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■19. オーケストラ!

orchestra

’09年、フランス
原題:Le Concert
監 督:ラデュ・ミヘイレアニュ
製作:アラン・アタル
原案:ヘクトール・カベッロ・レイエス、ティエリー・デ・グランディ
脚 本:ラデュ・ミヘイレアニュ、アラン= ミシェル・ブラン、マシュー・ロビンス
撮 影:ローラン・ダイアン
美術:クリスチャン・ニクレスク
音 楽:アルマン・アマール
アレクセイ・グジュコグ  アンドレイ・フィリポフ
ドミトリー・ナザロフ  サーシャ・グロスマン
メラニー・ロラン  アンヌ=マリー・ジャケ
フワンソワ・ベルレアン  オリヴィエ・デュプレシ
ミュウ=ミュウ  ギレーヌ・ドゥ・ラ・リヴィエール
ヴァレリー・バリノフ  イワン・ガヴリーロフ
アンヌ・カメンコヴァ  イリーナ・フィリポフ


クラシック音楽のオーケストラを描いた、その名もズバリ『オーケストラ!』などというタイトルだからといって、
お固くてクソ真面目な作品だと思ったら、大間違い!

感動的な作品っぽい予告すらも裏切った、抱腹絶倒の喜劇。その堂々としたコメディっぷりに、私は嬉しくなった。
笑いすぎて幸せな気持ちになってしまったし、ラストにはホロリと涙まで出て来る作りに大満足。

肩が凝ってくるような、真剣な作品ばかり見ていると、こういうコメディ作品に関する評価が、少し下がってしまう人もいるかも?
私は、ユーモアが真剣に好きな人間。真面目な顔して面白いことを次々と成し遂げる、こんな作品が大好き!

私はクラシックではチャイコフスキーが一番好きだけれど、クラシックの知識などまるでない。そんな私も、最初から最後まで楽しめた。

初めこそ、悪い冗談みたいな、寄せ集め楽団にしか見えない。そんな悪夢みたいなオーケストラ、って設定は、もうそれだけで最高なんだけど。

デコボコの楽団を引っ張ってまとめ上げる主人公、アンドレイ・フィリポフは、髪ボサボサ、現在ドン底にいても(清掃員)、どことなく気品あるオーラ漂う中年オヤジ。
可能性の底知れなさを感じさせる役者さんというか、彼を見て思わずこりゃあイイ顔だゾ!と思った。アンドレイ・フィリポフ役のアレクセイ・グジュコフは、日本で言えば役所広司みたいなオジサン。
貧乏臭くもなれるし、芸術肌な感じもするという、ああいうちょっと面白い顔した役者ってイイよね。

革命家崩れのロシア人が、インディアンのような楽団を連れてフランスのパリまではるばるやって来るあらすじ、このダイナミズムもそれだけで最高にドラマチック。
それで、次はどうするの!?などとハラハラドキドキしながら見てしまう、この感覚がとにかく楽しくて嬉しくて仕方がない。

さらに、不可能を可能に出来そうな存在である、アンヌ=マリー・ジャケ(メラニー・ロラン)が出てくることでまたちょっと違った味が映画に加えられてきて、少しづつ展開が変わってくる。手を変えて来て、これまた飽きさせない、上手い作り。

なんて上手なの!と舌を丸めてしまう。テンポの良さがとても気持ちがいい。
前作の『約束の旅路』(監督・脚本、ラデュ・ミヘイルアニュ)が、直球ストレートなヒューマンドラマだっただけに、コチラの方がより私の好みという感じ。

ラストのクライマックスは、ステージにて演奏されるチャイコフスキーと、30年前の真実が明らかになり、否が応でも絶好調に盛り上がるという。

ああ、音楽の楽しさを堪能すると同時に、辛い過去には涙を落とさずにはいられない。
一粒で二度美味しいクライマックスは、まるで何度も絶頂を迎える上手なセックスみたい。

それにつけても、メラニー・ロランの美しさよ。
イングロリアス・バスターズ』で見た時のような、「決戦のその瞬間」が訪れる。この時、彼女が頬にキュッと赤い口紅を引く、あの姿を思い出しちゃうよね。

