rss twitter fb hatena gplus

*

#176.アヴリルの恋

アヴリルの恋真っ白いキャンバスみたいな少女。
彼女は一体、何色で、そして何を描くのだろうって、一緒にワクワクした。



ストーリー・・・
人里離れた修道院で育った21歳のアヴリル(ソフィー・カントン)は、神への永遠の忠誠を誓う儀式を目前にしたある日、双子の兄(クレマン・シボニー)の存在を知らされる。赤ん坊の頃に生き別れになった兄を探すため、修道院を抜け出した彼女は、一人の青年、ピエール(ニコラ・ドゥボシェル)に助けられ、まるでこの世の果てのような海辺にたどり着く。・・・

これ、原題は、「アヴリル」だけなのだ。タイトルに何も“〜恋”とかつけなくたっていいのになァと、それだけが残念ではあるけど。でもやっぱり、アヴリルの無垢さは、見ていてとっても心地がいい。

これまで厳しい戒律と静寂の中で暮らしてきた彼女。社会の汚れを知らないというのは、都会の現代社会に住む私には、どんなものなのか、全く予想がつかない。彼女は、たった2週間で、一体何を学ぶんだろう、って。

だけど何より、彼女の笑顔がとっても良いの。普通の時から、いかにも親しげな、それでいて無垢さをどこか感じさせる表情。
彼女の表情で、アブリルらしさ、というものを感じることが出来たからこそ、すんなりとこの世界に入って行けるんだろうな。

出会ったお兄ちゃんのダヴィッドは、まさしく正反対だった。せっかく話してたのに、すぐ自分の世界に篭ろうとするアヴリルに対して、初めはどことなく煩わしそうだけど、だんだんと理解と優しさを示してくれるところが良かったカナ。

ピエールとの恋は、タイトルに謳っているほど、一番重要になるポイントではなかったの。そこだけがこの物語の言いたいことではなくって、真っ白いキャンバスだった彼女が、何を描くか、決心をするまでの物語なのに。
ピエールの理解の示し方は、あまりにも彼女にピッタリすぎる人だなあ、なんて思ったけど、その実、私から見たって、こんないい男はなかなかいないヨ〜とも思う。
余計な事は言わないのに、大切なことは分かってくれる。何も言わなくても、心が通じる。
人によっては、何か一言喋られただけで、気分がブチ壊しになってしまう・・そんな男の人もいるけど、ピエールは本当に素敵なヤツ。いいなあ、ああいう人。ちゃんと心地のいい静寂、というものをムードに持ってる人って、いいないいな。

ラストの方の展開は、正直言って、こんなにたくさん展開しなくってもいいのにって思った。少しだけこの物語の魅力が正直薄れてしまった感じ。
なんとなく自分的には、『天国の口、終わりの楽園』みたいに、旅と物語のエンディングが、ウマイことリンクするのかなあ、と期待してたの。
アヴリルにとっては、旅というよりも、2週間の試練のようなものだったよね。

でも、希望の残るラストだったので、安心は出来た感じ。

アヴリルの恋@映画生活
「アヴリルの恋」の映画詳細、映画館情報はこちら >>

 

関連記事

『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...
記事を読む

『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』 アメリカ亜流派のレイドバック主義

80年代の映画を見るなら、私は断然アメリカ映画派だ。 日本の80年代の...
記事を読む

『湯を沸かすほどの熱い愛』 生の精算と最後に残るもの

一言で言えば、宮沢りえの存在感があってこそ成立する作品かもしれない。こ...
記事を読む

『ジャクソン・ハイツ』 ワイズマン流“街と人”社会学研究

去年の東京国際映画祭でも評判の高かった、フレデリック・ワイズマンの3時...
記事を読む

『レッドタートル ある島の物語』 戻ってこないリアリティライン

心の繊細な部分にそっと触れるような、みずみずしさ。 この作品について語...
記事を読む

1,672

コメント(7件)

  1. アヴリルの恋/ソフィー・カントン

    タイトルに「恋」を付けられてしまうとそれだけで気になってしまう単純な私です。でもこの作品はシネ・ラ・セットというちょっと個性的なミニミニシアターによる単館上映。ココでフランス映画を観るのは初めてな気がするんだけど、あまり余所では上映されないマイナー作品を….

  2. とらねこさん、ぼんそわっ。
    デキスギなところやヤリスギなところが物語の中にありつつも、なんだかんだいって好きな作品でした。
    寓話っぽいからゆるせてしまうのかな。
    あるいはアヴリルの無垢さが全てを自然に感じさせてくれたのか。
    旅な映画はやっぱりいいです。
    さて、修道女と娼婦、なるならどっち?

  3. かえるさんへ
    こんばんは〜♪コメントありがとうございます!
    そうですよね!かえるさんはきっと、この映画の良さを分かってくれそうな気がしてました☆
    私は、最後のヤリスギはちょっと待って〜と言わんばかりでしたけど、でもやっぱり彼女のまっすぐな慎み深い表情がなんだか良くて。おっしゃる通り、寓話風とも言えなくもないですよね。
    いいですよね、ああいう旅も。
    修道女と娼婦ですか・・・。どっちも、一気に老けてしまいそうで、出来るだけなりたくない職業ですね

  4. 『アヴリルの恋』

    色があるから人生はステキなの。
    孤児として修道院で育てられた修練女のアヴリルは、修道女になるために断食・沈黙をしながら2週間礼拝所にこもろうとしたところ、密かに兄の存在を知らされる。静かな山の中に佇むの修道院の風情が好き。と思うのだけど、自由気ままな暮…

  5. 真・映画日記『アヴリルの恋』

    JUGEMテーマ:映画
    11月25日(日)◆635日目◆
    午後2時半に起き、3時から外出。渋谷へ。
    渋谷Bunkamura前にある「シネ・ラ・セット」に来たのは3年ぶり。ドアを開け受付で整理番号をもらう。午後5時15分の回40分前なのに9番だった。受付後の出入りが自由なためか、…

  6. アヴリルの恋

    監督・脚本: ジェラール・ユスターシュ=マチュー(2006年 フランス)
    原題:AVRIL
    【物語のはじまり】
    孤児として修道院で育てられたアヴリヮ..

  7. 「アヴリルの恋」

    このアヴリル役の女優さんが可愛らしかった




管理人にのみ公開されます

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)


スパム対策をしています。コメント出来ない方は、こちらよりお知らせください。

前の記事:

次の記事:

Google
WWW を検索
このブログ内を検索
『沈黙』 日本人の沼的心性とは相容れないロジカルさ

結論から言うと、あまりのめり込める作品ではなかった。 『沈黙』をアメリ...

【シリーズ秘湯】乳頭温泉郷 鶴の湯温泉に泊まってきた【混浴】

数ある名湯の中でも、特別エロい名前の温泉と言えばこれでしょう。 乳頭温...

2016年12月の評価別INDEX

年始に久しぶりに実家に帰ったんですが、やはり自分の家族は気を使わなくて...

とらねこのオレアカデミー賞 2016

10執念…ならぬ10周年を迎えて、さすがに息切れしてきました。 まあ今...

2016年11月の評価別INDEX & 【石巻ラプラスレポート】

仕事が忙しくなったためもあり、ブログを書く気力が若干減ってきたせいもあ...

→もっと見る

【あ行】【か行】【さ行】【た行】 【な行】
【は行】【ま行】【や行】 【ら行】【わ行】
【英数字】


  • ピエル(P)・パオロ(P)・パゾリーニ(P)ってどんだけPやねん

PAGE TOP ↑