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■6. マラドーナ

マラドーナ’08年、スペイン、フランス
原題:Maradona by Kusturica
監督・脚本:エミール・クストリッツァ
製作:ホセ・イバネス
製作総指揮:ベレン・アティエンサ、アルバロ・アウグスティン、オリビエ・デルボス、マルク・ミソニエ、ガエル・ヌエイーユ、バンサン・マラバル
撮影:ロドリーゴ・プルペイロ・ベガ
音楽:ストリボール・クストリッツァ
編集:スベトリク・ザイッチ


エミール・クストリッツァが、勢い良くゴールを決めた!

’09年のドキュメンタリーは、本当に出来がよくて、どれもこれも本当に心に残るものばかり。いやあー、スクリーンの中や、想像の世界ばかりでなく、リアルにたっくさん素敵な物語があるんだな、と。
「ドキュメンタリー」というジャンルについての概念から、こうやってどんどんはみ出した、規定外な素晴らしい作品が出てくるんだもの。

データの正確さばかりを重視した、退屈な語り口で語られる「現実」。・・・ドキュメンタリーについて、ニュースの速報とどこか同じように思っていたところがあったのだけれど。それが、『ダーウィンの悪夢』以来、すっかり破られてしまった。ドキュメンタリーの面白さ、というものについて着目したのは、自分にとっては’07年のことだったけれど、その多様さ、面白さ、というものをつくづく実感したのは、去年’09年のこと。

現存するサッカーの神、ディエゴ・アルマンド・マラドーナについてのこのドキュメンタリーは、これまたある意味で勇気のある一作だった。
見た目、アンソニー・ホプキンスに似ているエミール・クストリッツァ監督。彼も自ら映画に出演し、自身のバンド「ノー・スモーキング・オーケストラ」で演奏するシーンから始まる。
もう、「大好きなんです〜、マラドーナが!!!」とでも言うかのような、愛に溢れたファン心満載の作品。
マラドーナが何を行ったか、サッカー選手としてどうか、監督してどうか・・・そうした考察を加えてみたり、彼の功績を数字で表すことなどは全くない。
一人の人間として、彼の家族や愛や、その人生について、愛いっぱいの目線で語るものだった。ブラボー!

サッカーファンにとって、この作品を見てどんな感想を抱くのかは分からないけれど、少なくともマラドーナファンであれば、この作品には思いっきりうれしい気持ちになってしまいそう。だって、ファンそのものの目線でしか語っていないから。
そして、そのどちらでもない私は・・・すっかり、マラドーナファンになって家に帰った(笑)
彼の人柄と、その人生を祝福する気持ちになり、胸がいっぱいのまま・・・。

(大体、何故これを見たくなったのか、と問われたら、「シアターNでかけられていたから」などと答えてしまいそう・笑)

ゲバラ好きで、反抗心が旺盛の”ディエゴ”。(この”ディエゴ”という呼び方も、クストリッツァの真似だったりして)。
南米という国にとって、アメリカがどういう意味を持つかは、ゲバラに影響されたところが多い様子だ。(その考えには、私も思いっきり賛成だったりする)
監督がこうした辺りに共感を覚えるのは一体何故なのだろう?マラドーナはアルゼンチン出身、監督のエミール・クストリッツァはサラエボ(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)出身。
クストリッツァは元はロック好きで、親に映画学校に通わされたと言う。そうした既存の価値観に反発心を覚えるタイプなのかな、などと想像してみたりもする。もしくは、もともと持っているインディーズ精神。

映画に出てくるマラドーナ教。これは、思わずどういうタイプの冗談なのか、考えこんでしまったのだが、家に帰って調べてみたら、なんとマラドーナの地元で実際にあるものだった!愉快愉快。
マラドーナに生涯の愛を誓い、結婚する夫婦・・・。
何ともユーモア溢れる1シーンだった。

ストーリー・・
“神の子“と呼ばれたサッカー界の天才ディエゴ・アルマンド・マラドーナの実像に迫るドキュメンタリー。『ウェディング・ベルを鳴らせ!』も記憶に新しい鬼才エミール・クストリッツァが、親友でもあるマラドーナにカメラを向け、型破りな人物像をクローズアップ。英雄的な側面のみならず、反逆児、家庭人としての飾りのない素顔をとらえていく・・・
マラドーナ@ぴあ映画生活

 

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コメント(2件)

  1. 「マラドーナ」エミール・クストリッツァ

    マラドーナMARADONA BY KUSTURICA
    2008スペイン/フランス
    監督・脚本:エミール・クストリッツァ
    出演:ディエゴ・マラドーナ 他
    サッカーの王者マラドーナのドキュメンタリ。サッカーにはとんと疎いワタシが観にいく理由はひとえにこれがクストリッツァ監督作品だか…

  2. 『マラドーナ』 MARADONA BY KUSTURICA

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