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路上のソリスト ▲81

路上のソリスト’09年、アメリカ
原題:The Soloist
監督:ジョー・ライト
製作:ゲイリー・フォスター、ラス・クラスノフ
製作総指揮:ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ジェフ・スコール、パトリシア・ウィッチャー
原作:スティーブ・ロペス
脚本:スザンナ・グラント
撮影:シーマス・マクガービー
美術:サラ・グリーンウッド
編集:ポール・トシル
音楽:ダリオ・マリアネッリ

ジェイミー・フォックス  ナサニエル・エアーズ
ロバート・ダウニーJr.  スティーブ・ロペス
キャスリーン・キーナー  メアリー・ウェストン
トム・ホランダー  グラハム・クレイドン
リサ・ゲイ・ハミルトン  ジェニファー・エアーズ・ムーア
ニルサン・エリス  デイヴィッド


一言で言えば、「確かな映画」というテイスト。丁寧に作られ、キャストにも脚本にも全く申し分のない作品。もともとLAタイムスで大人気コラムを博したという、スティーブ・ロペス(ロバート・ダウニーJRが演じる)のベストセラー本が原作だ。
そして『プライドと偏見』『つぐない』のジョー・ライト監督作品、とこれだけで、ある種の安定感を感じながら見ることの出来る作品。
何より、主役のジェイミー・フォックス、ロバート・ダウニーJr、双方に同様の吸引力でもって引き込まれてしまうんだもの。彼らの演技を交互に見る、ただそれだけで、至福の時間を過ごすことが出来るんだ。ああ、幸せ
音楽がストーリーの主軸に据えられた映画って、やっぱり好き!映画館で見て良かった、と心から嬉しくなってしまう。
途中、音楽を聴いて震えるほど感動する、ナサニエルの精神を映し出したようなシーンがある。ここがまたすごく印象深いんだ!精神が自由に飛翔し、LAの街並みから飛び立って行く。“俯瞰した画”というより、文字通り彼の心が飛び回り、喜びのために羽ばたくのを感じる。
その後、ナサニエルが目をつぶって音楽を聴く。ここのシーンもまた驚きの光の映像だ。音と光の芸術そのものにシーンが乗っ取られ、しばらくその映像が続く。

これを横で見ていた、その後のスティーブ・ロペスの台詞を借りれば、「その時の彼がまさに感じているような、ある種の高揚感、何かより高いレベルに精神が浮遊していくような感覚」「こういうのって、何て言うんだっけ?」とキャスリーン・キーナー演じるメアリーに聞く。そこでメアリーが「神の恩寵」−Graceだ、答える。

物語は途中から、より深くへと入りこんでいき、ただ甘いだけの感動モノではなくなっていく。本当に人を助けるということ。ホームレスとして生きる人々とそのコミュニティ。彼らの友情・・・。

欠点を挙げようと思えば、思いつかなくもない。少し真面目すぎるきらいもあるし、“ホームレスと普通の少しズレた男の友情”ということであれば、自分の大好きな『フィッシャー・キング』には到底及ばないよなあ、とか。
でも、俳優の素晴らしい演技に目を奪われ、素晴らしい音楽を心で感じ取ることが出来たら、もうそれだけで私はイイのだ。これはこれでよし

ストーリー・・・
ロペスはある日、べートーヴェンの銅像のある公園で2本しか弦のないヴァイオリンを弾くホームレス、ナサニエル・エアーズに出会う。彼の演奏する音楽の美しい響きにひかれコラムのネタに取材をはじめる。まもなく彼は、ナサニエルが将来を嘱望されたチェロ奏者で、ジュリアード音楽院の学生だった事を知る。なぜ才能ある音楽家が、LAの路上生活者になったのか?そして、家も家族もない彼が、なぜ音楽だけは捨てずに生きてきたのか?・・・

路上のソリスト@映画生活

 

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コメント(18件)

  1. 路上のソリスト

     『奏で続ければ、いつかきっと誰かに届く。』
     コチラの「路上のソリスト」は、かつて天才と呼ばれたチェリストだった路上で暮らす男ナサニエル(ジェイミー・フォックス)をLAタイムズのコラムニストのスティーヴ・ロペス(ロバート・ダウニー・Jr)が追った、実在の….

