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MOTHER

MOTHER紀伊国屋ホールにて舞台鑑賞。
マキノノゾミ3部作、『MOTHER』を見て来ました〜!




ストーリー・・・
雑誌『明星』の廃刊後、『スバル』に変わっていった1900年代。歌人も、短歌がまだ人気とは言え、古いものになりつつあり、与謝野晶子(キムラ緑子)はこの時代随一の人気女流歌人に、一方、夫の鉄幹(山路和弘)の詩はどんどん売れなくなっていった。
そんな最中、与謝野家の引越しのため、門下生である石川啄木(奥田達士)、北原白秋(綱島郷太郎)、平野萬里(田島俊弥)、佐藤春夫(川上英四郎)ら門下生が手伝いにやって来ていた。・・・


与謝野晶子&鉄幹の、夫婦の物語。
あまりに人間臭く、自分らしく生きる与謝野晶子。彼女の生き方は、とても身近で共感を呼ぶ。
「金の話は、男がすたる」と言う鉄幹は、自身は、経済的には全く役に立たず。
詩人としての才はとうに失ってしまい、自分の妻、晶子の売れっ子ぶりを目の当たりにし続ける鉄幹。だが、門下生からはその人柄の良さから、「先生」と慕われ続けている。


自分より不甲斐ない夫を抱える与謝野晶子だが、元は大恋愛をして、結婚をしたのだ。子供が生まれるという時になって、事実上稼ぎの無くなってしまった亭主だが、自分が出来ることはするとばかりに、一家の稼ぎ頭となって、仕事を選ばず、ますますの売れっ子に。
一日朝から晩まで家事をし、子育てもして、仕事もバリバリやり、名声も上がる一方。

北原白秋も、石川啄木も、“教科書の中の文学の偉人”ではなく、いかにも隣に居そうなキャラクター設定だった。
北原白秋は、第一幕冒頭では「童貞ではないか」とからかわれ、箸より重いものを持てない、その非力ぶりを笑われたり。だが後に恋をして、盲目になり、詩の調子はどんどん良くなり、姦通罪に訴えられることになり、自殺にいたるほどの絶望の中に陥ったり・・・。

コメディタッチのように、全く疲れず、軽快に楽しめる舞台だった。でありながら、長年連れ添った夫婦の倦怠や、人生の妙味を描き出し、深く心に残るものになった。
詩人として、芸術に対しての志を香り高く描いたかと思えば、庶民レベルのように夫婦問題を人間臭く描いてもみたり・・・。あらゆる角度から見て、様々な楽しみ方の出来る出来の良い脚本だった。


婦人解放運動の運動家として有名だった与謝野晶子なのに、雑誌『青鞜』の創刊者、平塚雷鳥との意見の相違。
瑞々しい感性のままに、自分らしく生きようとする晶子の姿に、思わず胸がいっぱいになった。


大学の頃、『みだれ髪』を読んで大好きな女流歌人となった与謝野晶子について、自分はそれほど多くは知らなかった。
でも自分にとって、一番好きな短歌は常に『みだれ髪』だったし、官能的な詩を書いた人といったら、一番に与謝野晶子の名前が出る、それぐらいに、好きな詩人ではあったけれど。


ああ、舞台は面白いな〜。
途中から、なんだか涙が止まらなくなってしまった。これまた感激してしまったのでした。
普段映画ばっかり見ているせいか、俳優がかんだり、台詞を繰り返したりするのを見るのも、新鮮で、面白くてたまらない。


 

2008/11/24 | 舞台・演劇

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