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ミケランジェロの暗号 #80

’10年、オーストリア
原題:Mein bester feind
監督:ウォルフガング・ムルンバーガー
脚本:ポール・ヘンゲ
製作:ヨゼフ・アイヒホルツァー
原作:ポール・ヘンゲ
音楽:マシアス・ウェバー
キャスト:モーリッツ・ブライブトロイ、ゲオルク・フリードリヒ、ウルズラ・シュトラウス、マルト・ケラー、ウド・ザメル、ウーヴェ・ボーム、メラーブ・ニニッゼ、ライナー・ボック、カール・フィッシャー、クリストフ・ルーザー、セルゲ・ファルク



これまたサボっていた今年のレビューを今頃書いています。お気に入りの作品だったので、今さらながらUP。

もう飽きたよ、と観客が思っていようがいまいがお構いなしに、必ず年に何本も公開されるナチスネタ。手を変え品を変え、本当に映画業界はナチスモノがお好きね!

ヒトラーの贋札』のスタッフが送る、という宣伝文句だけれど、監督・脚本・原作・キャストなどは共通せず、制作陣のみ。『ヒトラーの贋札』同様、ナチスモノであるけれど、味わい深いヒューマンドラマでもある。あの骨太なオーストリア映画のタイトルを思い起こさせるような、『ミケランジェロの暗号』という邦題が見事。なかなかのセンスだ!

たとえば『縞模様のパジャマの少年』のような、よくあるナチス映画の落とし所や語り口には、すっかり慣れてしまった。もう何度となく同じタイプの映画を観てきたから。おかげでこの映画を何となく思い起こさせるような『黄色い星の子供たち』も、予告を見て「この手の作品は、もういいや」なんて思ってしまったりもする。

ところが今年、ナチスモノ映画で、二つも素晴らしい映画に出会えた。一つがこの作品、もう一つは『サラの鍵』。『ヒトラーの贋札』やこの作品の方はサスペンスタッチでエンタメ色が強く、『サラの鍵』の方はもっとドラマ色が強かったけれど、この二つは素晴らしい作品だった。やはり、ナチスモノは強いなあ…とつくづく。

この作品は、ナチスを題材にしてはいるものの、むしろコンゲームモノ。『スティング』みたいな作品と比べる方が正しいかもしれない。この作品では、ナチスの将校である振りをしたことがバレるのではないか、とハラハラする緊張の高まる絶頂のシーンで、思わずブーっと吹き出してしまった瞬間が。ナチスの陣地のド真ん中を背景にこの爆笑タイムをやるなんて、なんて大胆不敵なんだろう、この映画は!「ナチス映画も随分変わったものだなあ」などと思ってしまいそうになる。

ラストの爽快な終わり方といい、読みやすいトリックといい、見やすく面白い。この娯楽色の強さ、軽さを評価しない人はいるかもしれない。しかし私は大好きだった。恋人の深い愛も良いね。

良家の子息とその使用人の息子、というと『君のためなら千回でも』を思い出したり、最後の絵画のトリックには『トーマス・クラウン・アフェアー』を思い出しちゃいましたけど(苦笑)、それでもこの作品の高評価には変わらず。同じナチス題材モノとして、しっかりしたヒューマンドラマを描いた点で、『サラの鍵』にはかなわないかもしれないけれど、私はこちらも大好きでしたー。

 

P.S.・・・この作品に出演している「ウーヴェ・ボーム」は、ウーヴェ・ボルとは同一人物ではありません(爆)

 

※ストーリー・・・
1930年代のウィーン。ユダヤ人の画商一族はナチス・ドイツの併合を前に国外脱出を試みるが失敗し強制収容所に。一家所有の国宝級絵画は没収され、ムッソリーニへの贈答品となるはずが贋作と判明。家長が残した本物の在り処を示す“暗号解読“に息子が挑む・・・

ミケランジェロの暗号@ぴあ映画生活

 

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コメント(4件)

  1. >ハラハラする緊張の高まる絶頂のシーンで、思わずブーっと吹き出してしまった瞬間が それはやっぱりズボンを脱がされそうになったあそこですか

  2. SGA屋伍一さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    うんそーそー、あの一連の辺りですっ。SGAさんは、ズボンを脱がされそうになったシーンが一番面白かったですか?

  3. 一番面白かったというか一番笑えたのはそこだね(笑) ただ、あそこは「割礼」について知ってないとイマイチ意味がわからないと思うんだわ。一般常識かな? 割礼・・・

  4. SGA屋伍一さんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    割礼は一般常識だと思いますよー。まさか、知らない人もいるのかなあ。
    そう言えば私はキリスト教圏の国の人に、「日本では割礼という文化がないから、成人の日本人男性の3人に一人が仮性包茎って本当か?とらねこの経験上でいいから教えてくれ」って訊かれたことあります(-ー;)クリスマスパーティーのまっ最中に…。




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