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55●修羅雪姫

修羅雪姫死んでいた朝に とむらいの雪が降る
はぐれ犬の遠吠え 下駄の音きしむ
因果な重さ みつめて歩く
闇を抱きしめる 蛇の目の傘一つ
いのちの道を行く女 涙はとうに捨てました・・・




こちら、主題歌の『修羅の花』。
梶芽衣子自身の歌によるもの。(修羅の花 梶芽衣子 歌詞情報 – goo 音楽より)
よくよく見ると、歌詞がちょっと変なんですけどね。でも、なんだかこの御姿と演歌、とっても似合っててついついUPしたくなってしまった。
和服と和傘が、シブくて素敵でしょう


ストーリー・・・
雪が降る夜の監獄で、親の恨みを背負い生まれた赤子、雪(梶芽衣子)。
道海和尚(西村晃)のもとで血の滲むような修行に耐え、美しき女刺客へと成長する。
「許しもしなし、助けもしない」。墓石さえも斬りつける、心を捨てた女の姿をしかと目にやきつけよ!逃れることの出来ない、因果応報の悲しさよ。・・・(シネマヴェーラより)


’73年 藤田敏八。原作・小池一雄、上村一夫。


いやー、梶芽衣子が美しい。立ち姿からして様になりまくっていて、その眼光鋭い目線には、痺れまくり。
画としても冒頭からそりゃあもう美しい。小物の使い方も素敵だあ。
この蛇の目の傘やら、和服の白さ、最初の登場、「うわっ、キルビルしてる!」なんて思いました。


梶芽衣子の和服姿、これまた見所の一つでした。まず冒頭に出て来たのは、白地に、黄色と黒の蝶。こんな和服、見たことなくて、目を奪われました。素敵だな〜!
だいたい、白地が多かったみたい。白地に爽やかな水色の模様、等々・・・。
「雪」という名前だけあって、この白い和服が、なんだか凛としていて、眩しくてたまらないのだ。

そして、時々薄紫の和服。
和服ってこんなに美しいのね。本当、細かい色々なことにこだわって、作られている感じがする。
これらの色合いは全て、蛇の目傘の濃い紫に映える色。それらを全編通して選んでいるのが分かる。グレイトです。
それから、化粧も素敵。雪のように真っ白な肌に塗られていて、印象的な目を際立てた、黒のグラデーションのアイメイク。


そして、それに対照になっているのが、流れる血の紅さ。
人々の流す血が、まるでありえないくらい、ビャーッと流れる。
ありえないし、今だったら考えられないんだけど、この頃にしてみれば、きっと出来る限りのことをした結果がこれだったんだろうな、と。
スプラッタ映画ばかりが、血糊にこだわっているわけではないんですね。


怨恨の一字のみを胸に生きていく・・・
生まれながらにして親の復讐を背負って、「修羅の子」として育てられた雪。
陰惨な物語の中で、流れる血の朱い、真紅の物語の中にあって、ひときわ輝くのが、この雪の真ッ白さなの。
どれだけ血が流れようと、情にほだされず、怨恨ただそれだけのために、命を燃やす雪。
・・・美しい。美しすぎます


映画としては、ツッコミ所が確かに多いかもしれない。
物語もそりゃあ古いような気がするし、恨みや怨恨というのを抱えて生きる、というのも非常に後ろ向き。
敵に向かって、「因果応報!」と斬りつけるが、自分もにもまた巡り巡ってくる因果・・・。


だけど、最後に物語は、新しい時代を迎える。
文明開化は進み、二つの文化が濫立する中、堕落した象徴である、鹿鳴館にその舞台が移っていく。
そして、ここで繰り広げられる、最後の戦い。


前時代的な恨み、怨恨を晴らすのに、この舞台が選ばれたというのは偶然ではない。
逆に日本人の固有の文化を余計に際立たせていて見事だ。

だが、鹿鳴館を出ると、そこは一面雪の銀世界・・・。
美しい。
恨みも哀しみも、真赤な血も、全て上から隠す、清浄の白、それもまた雪なのだ。

タランティーノのオマージュの捧げ方は、思いっきり大仰だったけど、微笑ましい。
ただ、鹿鳴館の内装美術は、いかにもチープでちょっとだけ笑ってしまいました。だって、“鹿鳴館”に、紐で吊るした、万国旗って・・・!?

そんなの、小学生の運動会以来に、見た気がするんですが(爆)


ついでに他のタランティーノのオマージュ関連で言うと、子供の頃の道海和尚に育てられる、特訓場面、ここが、
ブライドが空飛ぶギロチンを訪ねた寺と、背景がソックリだ。(特に階段をバックにした下からの画)


ちなみに。子供の頃にめちゃくちゃなやり方で、殺人者・刺客としての腕を上げようと、雪を訓練する、道海和尚役、西村晃。
実は今年、この人のリバイバル上映作品を、これで3本も見てしまったことになる。
他の1つは、『黒薔薇の館』で、ヒロイン黒薔薇夫人の、色キチガイのストーカー亭主役。(暑苦しかった〜)
もう一つは、『怪談せむし男』。腰が90度近くに曲がった、殺人鬼、せむし男役(と、男爵役の二役)。素晴らしい怪演を披露してました!

