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エリックを探して ▲154

erikkuwosagasite’09年、イギリス、フランス、ベルギー、イタリア、スペイン
原題:Looking for Eric
監督:ケン・ローチ

スティーブ・エヴェッツ  エリック・ビショップ
エリック・カントナ  本人
ジョン・ヘンショウ  ミートボール
ステファニー・ビショップ  リリー
ジェラルド・カーン  ライアン
ステファン・ガムス  ジェス

こんな映画が見たかった!と心を揺さぶられた。これほどまでに素晴らしく、文句のつけどころのない傑作に出会えるなんて、映画ファンとして本当に幸せを感じるばかり。
TIFFにて鑑賞。この作品は必ずや公開されるであろうと、私は期待しているのだけれど、公開されたら是が非でも!見に行って欲しい作品ですよ。

この作品はズバリ、『グラン・トリノ』のイーストウッドに対する、ケン・ローチからの回答!なのであった。「イングランドはこういう流儀でやるんだ!」と言わんばかりに。
私は、『グラン・トリノ』は、「四の五の言わせない大傑作」だと思っているけれど、もっと言うなら、「イーストウッドの心がこもっていて、温かさや未来への祈りがこめられている。だからこそこの作品の素晴らしさが、より胸に響く作品だった」と思っているんだ。
そんな風に思える作品に対して、ケン・ローチの対するこの作品もまた、温かく心のこもった、感激するほど素晴らしい作品だった!

「どっちの方が好き?」と聞かれたら困ってしまいそうだけれど、
ハリウッド娯楽作を主に見る、という人でなければ、もしかしたらこちらの作品に群配を挙げる人も多いかもしれない?
決して難しい作品ではなく、心から笑い、涙し、そして温かい感動に包まれた。

今年最高の一本であることに間違いなし!

本物のサッカー選手、エリック・カントナが本人役で出演しているのもいいんだ。少々いきすぎのサッカーファン、オールド・フーリガンであるエリック・ビショップが、何やら妙な瞑想をしたら、憧れのエリック・カントナが、目の前に出てきてしまう。
彼は最近、人生に覇気を感じなくなっていて、元気が無く、悩みに心が沈んでいたのだ。彼を何とか元気づけようとする、趣味の共通する仲間たち。

男同士が本気で羨ましくなる作品こそ、私は想像以上にハマってしまう。本当は少々悔しい思いがするけれど。
くだらない冗談で笑い合い、一緒のサッカーチームを応援して、馬鹿を言ったり、職場であってもふざけたり。

いいなあ、羨ましいなあ。
そう思いながら、何故か嬉しくて涙が出てしまった。男たちって、なんて馬鹿で、そして温かいんだろう。

ストーリー・・・
郵便局員のエリックは災難続き。無秩序状態の家族、ワイルドな養子たち、何の役にも立たずに庭の真ん中に居 座っているセメント・ミキサー…。そんな環境のエリックをギリギリまで追い詰めたのは、彼自身が抱える秘密。彼は30年前に恋した女性リリーと向き合うこ とができるのか? 度を超えるほどの努力と、サッカー・ファンである友人たちの、見当違いだが好意的な親切心にも拘らず、エリックは落ち込むばかり。そし て1本のマリファナとある特別な友人が、途方に暮れたエリックに、最も危険な場所、<過去>への旅立ちを促す・・・

 

 

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コメント(16件)

  1. 『エリックを探して』(TIFF)

    10/21の東京国際映画祭2本目観賞の作品は、ケン・ローチ監督作品『エリックを探して(Looking for Eric)』。
    ********************
    [解説]
    人生に行き詰っている郵便局員のエリックが救いを求めたのは、憧れのサッカーヒーロー、エリック・カントナだった…! カン…

  2. とらねこさん、こんにちは。
    これ、そんなによかったんですね!
    ケン・ローチ作品はもともと好きなのですが、これはまだ此方でもDVDにもなってないので見れていないんですが……。
    そっかー、なんか今からとっても楽しみになってしまいました。

  3. こんばんは。私、大好きなローチ作品だからチケット持ってたにかかわらず体調不良(生理痛が重いのです)で行けなかったんですよーー(泣)
    今年最高の一本でしたか...一般公開あると信じてます。

  4. あすかさんへ
    こんばんは〜♪ちょっぴりお久しぶりです!コメントありがとうございました〜!
    おお、あすかさんはケン・ローチがお好きだったんですね!
    この作品、まだアメリカでは公開にもDVDにもなっていませんか。
    うん、これまだ今年の作品ですし、きっともう少し先なのかもしれません。
    あすかさんの新しいお住まいでは、ミニシアター系映画のかかる映画館は近くにありますか?^^*
    とにかく、早くDVDになるといいですね♪