  2. >そこでメアリーが「神の恩寵」-Graceだ、答える。
    さすが、物書きさん!! 一言で言い表した!!
    と思わず膝をたたきたくなった、ある意味感動の一言でした。
    映画を見ているときや音楽を聞いているときや本を読んでいる時などに、作品全体の良し悪しとは関係なく、何かが胸を突いて・背中を電気が走り・感涙がこぼれそうになり・これが恋?とか思いたくなるような瞬間がありますよね。
    哀生龍の手に掛かると「神の恩寵」もお安いものに成り下がるのですが、今度からそんな瞬間は「神の恩寵だ!!」と言おうと、思っちゃいました(笑)
    >文字通り彼の心が飛び回り、喜びのために羽ばたくのを感じる。
    ダウニー・Jr.目当てに映画館で見たのですが、映画館で見て良かったと感じるシーンです!

  3. 哀生龍さんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    たった一言でズバリ表現していましたね!
    哀生龍さんはそこに感動されたのですね。ふむなるほど。
    そうなんですよね、特に、クラシック音楽を聴いていたり、それから本を読んでいたりする時に、精神の高揚感を感じることってありますよね。私は中学生の頃からこれって何だろう、って思ってたのですが、大学の時に見たTV番組で、それをα波と呼んでいました。それを見て、「へえー!」なんて。
    私は時々α波を求めてモーツァルトを聴くことがあります。ラウドロックだと、アドレナリンは放出するのですが、あっちはβ波なんですよ。
    >映画館で見て良かったと感じるシーンです
    本当に!私もそうでした^^*
    >ダウニー・Jr.目当てに映画館で見た
    それを聞いてとっても嬉しいです!私はダウニーJrが好きで好きで好きで・・・
    良かったら今度、『アリーmyラブ』見てみませんか長いんですけどね・・、きっと哀生龍さんだったら見てくれると・・・(はぁと)

  4. こんばんは〜!観たんですねー。私も観ようか結構迷いました。ダウニーJrが大好きなもんで〜!仲間ですな!!
    でも真面目くさってる映画かなー?楽しめるかなー?って不安でした。DVDまで待ってもいいかなー?って。
    とらねこさんのレビューを読んで、やっぱり見ようかなって気持ちになりました!時間が合ったら観に行きます!!

  5. アヤさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました。
    おっ、アヤさんもロバート・ダウニーJr大好きですか!?嬉しいな〜
    私は実はロバート・ダウニーJrが大好きなんですよ〜!
    うーん、アヤさんたら、私とバッチシ合うセンスしてますよ〜
    そうですね、映画自体は、どことなしに真面目な雰囲気はあるんですよね。
    基本的にこの人、丁寧な映画作りをするようですが、そのためにどこか真面目だなー、なんて思わざるを得ないところがあるかもしれません。
    ただ、音楽好きの人であれば、チェロの演奏が心に印象深く感じられますので、それだけでもう評価の半分ぐらい決まったようなところがあるんじゃないかな?なんて思います。
    見たら是非アヤさんの感想が聞きたいですー♪待ってま〜す^^*

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    監督:ジョー・ライト
    出演:ロバート・ダウニーJr.、ジェイミー・フォックス、キャサリン・キーナー、トム・ホランダー、リサ・ゲイ・ハミルトン
       奏で続ければ、いつかきっと誰かに届く。
    「ナサニエル・エアーズは路上でヴァイオリンを弾くホームレス

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    正直、よくわからなかった。
    それは、見る前に読んだ解説に惑わされたからかもしれない。
    そこには『二人の騙しあい』のようなことが、書かれていた。
    どこにもそんなシーンは、感じられなかったのに・・・・
    もっと素直に、彼の演奏を目の前で聞くような、そんな気持ち…

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