この人のことは、今年になるまでお恥ずかしながら、水戸黄門としてしか知りませんでした。
でも、この役柄のラインナップを見ると・・・超がつくほど変わった役にばかり、キャスティングされてる人だったんだぁ!
なんだか西村公、顔まで、クリストファー・ウォーケンに見えてきました。(似てない?・・・って最近、こればっか)

修羅雪姫@映画生活

 

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コメント(12件)

  1. こんにちは♪
    「女囚さそり」もオモシロいんですが
    着流し&仕込みの蛇の目がカッコいい
    んで、断然こっち方が好みです。
    梶芽衣子の眼力&気迫は釈由美子もU・
    サーマンも遠く及ばずでしたよね。
    続編の「怨み恋歌」は1作目で本願を
    遂げてしまったせいか雪の覚悟の度合
    いが若干薄れてしまっていたような気
    がしてなりませんでした。
    同じ女渡世人の緋牡丹のお竜さんみたい
    にロングシリーズであって欲しかった
    気がしてなりませんす♪ (゚▽゚)v

  2. 風情♪さんへ★
    おはようございます〜!コメントありがとうございます!
    風情♪さん、情緒あるコメント、ありがとうございます。嬉しいです★
    〉続編の「怨み恋歌」は1作目で本願を遂げてしまったせいか雪の覚悟の度合いが若干薄れてしまっていたような
    お〜!素晴らしい。なるほど、続編はいま一つだったのですね。
    風情さんの解釈、とっても興味深いです。
    こういうタイプの日本映画、お好きだったのですね!知らなかった!
    緋牡丹のお竜シリーズ等、お話についていけてなくてすみません‥
    またよろしくお願いしますね〜♪

  3. こんにちは♪
    余計な先入観を植え付けてしまうな続編
    についての感想を書いてしまって申しワケ
    ないです。
    以後、気をつけます。
    ホントに後先考えずのコメでゴメンなさい。

  4. 釈由美子の方かと思ったらオリジナルだなんて…どこをどうつっこめば…とりあえず「濃い」。

  5. 映画 「修羅雪姫」

    「キル・ビル」を観ていない私にとって(今回の特集でも「キル・ビル」まで手が回りませんわ)タランティーノがオマージュを捧げたとかよりもただ単に梶芽衣子さんを観たくって・・・{/hiyo_en2/}
    「修羅雪姫」1973年 監督:藤田敏八
    雪が降る夜、監獄で親の恨みを背負い…

  6. 藤田敏八の美学全開でしたね。梶芽衣子の美しさにすっかりヤラれてしまいました。
    キルビルを観る前にこっちを観たので、その後のキルビルがより楽しめました。
    こういうのに反応しちゃうタランティーノもイカすけど、やっぱりシネマヴェーラの企画が素晴らしかったですね。

  7. 風情さんへ
    アラマー!イエイエそんな、続編についての風情さんの見方、すごく面白いと思います☆
    「本願をかなえたから」なんていう、ちょっと仏教用語的な表現にもグっときてしまったし。
    自分だったら、「1作目の出来が良すぎたから〜」なんて単純に考えそうですが、それを主人公の立場から考えるところがすごくオモシロイ。
    謝らないで下さいまし!

  8. 健太郎さんへ
    おはようございます〜!コメントありがとうございます♪
    アハハ、確かにいろいろ書きすぎちゃいました、この記事w。
    濃いですねー★

  9. imaponさんへ
    おはようございます〜!コメントありがとうございます♪
    そうですね!あの目力も素敵でしたし、和服姿が最高にカッコ良かったですね!
    キル・ビルまだ見てなかったんですね★
    私は正直それほどキルビルって好きじゃなかったんですが、このヴェーラの企画でいろいろ見るのが、スゴーク楽しくって♪
    だんだんキルビルまで微笑ましく思えてきちゃいましたw

  10. 修羅雪姫(73年梶芽衣子)外国ポスター集めと感想

    先日夜中に、修羅雪姫がやっていたので、ラッキー!と思い見ました。
    この映画の存在は、タランティーノ監督の「キルビル」のイメージの源?…

  11. とらねこさん〜こんにちは!
    この映画、私も1,2年前に初めて見たんですよ。
    いや〜梶さん、綺麗だったなーってしみじみ思いました。
    つっこみどころ満載でしたが、楽しめましたw

  12. latifaさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございました!
    おおー☆これ、TVでやっていたんですか!へえ〜。
    本当、ツッコミどころはありましたね・・。
    こういうの、古い邦画でツッコんじゃいけないんですが、まあ、ツッコミながらも、実は大好きで




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