  5. シリキさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    シリキさんは、体調不良でご覧になれなかったのですね。
    私も記事で読んで、ああ残念・・なんて思っておりました。
    場所も六本木ですし、なかなか行きずらいですよね。
    一般公開、きっとあると信じています〜。だって、こんなにいい作品が、公開されないわけはないだろう!なんて勝手に思っているんですよ。楽観的ではありますが。

  6. この映画を観ているときにはイーストウッドのことは全く意識しませんでしたが、言われてみると『グラン・トリノ』との対比は興味深くてなるほどと思いました。考えてみればどちらもかつての誇りを取り戻し再生していく親父の熱い物語でもありますよね。私は大のサッカー好きでケン・ローチも大好きなのでどちらと言われれば断然ケン・ローチです(笑)。

  7. かのんさんへ

    こんばんはー♪コメントありがとうございました。
    『グラン・トリノ』では、個人プレイでしたが、
    こちらの場合はチームで戦うんですよね。だからこそ、喜びも大きくて。
    サッカーやラグビーでは、一緒に感動を共有し、喜ぶことが出来るのですね。それを意識的に描いたのが『インビクタス』だったなあと。
    ですが私もケン・ローチ派でしたw。『グラン・トリノ』では主人公が一人、英雄的行為でもって犠牲になることで物語が完結し、後継する者を助けましたが、
    ケン・ローチの物語では、ダメな主人公を皆が少しづつの力を分け合うことで力が一つになり、皆が助かり、後継者も救うことになる。そこが特に好きでした。

  8. とらねこさん、こんにちは!
    いい作品でした~!!心がほわっと温まる、とでも言ったらいいのかしらん。
    エリックの前にエリック・カントナが唐突に出現した時から、それまでのエリックが少しずつ変化していって・・・最後の彼の表情の朗らかだったこと!!
    笑ったり、ほろっとさせられたりしながら、自分自身も励まされ元気づけられました。おおおっ、何台のバス連ねて乗り込むんだ~い、というほどの仲間に囲まれているエリック、素敵だぁ!!
    カントナってすごいプレーヤーだったのね~、と感心しながらその現役時代の映像を楽しみました。サッカーの素晴らしいプレーって、月並みな表現だけれど芸術的ですよね。

  9. rubiconeさんへ

    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    ですよね!心が心底温かくなりました。幸せ♪
    嬉しくて涙が止まらなくなってしまいましたよ。
    おっしゃるとおり、エリック・カントナに出会ってから、みるみる顔つきが変わっていくんですよね。
    非力な一個人たちが大勢集まって、すごいパワーになるところが大好きなんです。
    何より、この優しい目線が好き。私、優しい目線の物語がやっぱり大好きなんですよね。
    カントナのプレイも、とっても素晴らしかったです。
    rubiconeさんが見てくれて嬉しかったー♪

  10. とらねこさん、こんにちは! コメント&TBありがとうございました。
    この作品、一年以上前にご覧になっていたのですね。一般公開されて本当によかったです。
    『グラン・トリノ』との対比にはビックリです。そうか~、そういう見方もあるな~、って。
    私も、何かとツルみ、一緒に熱くなって、馬鹿やってる男たちが羨ましかったです。
    で、みんながみんなサッカーを愛しているんですよね。。ホント馬鹿みたいに。
    この「馬鹿になれる」っていうのがキーワードですね(アントニオ猪木か、笑)。
    ケン・ローチの温かい視線が伝わって来る作品でした。

  11. 真紅さんへ

    おはようございます〜♪コメントありがとうございました。
    そうなんです、自分にはこの作品はそう見えました。
    要は「次世代に何を遺すことが出来るのか」という視点からの対比なんですけど、
    イーストウッドが描いた『グラン・トリノ』では、それは孤独のヒーローが自己犠牲をする話になってしまう。
    一人の立派なヒーローが滅びてゆくことで次世代に遺すのではなく、こちらでは、ちっぽけでアイデンティティクライシスを迎えた中年オヤジが、自分も仲間もそして結果的にコミュニティも救うことになる、そうやって遺してゆく話であったところが
    私にはより共感してしまったんです。
    イーストウッドは去年の『インビクタス』では、共鳴することでより大きな力となって先導してゆくことについて描いていますよね。
    その点でもやっぱり共通してるな、と思うんです・・。
    真紅さんのおっしゃる「馬鹿になる」というのも、人々をより大きな力で扇動してゆくということですかね。




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