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ザ・カラテ #8

’74年、日本
監督:野田幸男
助監督:牧口雄二
脚本:高田宏治、志村正浩
撮影:増田敏雄
美術:吉村晟
音楽:渡辺岳夫

山下タダシ        :  山下タダシ
山城新伍         :  三平
鐘銘裕          :  ブラック・タイガー
アレックス・ブルボーズ  :  シャルル・マルタン
スティーブ・フィシャー   :  ジョー・ゴンザレス
アルバート・丁      :  ゲイリー・サムソン


可笑しくて腹がよじれた。
こっ、これはッ・・・!もしかしたら凄い拾い物だったかもしれない。私が行ったシネマヴェーラの『妄執・異形の人々Ⅴ』。毎年なんだかんだ行っているこのシリーズ、ここ最近はちゃんとUP出来てなかったのだけれど。この日は、『散歩する霊柩車』とのカップリングで『怪人黄色い手袋』が予定に組まれていたのだけれど、『怪人黄色い手袋』の方はフィルムの状態が悪いとのことで、この作品『ザ・カラテ』に急遽差し替えになったのだった。この作品に出会えたのは、本当にラッキーなことだったとしか言い様がない。『散歩する霊柩車』を目当てに見て、そちらの面白さに十分満足していたところだったから、こちらの予想外のヒットが本当に嬉しかった。久しぶりにトンデモ映画を見れた!というこの喜び。

スクリーンからはみ出しそうな飛び道具、「山下タダシ」の魅力がまた格別。いかにも当時の空手ブームに乗っかったとしか思えないこのテキトーぶり!本名と同じ役での主演だ。「アメリカで育ったが故に日本語はカタコト」という設定で、変テコな発音で喋る台詞、どんなつまらない普通の台詞を喋らせても全部可笑しくて笑い転げてしまった。山下タダシ以外も、俳優全員が台詞が大根で、笑いが止まらない。そのかわり、全員ガチに強い!本格的な演技ではある。随所随所に笑いが散りばめられていて、トンチキすぎる物語展開がホント楽しー!こういう映画、たまには見たいですよね。

しかも、アクションの面白さがちゃーんと堪能出来る良い出来!だったのね。「天下一武道大会」を目標に物語は進んでいくのだけれど、山下タダシは主役なのにメチャクチャな性格。天下一武道会に出るのは「金のためだ!」と言い切って、思い通りにならないと暴れ回る、小学生みたいなヤツ。タダシの味方をしようという師匠の話もロクに聞かず、人に喧嘩を売ったり売られたり。敵は敵で悪漢で、天下一武道会の前に何とか相手を陥れようと、得意のナイフ投げや斧を使って襲撃する。おかげで肝心の天下一武道会より、その前夜のアクションの方が派手で面白く見えてしまった。だって天下一武道大会ときたら、ただ体育館にマットを用意した、本格的な空手の組み手大会なんだもの。しかも普段の撮影時より照明は暗く、本物の空手の試合を撮るのだから、アクションとしては当然地味になってしまう。

’74年のこの作品が出来た頃は空手がブームだったらしい。同じ年に続編の2が出来、翌年には3が。シリーズ化するほど人気だったのか、ブームに乗って調子に乗ったとしか思えない。「和製ブルース・リー」として親しまれた人は他にも居るとのことなのだけれど、この山下タダシもその一人だったようで、風貌もなかなかに似ているし、似せてもいる(笑)怪声を出すので、オオ!?まさしくブルース・リー人気にあやかったのかなあ、と思いきや、この山下タダシの方こそブルース・リーに古武道を教えたらしい。アメリカで空手を教えていたところを、日本に連れてきて映画を作ったとのこと。

この作品や『マッハ!!』初めトニー・ジャー主演作品など、アクションで魅せる作品を見てしまうと、ただガチャガチャとカメラを速く動かしただけの『007 慰めの報酬』なんかは、本当にツマラナイなあと思ってしまう。『キック・アス』のアクションシーンなんかは、相当良かったと思いますけどネ。





※ストーリー・・・
“世界武道大会”に出場するために、アメリカから20年ぶりに祖国日本へ帰国した空手の達人が、各国の武道の達人を相手に活躍する・・・


ザ・カラテ@ぴあ映画生活

 

2011/01/28 | :アクション

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