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■17. カラヴァッジョ 天才画家の光と影

カラヴァッジョ’07年、イタリア・フランス・スペイン・ドイツ
原題:Caravaggio
監督:アンジェロ・ロンゴーニ
撮影:ヴィットリオ・ストラーロ

アレッシオ・ボーニ  カラヴァッジョ
ジョルディ・モリャ  デル・モンテ枢機卿
エレナ・ソフィア・リッチ  コンスタンツァ・コロンナ公爵夫人
パオロ・ブリグリア  マリオ・ミンニーティ


画家の人生は面白い!

手っ取り早く誰かの人生を知ることの出来る、伝記(時には伝奇?)映画。
これが画家のもの、となると、どれを見ても(その画家を全然知らなくても)、イケることが多い。
・・・なんて思ってるのは私だけじゃない、のでは?

絵のモデルとなるのは、国王に、枢機卿。公爵夫人に、軍人、はたまた高級娼婦に、街で見かけた美しい娘、と様々な階級だ。
画家である彼らの人生は、まさに色とりどりの波瀾万丈。異端審問や弾劾裁判もあれば、決闘あり、処刑あり、流刑あり、戦争あり。
深い愛があり、激情が渦巻いている。裏切りもまた。
面白くないワケがない!

没後400年、ということで今年に公開された、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)。
彼の生涯を、長い時間軸で取って順当に並べた、大河ドラマがこちらの作品だ。

とんでもない女好きだが同時に、流されるまま、男色の道を進んだこともあるカラヴァッジョ。
(その部分に関しては、デレク・ジャーマンの『カラヴァッジョ』(’86年)もあるとか。未見だが見てみたい♪)

男にも女にも愛された。味方には力いっぱい愛されたかと思えば、いつも敵を作り、争いごとが絶えることのない日々。
生涯の敵と決闘で勝ちはしたが、彼の命運もそこで尽きる。度重なる放蕩も仇となり、処刑の運びに。
一介の画家の身分でありながら、デルモンテ枢機卿をはじめ、宮廷に力を持つ公爵夫人(コンスタンツァ・コロンナ公爵夫人)、王宮にも出入する高級娼婦のフィリデ、彼の親友であるマルタ騎士団、・・・彼の周りのあらゆる人々が力を貸す。が、かなわない。
しかしながら、波の激しい人生の総括をまるで成すかのような、あらゆる人の行動を動かすこのくだり。ここがまた面白いクライマックスでもあった。

ヴィットリオ・ストラーロのカメラは、最近見た『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』も彼であったが、
ドラマティックに私たちの心に訴えかけてくる。力強くて繊細なショットに、たびたびウットリ。
特に忘れられないのが、ご丁寧に副題にもなっている、その光と影の使い方。カラヴァッジョの絵画そのものを雄弁に語っていて、心に残る。

光と影の印象的な使い方といえば、思わず私は’08年の『レンブラントの夜警』を思い出した。レンブラントもまた、光の明暗が印象的な画家だった。それをグリーナウェイが、画家のタッチが宿ったかのような画面構成を見せて我々を驚かせた、あの作品だ。

カラヴァッジョの画風もまた、光と影の濃淡の濃い作風である。それはまるで、彼の人格そのもののよう。
「光は捉えきれないほどに明るく、闇は恐ろしいほどに暗い」人だという。

自分はカラヴァッジョのことはよく知らなかったけれど、ルーベンス、フェルメール(!)、それから私の好きなレンブラント、ベラスケスに影響を与えた画家だとか。。


ストーリー・・・
16世紀後半、ミラノで絵画修行をしていたカラヴァッジョがローマに進出し、デル・モンテ枢機卿の援助によって類い希な才能を開花させる。しかしセ ンセーショナルな画風や激情型の性格が災いして揉め事の絶えない彼は、ローマを追われて流転の運命をたどっていく・・・
カラヴァッジョ 天才画家の光と影@ぴあ映画生活

 

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コメント(2件)

  1. こんばんばん
    >その部分に関しては〜未見だが見てみたい♪
    あらら・・・ やっぱりそういう話、好きなんじゃないですか?・・・ないですか?・・・ないですか?(エコー)
    死を怖がりながらもついついゴアなものに魅かれてしまうカラヴァッジョ。その辺は現在のホラーファンにも通じるものがあるような。どうでしょう?
    やっぱり印象的だったのは、嵐の夜に天窓から光が差して、レナさんのお顔にくっきりと陰影が浮かび上がるシーンですかね。芸術オンチのわたしにも「ああ、彼が描きたかったのはこういう絵なのか」と理解することができましたよ
    あとほろっときたのがざっくり顔を切られたレナさんに、カラさんが「綺麗だ」と言ってチューするシーン。こういう男になりたいものですね(思うだけ)

  2. SGA屋伍一さんへ
    こんにちは〜♪コメントありがとうございました!
    んー、そうですね、BL話。自分はそれほど好きではないけれど・・・でも、デレク・ジャーマンのっていうのがね。
    >死を怖がりつつも
    うーん、それは誰もが怖いんじゃないか、と思ったりしてw
    >印象的だったのは、嵐の夜に天窓から光が差して、レナさんのお顔にくっきりと陰影が浮かび上がるシーン
    ああ、ここ良かったですよね!確かに、これだけ見るとフェルメールを思わせますね。
    自分はフェルメールの専売特許みたいに思ってたから、彼の方が先だった、というところにちょっとガッカリもしたり、複雑?な思いでしたw
    >あとほろっときたのがざっくり顔を切られたレナさんに、カラさんが「綺麗だ」と言ってチューするシーン
    ああ、あれは可哀想でしたね・・・。SGAさんは言えなそうですか?
    そっかー私にとっては、こういう優しさは基本なんだけどなー。
    でも、その原因になるような人、ってところがもっと大きな問題なのかもしれませんってば^^




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