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#81.バッド・チューニング

バッド・チューニング’93年、リチャード・リンクレイター監督作品。ありがちな、ドラッグ交じりの青春映画?
と、思いきや・・・いやいや、トンデモない。
さすがは、リンクレイター。
そんなつまらない作品、撮るわけがないんだな。




ストーリー・・・
’70年代、アメリカの高校生たち。学年末を迎え、これから、夏休み!この日は、パーティをやったりと、みんな大騒ぎなのだ。教師の中には、「ハメを外すことはしません」なんて言う、ロクでもない誓約書を書かせようという奴もいて、フットボールのクオーターバッグのピンク(ジェイソン・ロンドン)なんかは、教師にじかに注意された。それも、「悪いヤツラと付き合うな」なんていう、トンでもない金言でさ。・・・


ここで描かれる中で、なんと言っても「これはイヤだなあ」なんて思うのは、変テコな学生たちの間の伝統。中でも、なんと言っても、新入生へのトンデもない歓迎の仕方なんて、本当最悪。
しこたまケツ叩き、なんてされるんだもの・・・そんなん言ったらレディーとしては失格かな。(まっ、いいか)
それも、野球部の試合、勝とうが負けようが、思いっきり叩かれるらしい。これに選ばれてしまった人は、ご愁傷様。それから逃れようとするには、ひたすら逃げるしかない。逃げた先も地獄なんだけどね。


もちろん、親が出て来て、ケツバットを持参した先輩を、銃で脅して帰そうとするなら、それは一時の勝ちと言えるかも。
だけど、そんなことしたって、無駄無駄。先輩から本気で逃れられると思うなんて、本当甘い、ってヤツみたいだね。理不尽だし、理解しがたいけど、それが伝統ってんだから、アメリカの高校生も、大変だよなあ。


だけど、面白かったのは、そんな風に、ケツをイヤと言うほど叩かれた、その後、中には、クールな思いをするやつも居るってこと。ミッチ・クレイマー(ウィリー・ウィギレス)なんてさ、先輩に死ぬほど木の棒で叩かれたのに、その後、いい先輩が声かけてくれてさ、誘われて、パーティで一緒に飲んだりしてた。
ミッチは、そのパーティで、上級生の女の人とペッティングまでしたんだって。本当、ミッチはいい思いをしたなあ。


とは言え、ここに出て来るやつは、みんな、酒飲んで、ドラッグキメてハイになって、なんだか楽しそう。
だけど、それだけじゃない。
「檻に入れられたこの日々を、精一杯生きたと言える」彼らの姿がそこにある。


何より、ここにかかるロックの、何と分かりやすいこと!
’70年代音楽の羅列そのもの(笑)
Alice Cooper、『School Out』、『No more Mr.Nice Guy』←この曲、ケツ叩きの時にかかるんだから、笑っちゃうよ。

それから、W.A.R.『Why Can’t We be friends?』(←女学生の後輩いじめ、「原爆投下!」の時にかかってたヨ☆)、
『Low Rider』。
当時のどのアメリカの学生も、知ってるんじゃないか、っていうような、懐かしくてクールな曲ばっかし。
(私は’90年代に、ひたすら’70年代がクールだと思って聞いてたんだ。私にとっては、クラプトンは、ソロじゃないのさ、Creamなんだよ。『Born Under the Bad Sign』なんだよ。

そもそも、『Dazed and Confused』っていう原題を聞いて、クールな人にはきっと、何も言わなくても分かってもらえるんじゃないかな。
なんたって、Zeppelinの1st アルバムの中に入ってる、曲のタイトル。
日本語タイトルは『幻惑されて』なんていうんだよ。悪くない邦題だろ?


青春映画だって、バカではないのだ。そこを懐かしく思い出すなんて、その時にはきっと無理のように、僕らはつい思うんだけれど、その時そこにあった空気は、どこかでその人の思い出という懐かしいやつに、いつの日か、摺り変わっているんだろうな。


P.S.ちょっとだけホールデン・コールフィールド風味の文にしてみた♪


ちなみに、ベン・アフレック、ミラ・ジョボビッチ、レニー・ゼルウィガーが、端役で出て来るのに、ビックリ!ベン・アフレックなんて、・・・ケッケッケ!トンでもない目に合っちゃう。
ロニー・コクレインは、『スキャナー・ダークリー』での役と同様に、Stonedしまくっていたよ。

