・ビジオ、アニータ・カプリオーリ、アンドレア・ボスカ、ジョバンニ・カルカーニョ、ミケーレ・デ・ビルジリオ、カルロ・ジュセッペ・ガバルディーニ
はみ出し材木たちの底力。
最高に素敵な人生賛歌でした!甘いばかりでない苦味を持たせたところに、さらに評価を上げたくなる。
思わず嗚咽がこみ上げてきそうなほど感動した、この作品。今年一番の感動作だった。あんまり「泣いた」を強調したくはないんだけどね。
私ときたら、この作品の公開時うっかり見逃してしまっていて。名画座で見たのですが、’08年の作品だったので、てっきり特集上映でかかったものとかとばかり思っていた。「今年の公開だったら、これベスト3ぐらいに選ぶべき作品だよなあ。でも、公開作品でないのが残念。記事を書くのはサボろう」などと思っていたんですよね。すると、公開作であったことに年末のクソ忙しいこの時期になってようやく気が付き…。今年の番狂わせは『サラの鍵』だったなあ、などと思っていたところ、大慌てで訂正することに。・・・
「完璧」とは言えない、ハミ出し者の精神病院元患者たちと、彼らが創り上げる素晴らしい寄木材木の作品がオーバーラップして、何ともいえない温かい気持ちになる。みんなはみ出し者、それでいい。ユーモアたっぷり、独創性に溢れたこの作品に、心からの喝采を送りたくなる。人生の素晴らしさを、心ゆくまで噛み締めるこの瞬間が素敵すぎる!
男たちが自分の生を精一杯生きるに辺り、「性」の問題が出てくることに対しても、逃げずに正々堂々と描き切る。この手腕でまたまた惚れ直し。
さらに、後半に展開する、「救えなかった者」を真正面から扱う正直さに、再び惚れ直す。あまりに哀しい結末、だけど彼がやって来たことは間違っていたのか・・・。もちろん、そうではないのだよね。
作り物の話には到底真似できない、あまりに苦すぎる過酷な展開。正直、この展開がなくても、充分感動作にはなっただろうと思う。でも、物事が上手く行き過ぎる「出来すぎの展開」より、何倍も何十倍も素晴らしい、そう思えてしまったよね。そして、自由な精神が自由に闊歩できない日本を、歯がゆく思ってしまう部分もある。
イタリアが羨ましすぎて、少し苦しくなったりもしたけれど。いや、さすがイタリア、と思わず言いたくなるような、素晴らしい作品でした。
※ストーリー・・・
法律により精神病院の撤廃が進められていた1980年代のイタリア・ミラノを舞台に、実話を映画化したコメディドラマ。革新的な考え方をもつネッロは労働組合から疎まれ、精神病院から追い出された元患者たちの協同組合に左遷される。精神病の知識などないネッロだったが、元患者たちとあらたな事業を立ち上げるために奮闘する。イタリア映画祭2009にて「やればできるさ」のタイトルで日本初上映。11年劇場公開。
・人生、ここにあり!@ぴあ映画生活