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狼の死刑宣告 ▲146

狼の死刑宣告’07年、アメリカ
原題:Death Sentence
監督:ジェームズ・ワン
製作総指揮:アンドリュー・シュガーマン、ニック・モートン、ニック・ハムソン、ラース・シルヴェスト
製作:アショク・アムリトラジ、ハワード・ボールドウィン、カレン・ボールドウィン
原作:ブライアン・ガーフィールド
脚本:イアン・マッケンジー・ジェファーズ
撮影:ジョン・R・レオネッティ
音楽:チャーリー・クローサー 
編集:マイケル・N・ヌエ


ケビン・ベーコン  ニック・ヒューム
ギャレット・ヘトランド  ビリー・ダーリー
ケリー・プレストン  ヘレン・ヒューム
アイシャ・タイラー  ウォリス刑事
ジョン・グッドマン  ボーンズ・ダーリー
ジョーダン・ギャレット  ルーカス・ヒューム
ステュアート・ラファティ  ブレンダン・ヒューム
マット・オラーリー  ジョー・ダーリー
エディ・ギャスギー  ボディー
ヘクター・アトレイユ・ルイーズ  ヘコ


大満足のヴィジランテ映画。こんなにカッコイイ、男臭い映画はそうないでしょう!
とか言っておきながら、「ヴィジランテ(自警)」という映画のジャンルは、初めて聞いた。警察や司法が生ヌルい、と自ら立ち上がり、犯人や加害者に自らで制裁を加えてゆくのだそうだ。

ここでも、ケビン・ベーコン演じる主人公は、普通の一家を守る、良き家庭人。
何の落ち度もない自分の息子が、街のストリートギャングの、イニシエイション(その仲間に入るための肝試し行動)によって、目の前で殺される。

手堅く丁寧な物語が展開が、なんだか嬉しくて仕方が無い!
少し古臭く感じるほどに、温かい家族の姿を描き、ちょっと陳腐な音楽を使い・・・
復讐に至る過程にも、多少もどかしいぐらいの時間を取っている。

普通の人間が平和的に社会生活を営んでいる、というコチラ側と、ストリートギャングたちと同じ世界で、自ら手を汚していく、法律の外側。
コチラ側の世界と、アチラ側の世界。
ここを、簡単に乗り越えることが私たちには出来ないからこそ、こうして我々が座って映画館で映画を見ているわけで。
だから余計、この境目というものを丁寧に描いて初めて、このジャンルの面白さというものが成立するのかもしれない。と私は思った。

あらゆるシーンが本当にカッコ良くて、シビれてしまった。台詞のカッコよさ、シーンの繋ぎの上手さ・・・最後まで楽しく見れた。
お金がかかってなさそうなアクションなのに、こんなにアイディアに溢れているし、本当はアクションは、アイディア次第でこんなに面白くなる。私は、こういう映画こそ見たい。

『ソウ』の1と、シリーズを通して製作総指揮を担当していた、ジェームズ・ワン監督。彼が監督したのは最初の1だけなのだけれど、私は『ソウ』では1が一番完成度が高かったと思う。
さらには、彼の監督した『デッド・サイレンス』も、私はとても好きだ(人によってはイマイチみたいだけど)!

この作品は、グロさで勝負するわけでもなく、得意のホラーというジャンルでもない。ジェームズ・ワン監督が挑戦した「男の物語」なのだ。
原作も、『狼やさらば』シリーズのブライアン・ガーフィールド(私は知らないけれど)。
だからこそ、このハード・ボイルドで、芝居がかったテイストも、唸るぐらいにカッコいいのだろう。

さらに、ケヴィン・ベーコンを選んでいるところが、まずセンスがいいな、と思わせる。
頭を丸めるシーンて、何故こんなにテンションが上がるんだろう。(『私の中のあなた』でキャメロン・ディアスがバリカンを使うシーンもすごくカッコ良かったし。)
さらに、頭を自分でバリカンで刈ったら、大体次のシーンは丸刈りになってるのが基本じゃないですか?
ところがこの映画、バリカンのシーンがやけにカット数多くて余計なシーンまで入ってて、さらに後頭部の剃り残しがあるんですね。
これにやられた。剃り残しの後頭部と、息子の革ジャンですからね!
いやあ、カッコいい映画だなあって。

