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散歩する霊柩車 #7

’64年、日本
監督 : 佐藤肇
企画 : 秋田亨
脚色 : 松木ひろし、藤田傅
原作 : 樹下太郎
撮影 : 西川庄衛
美術 : 進藤誠吾
音楽 : 菊池俊輔

西村晃     : 麻見
春川ますみ   : すぎ江
渥美清      : 運転手
金子信雄      : 山越
曽我廼家明蝶 : 北村
小沢昭一    : 病院の守衛

吸血鬼ゴケミドロ』、『怪談せむし男』の佐藤肇監督作品。・・・自分にとっては大好きな怪作『吸血鬼ゴケミドロ』の監督、ってだけでもう見る気マンマン。

で、こちらメっチャクチャ面白かった。『ゴケミドロ』は究極な状況下での人間性のブラックさを暴く怪奇SFだったけれど、こちらはブラック・ユーモア光るサスペンス・コメディ。人間性や情愛の裏の裏を描き、かつどことなく馬鹿馬鹿しさを感じさせられる佳作。

そもそも、霊柩車で妻の死体を抱えたまま、生前に関係のあった間男たちのところまで押しかけ、脅して金を取りながら物語が進んでいく。・・て、これだけで十分面白いでしょ!?何より主演が西村晃だ!私的には最近見ていなかったので、そろそろ見たくてたまらなかったのですよ、西村晃・・・(笑)

この妻の死体も、後から実は生きていたと分かる。夫婦で不倫関係のあった男達との精算をすべく、仕掛けた芝居だった。しかし途中でそれを裏切ろうとする妻や、本当の思惑など・・・次々に展開を裏切って進む。

西村晃が、とってもノリノリなんですよね。ご本人も、この作品が好きだ、と公言しているらしい。そしてお茶目なことに、自分から「主題歌はどうだ?」と言い出し、西村晃自ら歌うことになったらしい!運転しながら、ゴキゲンで主題歌を口ずさむ西村晃。シュールで奇妙なシーンに「こりゃ最高だ!」と大喜びしてしまった。この人の演技を見ているだけで面白くって全編味わい深い。こんな味のある役者さんて、今の日本に今居るかなあ!?私は、もしかしたらこの人が一番好きかもしれない。この演技の妙、掛け値なしに面白い。こりゃ「西村晃決定版」でしたよ。

しかも、霊柩車を運転するのがこれまた「寅さん」の渥美清なんですよね。寅さんの時と違って、なんだか不気味さを感じさせる演技でこれまたイイのです。寅さんの時は人情味溢れる下町っ子という感じなのに、ここではニヒルで人間の裏表に精通する、死体運び人がピッタリ!二人が霊柩車の運転席と助手席に乗って会話してるシーンなんて、なんだかエライもの見た気になってきて、可笑しくて楽しいんですよ。

参照元)磯田勉氏のツイート

※ストーリー・・・
小柄な麻見に対して、妻のすぎ江は大型な豊満な女性であった。一年ごとに貫禄を示してゆくすぎ江は、タクシー運転手の夫の留守に、医師の山越、初老の北 村、ハリキリボーイの小倉と、浮気心を満足させていた。喧嘩の絶えない夫婦が思いついたのは、すぎ江が恋の清算をして、自殺という仕掛けで、麻見がその死 体入りの棺桶をかつぎ廻り、山越や北村をゆすって歩こうと・・・

散歩する霊柩車@ぴあ映画生活

 

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コメント(3件)

  1. 「私的には最近見ていなかったので、そろそろ見たくてたまらなかったのですよ、西村晃・・・」
    禁断症状と言わないまでも、その気持ち、解ります。この西村晃サイコーでしたね。
    とらねこさんは「ザ・カラテ」との2本立ての日だったんですね。
    私は「自転車泥棒」との日で、この「霊柩車」1本だけ見て帰りました。
    とらねこさんの記事読んでると「ザ・カラテ」を見逃したのは残念。なかなかお目にかかれそうにないですしね・・・

  2. imaponさんへ

    こんばんは〜♪どうもお久しぶりです!コメントありがとうございました。
    おおお!!とっても嬉しいです!ココ、imaponさんぐらいしか、一緒にお話が出来る人は居ないだろうな〜と思ってたのです!ご無沙汰していてすみませんでした!改めまして、また今後もどうぞ宜しくお願いします〜♪

    ふふふ、そうなんです!!今回の妄執・異形シリーズ、西村晃をメインに探してしまいました!
    imaponさんは『自転車泥棒』を見逃してしまったのですか!私は、実は今回は
    『自転車泥棒』とこの作品を見ようと思ってたのですよ。ところがそちら、用事が入って見れなくなってしまいました。残念・・・。でもimaponさんも観てなかったのですね〜。じゃあ一緒だ♪

    『ザ・カラテ』の方は、なかなか面白かったですよ。トンデモアクションモノに違いないんですけれど、あまりにも楽しかったので(笑)
    劇場内に爆笑が何度も聞こえてて、それがいかにもみんな楽しそうなんです。すごくいい雰囲気で堪能できましたよ。




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