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137●ブラザーズ・クエイの幻想博物館 プログラムD 《執事養成室》『ベンヤメンタ学院』

ベンヤメンタ学院引き続き、『ブラザーズ・クエイの幻想博物館』より、
プログラムD 《執事養成室》
『ベンヤメンタ学院』。はこちらは、パペットアニメーションではなく、初の実写映画。長編。
95年 イギリス・ドイツ・日本 モノクロ105分




初の実写映画。カフカに多大な影響を与えたスイスの異端の作家、ローベルト・ヴァルザーの小説『ヤーコプ・ファン・グンテン』に着想を得、彼の『白雪姫』『シンデレラ』のリメイクにインスパイアされた作品。

ストーリー・・・
ヨーロッパのとある都市にある召使養成学校ベンヤメンタ学院に、将来にたいした期待を抱いていない青年ヤーコプ・フォン・グンテン(マーク・ライランス)が入学した。校長のヨハネス(ゴットフリート・ジョン)はヤーコプに異常な興味を隠しきれない。校長の妹リーザ(アリス・クリッジ)が授業を受け持つが、内容は服従の大原則を中心に何度も同じことを繰り返す単調なものだった。・・・


パペットアニメの方は、物語をそこに読み取るというより、映像の持つイマジネーションを最大限に拡げている実験的作品であっただけに、こちらの実写版で彼らが成していることというのを見るのは、興味深かった。
まず、画面構成がもの凄い。たかが白黒の映像なのに、なんでここまでの迫力が出せるのか、さっぱりワケが分からない。
素晴らしきフェテシズム。

凄い映像作家、と呼ばれる人は大勢いるのだけれど、彼らは私の好みだったのです。この変態ぶり!


シーツの上に踊る指抜きの映像。
リーズが性欲と戦い、不安と対処する時に、白い指抜きをシーツにいくつも結い上げているシーンが何箇所か見られた。
指抜き、これは、しっかりと地に足のついた揺るぎなさ、何が起こっても冷静に対処する判断力、生活力、そうしたものを象徴として表しているかのようだ。
私は、いつもゲーム『モノポリー』の中で、揺るぎない精神を保つことを期待して、このコマを好んで使っていた。
犬や馬などのコマなどより、考えてみれば、まっすぐに立ち、ぶつかっても簡単に倒れない形をしているコマだ。


サド的心理というものは、実はマゾを肉体的に苛めるというそれだけのことでは決してない。それどころか、従事するはずのマゾを喜ばせるという悦楽が、相互に保っている関係にないと、それ自体が成り立たない。
そして、欲望というものは、知ってしまったが故に天国の蜜の味を知ってしまう。そこにこそ悲劇がある。
被支配者が実は、支配者によって支配されることをよしとするが故に、支配者より上に立つというバランス。
知る者は哀れ・・・。知らない者より、知っているというそれだけの有利さ。
知ることによって、知らなかった状態ではいられなくなってしまうのだ。



*ブラザーズクエイ*
ブラザーズ・クエイの幻想博物館 プログラムB 《書物のカフカ的迷宮》
ブラザーズ・クエイの幻想博物館 プログラムD 《執事養成室》『ベンヤメンタ学院』
ピアノチューナー・オブ・アースクエイク


 

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コメント(3件)

  1. こんばんは♪こちらにも
    コレ、まべらの「特殊学園Q」特集で観ましたヨ!
    http://www.cinemavera.com/bc.html?mode=view&no=34
    『タリラリラン高校生』や『花のあすか組!』とかと一緒に特集組んでイケシャーと「学園もの」だからって(爆笑)
    >この変態ぶり!
    エロース!ですよね…
    指し棒(鹿足?)とかチョーク回しとかモザイクかけなきゃヤバイよー言うてたら、お前の頭の方がヤバイよってツッコまれましたけど(笑)
    フレームの入り出や寄り引き、照明とか異常に作り込んでなんかもう偏執狂的…
    と感じたんですがクエイ家ではコレ普通なのかなぁ〜
    だとしたらオマイラ狂ってるヨー!(褒めてますw)
    そして、あぁ指貫!
    記事拝読してなるほど〜と唸りましたね
    揺るがない精神の象徴か
    モノポリーのコマはアイロン派故
    思い至らず!(笑)

  2. ベンヤメンタ学院

    2月2日(土) 11:00?? シネマヴェーラ渋谷 料金:1000円(会員料金) パンフ:非売 ベンヤメンタ学院 – イメージ・フォーラム シネマヴェーラの「特殊学園Q」というヨロズ学校物特集の初日。まずは、映画館発行のチラシから当作品の解説を引用。 <引用開始> …

  3. みさま
    こちらにもコメントありがとうございます〜♪
    >特殊学園Q
    うわっはっは、こんなとこに紛れ込んでるぅ〜。
    うーん、ヴェーラ恐るべし・・・。
    狂った特集だなあ。私は当時「ふーん」なんて感じで、全然熟読しておりませんでした。改めてラインナップ見てビックリですよ。。。
    なんちゅー「イケシャーぶり」(笑)
    >指し棒(鹿足?)とかチョーク回しとかモザイクかけなきゃヤバイよー
    小物の使い方も良かったですよね〜。
    あの女教師が持ってる方がウズいちゃう感じで。男が持つと“威厳と権威”になるものも、なぜか女が持つと妙なエロティシズム・・
    わくわくしますw
    >フレームの入り出や寄り引き、照明とか異常に作り込んでなんかもう偏執狂的…
    うん、もう私なんかただの素人には、何が行われてこれだけ凄い映像が撮れるのかサッパリ分かりませんでしたよ。
    とにかくもう画が凄いとしか言いようが無くって。
    モノクロって技術がモロ分かりするんでしょうか、それとも増幅されるのかな。
    光と影って、思ったより凄いことが出来るんですね。
    >アイロン派
    アイロンも二番目に好きですよー。これも使いやすいですよね。
    これもやっぱ生活感“Stability”を思わせますね。
    だから余計、アイロンで人殺ししちゃう『レイヤーケーキ』の1シーンが怖かったんですよね〜
    あれ、『ドライ・クリーニング』でもアイロンで殺してたかなあ・・




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