ちなみに、ケヴィン・ベーコンが出演した映画で、私が好きなのは、何と言っても『告発』ですね。『フラットライナーズ』も印象的だけど、ケヴィン・ベーコンの真の演技の上手さ、カッコ良さを存分に感じたのは、『告発』なんですよ!(『インビジブル』も好きだけど透明なのでケビン・ベーコンの演技は途中から分からなくなります・笑)
頭を丸めたケヴィン・ベーコンの姿を見て、私はピーンと来た。
絶対、キャスティングした人は、『告発』でのケヴィン・ベーコンの演技が頭にあったんじゃないか?などと思う。
ああ、この話をしていて、ますます『告発』が見たくなってしまって、思わず借りてきてまた再見してしまいましたよ、『告発』。

ストーリー・・・
投資会社で働く男ニックは、愛する妻と2人の息子を持ち、幸せな家庭生活を過ごしていた。しかし、ガソリンスタンドに押し入ったギャングの襲撃にあい、 ニックの目の前で長男のブレンダンが殺されてしまう。ギャングに加入するための度胸試しが殺人の目的だった。裁判で満足のいく結果が得られないと覚った ニックは、自らの手で犯人への復讐を果たすが、その男はギャングのボスの弟だった。そして復讐は新たな復讐を招き・・・

狼の死刑宣告@映画生活

 

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コメント(9件)

  1. これ、全然知りませんでした。
    結構好きなタイプの映画な気がするー。
    機会があったら観てみたい!

  2. ochiaiさんへ
    こちらにもコメントありがとうございます♪
    これすごく良かったですよ!70年代風オマージュが効いている、ってのが、映画のシーンの端々から伝わって来て、凄くカッコ良かったです!
    台詞もいちいちツボって、満面の笑みと共に、頷きながら見てしまいましたw

  3. 映画 『狼の死刑宣告』

    {/m_0058/}映画『狼の死刑宣告』@シアターN渋谷
    監督:ジェームズ・ワン
    出演:ケビン・ベーコン
    狼の死刑宣告 – goo 映画
    {/m_0167/}保険会社に勤めるごく普通の男ニック(ケビン・ベーコン)
    自慢の息子、ブレンダンのアイスホッケーの試合の応援に行った帰り道で…

  4. とらねこさん、今晩は。
    シュワちゃんの映画や、『96時間』では主役が
    元グリーンベレーだったり、元CIAだったり銃の扱いなどに
    プロの設定が多いが、この映画では温和なごく普通の父親が
    暴力と破壊の世界へ巻き込まれていく様子をケビン・ベーコンが
    リアルに演じている。
    この映画と同様に『グラン・トリノ』でも普通の市民が
    ギャングの暴力に巻き込まれるが、それに立ち向かうのは
    やはり銃と暴力しかないのか、
    アメリカの銃社会から抜けられない現状を見る思いがした。
    それにしてもシアターNはもう少し何とかならないかと思いますが。

  5. tatsuさんへ
    こんにちは〜♪コメントありがとうございました。
    一般人が豹変してしまうところが、まさしくドラマティックでしたよねえ。
    ドロドロとしていて悲しみに満ちた物語ではあるんですが、社会派としてではなく娯楽作としての楽しみに溢れていましたね。ここが、逆にこの作品の手際の良さだと私は思います。
    誰かに復讐しようと思ったら、銃はやっぱり手っ取り早い手段なんですよね。
    シアターN、あんまり好きな映画館では長年、なかったんですよ私も。
    ですが、ここ3、4年のラインナップは、明らかに戦略的に個性的な作品を集めているんですね。このチョイスにやられてしまう映画ファンがいるんですよ(笑

  6. 「狼の死刑宣告」

    私的制裁・・難しいですねぇ〜。ケヴィン・ベーコンは相変わらず素敵でした

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  8. 狼の死刑宣告

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    結構見入って、面白…

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