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121●ストーカー

ストーカー’79年、ロシア。タルコフスキーがロシアで撮った最後の作品。
SF作家ストルガツキー兄弟の原作、『路傍のピクニック』を題材にした、思弁的SF映画。



ストーリー・・・
とある小国に、謎に包まれた“ゾーン”と呼ばれる地域があった。立入禁止になっていたが、そこには、人間にとって一番大切な望みがかなえられる“部屋”があるというのだ。そして“ゾーン”に踏み込むという大胆な行動をとる者が出現した。案内役はストーカー(アレクサンドル・カイダノフスキー)と呼ばれている男だ。止める妻(アリーサ・フレインドリフ)を説得し、今“ゾーン”へと出発するストーカー。作家(アナトリー・ソロニーツィン)と教授(ニコライ・グリニコ)の二人と待ち合わせて“ゾーン”に向かう三人だった。・・・

映し出される映像の美しさにウットリとし、呆然となって、ああ、自分は映画ファンで良かったなあ〜と、つくづく喜びを感じた至福の時間だった。
映像が持つ圧倒性は、自分にとっては『ノスタルジア』以上。
人々が眠気を感じるというタルコフスキー映像だけど、一瞬たりとも寝ることはなく、没頭した。完全に起きていたのに、意識は遠くをトリップ。
自然の風景を映し出しながらも、ここはこの世ではないんだ、そこは全然別の場所なのだと信じることが出来た。

“ゾーン”と呼ばれる前人未踏の、誰もまだ到達したことのない場所。
そこに今、入り込もうとする3人の話だが、3人それぞれにとって、「望みの叶う」部屋に来た理由は異なるのだった。
ゾーンにとりつかれた、案内役のストーカーと呼ばれる男、ヤマアラシという名の、かつて一度その部屋に入ったことのある男の末路。
本当はどう生きるべきか、それぞれが最後に見出して終わるラスト。のだったとだが、彼らそれぞれにとって、その望みは何だったのか、示されてはいない、想像するしかない。だが、それこそ観客の仕事である。
意識下から別の部屋へ、そのまた別の部屋へと通過してゆくうちに、深層心理に近い何かが見出せたのだろうか。それは未知との遭遇と言える体験だったのかもしれない。

我々に一番近い存在として、ストーカーと呼ばれるこの男の姿が描かれているとは言えそうだ。

帰って来た3人が、あのバーで帰還を楽しんでいる姿に、自分はホッとした。
同じ風景でありながら、今までと違って見える風景、今までに見えなかった至福の時が描かれていた。

・ストーカー@映画生活

 

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コメント(10件)

  1. アンドレイ・タルコフスキー「ストーカー」

    ストーカーアイ・ヴィー・シーこのアイテムの詳細を見る
    1979ソ連
    監督:アンドレイ・タルコフスキー
    原作・脚本:アルカージー・ストルガツキー、ボリス・ストルガツキー
    音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
    出演:アレクサンドル・カイダノフスキー、アナトリー・ソロ…

  2. こんばんは♪
    お〜!完走されたのですね!
    オススメしておきながら何ですが
    3回も劇場に観にいっておきながら
    未だに完走できないでいるわたくしです
    難攻不落の「何回映画」(笑)
    映像に酔い、まどろみ、そしてフェイドアウト…
    タル映画て観てるとほわーんて気持ちよくなっちゃうんですよねぇ
    21世紀マシンを活用して勝手に3部作自宅鑑賞かなぁ
    さておき
    『イントゥ・ザ・ワイルド』
        ↓
    『不在にします』
        ↓
    トルコ旅行記の間に『ストーカー』
    の記事順にはふきました
    “ゾーン”はカッパドキア地下都市に!?
    いや〜ハマリ過ぎだわ〜(笑)

  3. みさま
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    みさま、なんか久しぶり!
    とっても嬉しいですー!ありがとうございます。
    本当本当、「何回映画」これ、ヒャハハ・・・
    よくタルコフスキーは眠くなる、て言いますけど、これは完全に誘いを感じますよ。
    だって、ゾーンの途中の原っぱでは、主役が率先して寝てるでしょう、
    「あれはズルイ!」と叫びそうになりました。
    あ、ちなみに、私も寝ませんでしたが、友達もちゃんと起きてましたよ!
    >21世紀マシンを活用して
    活用、ってことは、みさまはとうとうDVDかブルーレイを買ったんでしょうか?(それともまだ?)
    >ゾーンはカッパドキア地下都市に
    いやもー!みさまだけですよー!そのレベルで理解してくれるの!ウハハハハハ!!
    いやあ、カッパドキアには絶対、ゾーンありますよ、絶対ね!まだ見つかってないだけで。

