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君を想って海をゆく #9

’09年、フランス
原題:WELCOME
監督:フィリップ・リオレ
製作:クリストフ・ロシニョン
脚本:フィリップ・リオレ、エマニュエル・クールコル、オリヴィエ・アダム
撮影:ローラン・ダイヤン
美術:イヴ・ブロヴェ
編集:アンドレア・セドラツコヴァ
音楽:ニコラ・ビオヴァーニ

ヴァンサン・ランドン :シモン
フィラ・エヴェルディ : ビラル
オドレイ・ダナ    : マリオン
デリヤ・えヴェルディ : ミナ
ディエリ・ゴダール  : ブリュノ
セリム・アクグル   : ゾラン
オリヴィエ・ラブルダン : 警察代理官

難民問題という極めて繊細な社会問題に対して、声高に訴えかけることなく、あくまで穏やかに描きながら、感情論に陥ることのない、しっかりした実力を感じる作品。フランスではヒットしたとのこと。

冒頭部分の、不法入国のためボートに乗り込もうとする人々の姿はショッキングだった。恋人に逢うため、イラクから3ヶ月かけて歩いて来た、クルド人難民ビラルは、フランス最南端の町カレに辿り着く。密航に失敗したビラルは、元水泳選手のフランス人、シモンに出会い、泳ぎを教えてもらおうという。泳いで渡るしかビラルに残された道はなかった。

シモンは彼自身の問題を抱えていて、離婚手続き中の妻にまだ未練がある。妻マリオンがボランティアで難民たちを助けるという活動を行っていたため、シモンもいつしかビラルに泳ぎを教えることを了承するようになる。シモンはビラルに出会い、次第に国境も年代も超え、自然な友情を少年に感じるようになる。・・・といったストーリー。

物語が終盤まで来て最後にもう一度、この作品の原題が出てくる。「WELCOME」。とても皮肉に悲しく映る。ラストの「有り得たかもしれない未来」が心を割くのと同程度に。

といったところがマトモなこの作品の感想。だけど今の自分には、冷静にこの話を観ることが出来なかった。それはとても個人的な理由から。この話をすべきなのか、すべきでないのか、自分には分からないけれど・・・。

私の友人が最近、不法滞在のイラン人の方とお付き合い始め、最近結婚することになったと言うのです。会って間もないのに。私がすぐに会おうとしたら、「彼と始めるレストランの準備で忙しい」と私との約束はドタキャン。会って1,2ヶ月で結婚を決意し、こないだは妊娠したよ、などと言ってきました。おかげで私の心境は複雑。

不法滞在者をどうするか、というのは、今どの国でも一番対処に困る問題かもしれない。
自分にはもちろん、答えなど分かりません。『扉をたたく人』もそうだったけれど、遠い海の向こうの世界の話と考えるのではなくて、日本にとっても大事な問題になる日がくるのかも。

君を想って海をゆく@ぴあ映画生活

 

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