バッド・チューニング@映画生活

 

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コメント(5件)

  1. こんばんは♪
    さすが「好きな監督欄」トップがリンクレイターのとらねこさま!
    コレ確か日本だと未公開ではないですか?
    ややアッパー気味のコメディだし当時だとキャストも地味(今だと豪華キャストなんですけどね…)てことでウケないってスルーされちゃったのかな…
    若気の至りの狂騒だけじゃなくなんだかホロ苦な余韻も残る学園青春ものの佳作なんですけどね
    で、確かに選曲がまたイチイチ憎いんですよね
    クールと言うよりベタかもしれないですがそれもまた心地よしで(笑)
    ケツバットはもう国境も世代も超えて連綿と受けつがれる伝統行事ですよ、きっと
    無形文化財に指定されるくらいの(笑)
    逆にあの女の子達のケチャップとかのがドン引きだったなぁ〜、わたくしが男だからかな
    >ホールデン風味
    あぁ!なんか癖ある文体だなぁ思てたら…なるほど永遠の16歳でしたか!
    これには参ったね(ニヤリ)

  2. みさま
    おはようございます〜♪コメント誰も来ないところへ、ありがとうございます!
    とりわけ嬉しいです♪やっぱり、みさまはご覧になっていたのですねー★
    >日本未公開
    そうなんですよ!お恥ずかしながら、私はこの作品の存在を知らなかったんですよ。
    本当にPCさまさまですね。
    それから、まだ日本未公開作品で傑作があるらしいですね。”Slacker”というタイトルのものだとか。
    ただ、字幕つきで見ても難しいリンクレイター作品を、英語で見て理解出来るか不安なんですよね
    みさま、↑この作品、ご覧になりました?
    選曲は、分かりやすいっちゃ分かりやすいんですが、「ここのシーンで、そう来るか〜」みたいな、喜びがありましたね〜★
    >女の子達のケチャップとかのがドン引きだったなぁ
    ですね〜。女の先輩、マジ怖かったです・・・
    後々まで尾を引きそう。
    >これには参ったね
    あ〜♪ホールデンのキメ台詞だ〜!またまた、私が喜ぶツボを・・☆
    本当にみさんは王子様だよ★(←これもホールデンのキメ台詞ナリぃ)

  3. とらねこさん、こんばんは。
    この映画は見ていないけれどコメントさせて下さい。
    >Zeppelinの1st アルバムの中に入ってる、曲のタイトル。
    いや、この曲大好きなんですよ。そういえば先日、近所のマクドナルドでBGMとして流されていたので、ビックリしました(まさかこんな所でロバート・プラントの絶唱が聞けるとは!)。
    90年代とくに前半は、私もツェッペリンとかビートルズとか古いロックを好んで聴いていました。当時TVやラジオからよく流れていたビーイング系とか、ああいうヒット音楽が大嫌いだったので、その反動かも知れませんが。
    クリームと言えば、李相日監督の『69』でも使われていました。往年のロックをバックにした青春映画という点では似ているのかな。
    駄文長々とすみません。

  4. 椀さま
    こんばんは〜♪コメントありがとうございます。
    近所のマクドで”Dazed and Confused”がかかってたんですね。
    で、やっぱ椀さまも、90年代前半にレイドバック系だったんですね♪
    素晴らしい。世の中がバブルだなんだ、と金にあかせた軽薄さの最中に、精神性を中心に据えた文化、ヒッピー風にハマって、世の中の動きと思いっきりズレていた人だったんですね!
    >『69』
    おっと、“好きなことは、無駄にアツく語る”私の、好きな固有名詞出ましたよ〜
    この村上龍の原作、大好きだったんですよね〜。
    69年ーと言えば、ビートルズがホワイトアルバムとアビーロード、ツェッペリンがファーストアルバムを出して、ヒッピーの記念碑的イベント、ウッドストックが開催された年、’69年・・・とかそんなセリフから始まるんですよね。
    章のタイトルが、ジミヘンとかジャニスとかいうんです。カッコいいですよ。

  5. バッド・チューニング

    70年代のアメリカを舞台に、ロックン・ロール、アルコール、ドラッグ、セックスと、自由奔放に生きる若者たちの姿を描いた青春ドラマ。ジェイソン・ロンドン、ミラ・ジョヴォヴィッチ、レニー・ゼルウィガーほか出演。




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