笑って泣いて、気分が高揚した。
映画の楽しさを存分に味わえる良作!
ストーリー・・
ロシア・ボリショイ交響楽団の清掃員アンドレは、かつては同楽団で首席を務める天才指揮者だったが、共産主義時代にユダヤ人排斥を拒み解雇されてい た。ある日、彼は楽団に届いた演奏依頼のFAXを目にし、以前の仲間と偽の楽団を作って代わりに出ようと思いつく・・・
オーケストラ!@ぴあ映画生活

 

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コメント(15件)

  1. ラストはもうルンルンだ♪「オーケストラ!」

    いやあ??最初から設定的に漫画のように進むし、ありえない展開にツッコミどころ満載なのではあるがラストのまさにオーケストラ!のシーンですべてが「よしよし」で終わるのですよ、これが。この最後に用意されている

  2. こんばんは。
    今日、見てきました!
    もっとクラシカルな映画かと思いきや、結構笑いがありましたね〜
    でも後半はメラニー・ロランの美しさに見とれてしまいました。そしてチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の素晴らしさ!ル・シネマの音響はどうなのかわかりませんが十分堪能できましたよ。(でも前の人の頭が邪魔でした)

  3. cinema_さんへ
    こんにちは♪コメントありがとうございました!
    おお、昨日ご覧でしたか!面白い作品でしたでしょう?^^
    メラニー・ロランは綺麗でしたよね〜!
    私も、イングロの時よりずっと綺麗なので、びっくりしてしまいました。
    しかも、ヴァイオリンが似合うんですよねー。
    ル・シネマの音響で十分でしたか!良かった。
    最近のル・シネマの作品て、どれもこれも自分の好みのものが多くて、最近通いづめです(笑)
    昨日、話していた友人が、「『オーケストラ!』見たいけど、シネコンとか“いい映画館”で見たい」などと言うんですよ
    「シネコンがいい映画館だ」なんて冗談じゃない・・・。
    私たちのような、渋谷の映画館にばかり通っている人間には、その感覚にはないですよねえ・・・。ちょっと頭に来ました

  4. 過去と現在が見事なハーモニーを醸し出したあのオーケストラシーンは最高でしたね。
    本当に気持ちのいい映画でした。

  5. 『オーケストラ!』

    魂で奏でる音楽。魂で綴られる人生。その2つが見事なハーモニーを醸し出すクライマックスのオーケストラシーンが実にブラボー!な映画でした。音楽に明るくない方も、協奏曲とかチャイコフスキーとかあまりよく分からない方でも全く心配ご無用。是非オーケストラを見る勢い….

  6. にゃむばななさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    クライマックスの辺りは本当に叩み掛けるように上手くて面白かったですねー。
    いやあ、面白かったです。

  7. 「オーケストラ!」ラデュ・ミヘイレアニュ

    オーケストラ!LE CONCERT
    2009フランス
    監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
    原案:エクトル・カベロ・レイエス、ティエリー・デグランディ
    脚本:ラデュ・ミヘイレアニュ、アラン=ミシェル・ブラン、マシュー・ロビンス
    出演:アレクセイ・グシュコフ、メラニー・ロラン、フ…

  8. オーケストラ!

    2010年4月18日(日) 20:15?? チネ10 料金:1200円(レイトショー料金) パンフレット:700円(買っていない) 『オーケストラ!』公式サイト ブレジネフ書記長の共産ソ連時代のオーケストラ指揮者アンドレ。ブレジネフが楽団からユダヤ人を追放しようとし、それを守…

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  11. [映画『オーケストラ!』を観た]

    ☆素晴らしい映画だった。
     クライマックスでは、悲しみでなく、その、個々の人生が経た映像の密度の濃さで泣けてしまった。
     30年前、ソ連はブレジネフ政権下の民族・文化弾圧で、名門楽団の指揮者の地位を追われた主人公アンドレ・・・、今は楽団の用務員をしている…

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  13. オーケストラ!

    かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレ(アレクセイ・グシュコフ)は、今は劇場清掃員として働く日々。
    ある日、出演できな??.

  14. オーケストラ!

    かつてボリショイ交響楽団の天才指揮者だったアンドレ(アレクセイ・グシュコフ)は、今は劇場清掃員として働く日々。
    ある日、出演できな??.

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