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ココ・アヴァン・シャネル ▲138

ココ・アヴァン・シャネル’09年、フランス
原題:Coco avant Chanel
監督:アンヌ・フォンテーヌ
製作:カトリーヌ・ベンジョー、キャロル・スコッタ、フィリップ・カルカソンヌ、シモン・アルナル
原作:エドモンド・シャルル・ルー
脚本:アンヌ・フォンテーヌ、カミーユ・フォンティーヌ
撮影:クリストフ・ボーカルヌ
美術:オリビエ・ラド
編集:リュック・バルニエ
音楽:アレクサンドル・デスプラ


オドレイ・トトゥ  ガブリエル“ココ”シャネル
ブノワ・ポールブールド  エティエンヌ・バルザン
アレッサンドロ・ニボラ  アーサー“ボーイ”カペル
マリー・ジラン  アドリエンヌ
エマニュエル・ドゥボス  エミリエンヌ


avant=before…Coco avant Chanel「シャネルになる前のココ」。

よくあるような成功物語では全くなくて、むしろ心の内面に、鋭く切り込みを入れたような物語であることに納得!の物語だった。
思いっきり“フランス映画”している今作は、何か評判が悪いらしい。

むしろ、ココ・シャネルという、神話や奇麗事ばかりが描かれているわけではないところに、女性として思いっきり共感をしてしまう。
原石みたいな、輝く前の荒削りさ。

見るつもりだったシャーリー・マクレーンの『ココ・シャネル』は、予告を見るたびなんだかありきたりに思えて、とりあえずDVD待ちにしてしまったけれど、それで良かったかも。

当時の女性の流行が、全く興味を持てなくて、自分が着るべき服ではないように思えたココ。そのため、自分の着る服を自分で作るしかなかった、そのスタイルの原点。
全く人と違う感性を持っていたが故の、揺るぎなきスタイル。

この作品を見ると、当時の男性の服を改造して、自分で着ていたシャネルに遭遇する。これは、普通の感性ではちょっとやれなかっただろう、と圧倒された。
女性らしさより、中性っぽさを感じる。だからこそ、人の目を思いきり引く。
その人の目にまるでたじろがないココ、“シャネルになる前”のココ・・・。

裕福な貴族、エティエンヌ・バルザンとの出会いは、彼女にとって、人生の突破口のように思えたに違いない。
バルザンは、ココが望むようなやり方で彼女を愛したわけではなかったかもしれないけれど、私は、このバルザンをただの踏み石のように描いているわけではないところが好きだ。
金持ちであるが故に、寛大さがあって、気まぐれで。ココを傷つけるようなことを平気で言ったり、人前からは隠そうとしたり、心のどこかでは馬鹿にしていたり。しかし、彼も風変わりな趣味をしていて、そのために彼女を抱いた。彼女の感性を“面白い”と思えるところが、彼の人間の幅の広さである、とも思った。いつしか本当に愛していたことに、“ボーイ”が奪うまで気づかずにいたけれど。

この作品では、オドレイ・トトゥが、あれだけの美貌を持つ彼女が、まるで美人とは思えないように見える。そこに人々は、驚きを感じるに違いない。
すごい、女優はこうでなくっちゃ。私はますます、彼女が好きになった。

口を固く結んで、どこか一点を見つめる姿。まるでシャーロット・ランプリングのような表情を見せるオドレイ・トトゥ。

前半では、自我が強くて、心の奥に哀しみを秘めていて、
過去や今の自分ではなく、まるで心が別のものを見ているかのような表情のオドレイ。
だが、クライマックスで、口を固く結んだ姿のオドレイは、“これまでの自分”に思いを馳せる。
そして、スポットライトが当たって、あの“シャネルの衣装”に身を包んだ姿が、ようやく微笑む。

“ボーイ”アーサー・カペルと一緒に居た時に見せた笑顔とは、また違う笑顔だ。

流行は変わっても、シャネルというブランドが揺るがない、その格好良さは、
ブランドなんてまるで興味のない私にも、心にビリビリ響くものがあった。

ココ・シャネル、最高に格好良かった。

ストーリー・・・
修道院付属学校で育った孤児のガブリエル・シャネル。“ココ”と呼ばれる彼女は、洋裁店で助手の仕事をしながら、姉とカフェで歌を歌い、生活の糧を得てい た。そこで出会った裕福な貴族、エティエンヌ・バルザンの家で暮らし始めた彼女は、様々な上流階級の人々と出会っていく。そして、そこで彼女はアーサー・ “ボーイ”・カペルと出会い、愛を育む。彼は彼女の才能を見抜き、彼女が帽子店をオープンするための資金を援助する・・・

ココ・アヴァン・シャネル@映画生活

 

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コメント(13件)

  1. ココ・アヴァン・シャネル

     『シャネルの成功の秘密、解禁。』
     コチラの「ココ・アヴァン・シャネル」は、田舎のナイトクラブからパリへ、そして世界へ、コネクションも財産も教育もない孤児院育ちの少女が、世界のシャネルになるまでの物語を描いた9/18公開のバイオグラフィー映画なのですが、….