  4. >ゾーンありますよ、絶対ね!
    観光ナイズされてるカイマクルですら8層構造もあって未だ解明されてないエリアあるらしいですからねぇ…
    もう何が怪しいってギョレメって地名が…
    JoJoの奇妙な擬音かよと!
    硬昆布もといカタコンブとともに地下建造物マニア垂涎の地ですな
    地下宮殿もすごいみたいですね!
    うわー!行ってみてぇー!
    とらねこさまの旅行記写真拝見して
    うらやますぃー!と地団駄ですわ
    >21世紀マシン
    『スパルタの海』がどーしても観たくて年初に導入したんですけど、その後一切使ってないんですよねぇ…
    言わば『スパルタの海』再生専用機
    ヒロシと名付けてみました
    うちのヒロシにブルーレイて知ってる?て聞いたら何それ?て答えますよ(笑)

  5. みさま
    >カイマクル地下都市
    そうなんですよ、書き忘れてしまったんですが^^;(ごめんなさーいっ)、
    カイマクルは地下8階まであって、今現在見れるのは地下3階までなんですって。
    これは絶対ゾーンがあるためでしょうね!
    >もう何が怪しいってギョレメって地名が…
    >JoJoの奇妙な擬音かよと!
    ギャハハハハ!!!私こういう「大胆華麗にちゃらんぽらん」な台詞大好きなんですぅー。
    主にノリ重視な感じ、っていうか・・
    根拠もないのに、説得力ある、ってヤツw
    知性とは別物の何かから降りて来る言葉(笑)
    カタコンブも是非とも行ってみたいです!本気で鳥肌立ちそう・・ちょっと『リサイクル』を思い出すかも(みさま、見ました?)。
    >「ヒロシ」
    ギャハハハ!!!みさまってば最高!爆笑させてもらいました★
    『スパルタの海』再生専用機ってそれ、ピンポイント過ぎ・・ひーひー
    ヒロシ君、容姿端麗なブルーレイ君が来たら、
    「アンタ誰?」ってベロンチョと吐き出しちゃうんですね〜
    私も5.1chプレイヤーで今DVD再生してるんですが、
    何しろブラウン漢くんが、サイズには全く自信のない仔でして。
    とは言え彼ってば、長持ちだけが自慢なんですー♪
    なかなか壊れてくれないんですよ・・

  6. 旅行記の間に「ストーカー」があるのが、なんかおもしれーなーって私も思っていて。
    私としては、ゾーンは地下宮殿に通じる感じなのでした。
    これは、私の映画鑑賞史上の爆睡映画TOP3に入りますね。
    ってなわけで、観たけど内容は知りません。
    起きてても、あんまり変わんない気もするけど。
    シャンテのはやはり、個人的には『ユリシーズの瞳』を一番見てほしい感じ。長いのがネックだけど。
    タルコが好きなら、アンゲロちゃんも好感触かもなーって。

  7. やぁやぁ、しつこくてすみません
    (『ストーカー』のコメ欄だけにw)
    でも腐海の森学園妄想部部長として
    ココはツッコんどかんといかんでしょう
    >サイズには全く自信のない仔でして。
    とは言え彼ってば、長持ちだけが自慢なんですー♪
    エ、エロース!!(爆笑)
    盛大にふきました
    PCモニタがおーいお茶びたしに…
    >『リサイクル』
    パンブラのヤツですね
    コレはまともな傑作ホラーだから駄作ハンターとしては『カタコンベ』を推奨(笑)
    あと何名か名乗りをあげたら決起できそうですね
    『ストーカー』爆睡党(笑)

  8. かえるさんへ★
    おはようございます♪コメントありがとうございます!
    むむっ。かえるさんも寝ちゃいましたか〜。
    『ノスタルジア』と比べると、寝なければ理解できるレベルだと思ったりしてます。
    タルコ的表現方法が主題にピッタリで、これは何度見ても楽しめそうです!
    『ユリシーズの瞳』時間的に合うのがないんですよ‥悔し涙。
    アンゲロプロスは『旅芸人〜』と『永遠と1日』しか見てないですけど、私の場合、アンゲロプロスが合うので、タルコも相性良かったのかな、と思ったりしてます♪

  9. みさま
    アハハ!たまにはエロースもいいかなと。
    でも、普段私がエロ話すると、大概引かれることが多いんですよ・・・。なぜだろう?なんか、生々しくなっちゃうみたいです。テヘっ!
    >駄作ハンター
    これってなかなか難しいんですよね。定義としては、こんなとこでしょうか。
    「単に駄作と呼ぶにはあまりに惜しい、むしろ良作には到底及びもつかない途方も無さと広がりを感じる、普通の人には見つからないような宝石を見つける、そんな喜びを与えてくれる駄作を見つける奇異な人々」
    みたいな感じでしょうか。
    でも、駄作って、下を見ればキリがないから、逆に途方もないセンスの持ち主じゃないと見つからないんですよね。
    『ストーカー』は、100にしてもいいぐらいな傑作でした。チェブラーシカを上げてしまいましたけど、こちらを先に見ていたら、こっちを100に上げたかもしれないです。
    寝るなんて、惜しいですって。
    映像見ているだけで、全然退屈しなかったですー。

  10. 「ストーカー」

    「ストーカー」-廃墟のピクニック。
     
     
    晴雨堂スタンダード評価
    ☆☆☆ 良
     
    晴雨堂マニアック評価
    ☆☆☆☆☆
     
    ブログランキン…




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