  2. ココ・アヴァン・シャネル

    ココ・アヴァン・シャネル’09:フランス
    ◆原題:COCO AVANT CHANEL ◆監督: アンヌ・フォンテーヌ「恍惚」「ドライ・クリーニング」◆出演:オドレイ・トトゥ、ブノワ・ポールブールド、アレッサンドロ・ニボラ、マリー・ジラン、エマニュエル・ドゥボス
    ◆STORY◆修道院…

  3. ココ アヴァン シャネル

    もし翼を持たずに生まれてきたのなら、翼を生やすためにどんなことでもしなさい
    【関連記事】
    ココ アヴァン シャネル 壁紙1
    ココ アヴ??.

  4. 映画 「ココ・アヴァン・シャネル」

    {/m_0058/}映画「ココ・アヴァン・シャネル」@丸の内ピカデリー
    監督・脚本:アンヌ・フォンテーヌ
    出演:オドレイ・トトウ
    ココ・アヴァン・シャネル – goo 映画
    シャネルの若き日、一人の貧しい娘がどのようにして
    神話のように語り継がれるような成功をつかんだのかを…

  5. とらねこさん、今晩は。
    シャネルはやはりこちらを選ばれましたか、私の場合は英語で話すシャネルは見たくなかったのでした。
    シャネルが自分の個性に気づき自分らしく生きようとする、時代に流されない強さをオドレイ・トトウ
    の可愛さを封じた厳しい表情で表現してましたね。
    またお正月映画で『シャネル&ストラビンスキー』
    が来るようです、シャネルの映画が3本も作られる
    とはさすがに大物です。

  6. tatsuさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    そうですね、私も、『ココ・シャネル』と『ココ・アヴァン・シャネル』を見比べようと思っていたのですが、
    なんだか随分と予告をたくさん打っていましたでしょ。あれを見ていたら、なんだか見た気になってしまって、だんだん見る気を失ってしまったんですよね。
    おっしゃるとおり、英語かあ・・・というのもありましたしね^^;
    フランスの代表するブランドは、フランス本国で!と言わんばかりに、’09年に製作された、こちらの映画でしたね。
    そして、お正月にまた別のシャネル映画ですか!
    これまたすごいなあ。
    オドレイ、厳しい表情が多いからこそ、笑顔が印象的なんですよね。

  7. ココ・アヴァン・シャネル

    「結婚しない女」
    SYOWを見る彼女。
    その先には、一体何を見据えていたのか。
    結婚をしない。仕事をしたがる女。
    時代の先駆とも言える彼女は、こんな時代を見ていたのか。
    【STORY】(シネマ・トゥデイ様より引用させていただきました。)
    伝説のファッション・デ…

  8. とらねこさん。こんにちは。
    物語の持ってゆき方が、「ココ・シャネル」の方が好きですかね。
    けれど、こういった伝記的は話は好きなほうなので、それなりに楽しんで観ました。
    男勝り的な様子は、この作品では強く語られていて。
    ココ・シャネルでは、そんな感じは薄いんですよ。
    そういった違いも、面白かったと思います。
    DVD出ましたら、観てください。

  9. de-noryさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    そうですね、アメリカの『ココ・シャネル』の方は、DVDが出たら見てみたいと思います。
    私の想像では、こちらの作品は、フランス流のビター・テイストの、人生をありありと描き出して見せるところが、合わない人もいるのではないか、
    なんて想像してはいるのですよ。
    私はそういうのが決して嫌いではないのです。

  10. ココ・アヴァン・シャネル

    孤児院で育ったガブリエル(オドレイ・トトゥ)は、
    仕立屋で針仕事をする傍らキャバレーで歌い生計を立てていた。
    ある日、裕福な将校エヮ..

  11. 「ココ・アヴァン・シャネル」(COCO AVANT CHANEL)

    世界的ファッション・デザイナー、ココ・シャネル(1883??1971年)の半生を描いたヒューマン・ドラマ「ココ・アヴァン・シャネル」(原題=シャネル以前のココ、2009年、仏、110分、アンヌ・フォンテーヌ監督、ワーナー映画配給)。この映画は、孤児院出身の…

  12. こんばんは。
    この作品は、いかにもフランス映画という感じがして、感銘を受けました。
    また、女性監督らしい繊細な演出が印象的でした。

  13. デイヴィッド・ギルモアさんへ
    おはようございます〜♪コメントありがとうございました。
    そうですね、フランス映画ならでは、の作品でした。
    「『アメリ』のオドレイの出ているシャネルの映画」、ということで見た人がすごく多かったのですが、
    フランス映画に対する構えが、それだけですと足りない気がします(苦笑)




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