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121.ハザード

ハザード“眠たい国、ニッポン。
だけど、眠れない国、ニッポン”・・・

このセリフの気持ちはよく分かるんだけど。・・・




何だか退屈でリアリティを感じなくって、生きてるんだか死んでるんだか分かんないから、ギリギリの気持ちになってみてー、とか、本当に周り退屈なヤツラばっかで恋人も友達も面白くも可笑しくもないとか、

そんな訳で、来ちまった、NY アメリカ

そしてNY来たついでに強盗までやってみたぜこんちくしょー


しかも、ホールドアップしたはいいけど、英語喋れないから、旅行用ガイドブックを手にして、
「お金出してください」ってPleaseとか言ってるし〜(ありえねー)
・・・けどとりあえず何とかなった


っていう、ここまでは何だかすっごくワクワクするし、面白かったんだけどな〜・・・

それから最初の、危険を目指して着いたはいいけど、危険はココだ、そんなに危険が欲しいならくれてやる、でもバッグは置いてきな〜って、黒人にアッと言う間に荷物持ってかれて、
「おい小心者。」と自分に向かって言ってみたりとか、
そういうのは良く分かるし面白かった。


で、こっから先の展開が、自分にはそれほど共感が持てなかったんだよね。

この監督の考える“クレイジー”の設定が、なんかとても甘いというか、
“クレイジーな人”とか“クレイジーな若者”みたいな、監督の考え方そのものが、なんだか伝わってこないというか、こんな小さいモンなんだ(笑)っていう、とっても平和的なものを逆に感じてしまいました。
この監督さんて、きっと真面目な人で、あんまり遊んだこともないんじゃないでしょうか。


ジェイ・ウェストの英語も、YoYoYoYo話しかけてきてうるさーい。
しょちゅう「チェックしろ」って言われて、しょっちゅう何かをチェックしてなきゃならないし、話しかけるたんびに「Yo, Shin! Me~n」て、必ずメンがつく。メンメンメンメン・・・普通に名前呼べよー!
あと、どっかからどっかへ移動するたんびにいちいち「Yo, Get the fuck outta here」
って、しょっちゅうズラからなければならない。


いかにも日本人から見たカッコいい英語、とか思い込んで、こういう英語と日本語混じりの喋り方するヤツ、いるいる〜。私の友達にもアメリカ帰りのヤツとか、はたまた急にB系気取りなのか、適当英語なのか知らないけど、しょっちゅうFuck Fuckうるさいやついて、
オマエがファックユーだろがと言いたくなる奴いた・・・。


でっかい銃を出して、トンでもなく小さい雑貨屋さんを襲って、かっぱらうのはジュースとかバナナっていうのは、まるで冗談かと思ってしまいました。
そして、(よくて)、そこにいる数名のお客からお財布を巻き上げて。レジのお金には見向きもせず(なんで?わざと?)
店主も、「パン持ってくけどいいなっ」
と言われて、「こんの野郎!」とかイキがっているんだけど、なんか嘘くさくって笑ってしまう。
パンぐらい持ってけよ、という方が、普通のアメリカ映画だと思うけど。


要するに、アメリカに行ってそれで悪くなってきました。
カッコいいでしょ。
と、言いたいんだろうけど、ズレまくり、全くそれを感じることが出来なかった。


この仲間たちを描く、というのが一番ポイントだったように思うのに、それが“バカだけどカッコいい奴ら”として描けていたら、この映画に対する印象が全く違っていたと思う。
それがないから、共感が出来ないし、気持ちが伝わってこない。
いろいろ文句を言ってしまったけど、主にこれだけ。
でも、それがこの映画の核だったと思うので、“適当にNYに行きました、そこでワルくなりました、それで共感しろ”というのであれば、そこだけでも本当にカッコよく、悪く、描けていないと無理だ。

この映画だったら『凶気の桜』の方がずっとマシだったよ。
“自分の持つ、危険に対する憧れ”とやらが、少なくとも、「海外で悪くなったからそれだけで無条件にカッコいい」とかではなくて、“この日本を変えてやる”くらいの悪さは、こっちにはきちんと感じられたから。
「海外に行った」=それが答え?

対極に位置するものとして、私はこっちの方がずっとクレイジーさを感じることが出来た。


でも、わざと粗く撮った映像なんかはすっごく良くて、それがあったから見に行く気になったんだけど。
見所は、オダジョーだけじゃないでしょうか。どのシーンを撮ってみても、とってもカッコ良かった。初めは普通の、無口っぽい青年が、いつの間にか目つきが違っていて。


でも、なんで渋谷普通に歩いてるだけで、あんなに絡まれるの?


何がやりたいかは凄くよく分かるんだけど、初期衝動は分かるんだけど・・・
リアリティを感じなかった。盛り上がりに欠ける話でした。

ハザード@映画生活

 

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コメント(27件)

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     荷物を奪われた彼…

  3.  とらねこさんのレビュー、何だか、「地球の危険な歩き方」ならぬ、「HAZARDの安全な観かた」というガイドブックみたいで、よかったと思います。
     「HAZARD」って、こういう話だったのかぁ、と、読んで、理解が深まった気がします。
     

  4. こんにちは〜 CINECHANです。
    やっぱりちんけな犯罪に見えましたか。
    気持ちは分かれども、どうもいまいち共感できない作品でした。
    似たような話では「フーリガン」の方がよっぽどよく分かったというか・・
    本作は同じ日本人の作品なのにね。

  5. みんな、いつかどこかで落ち合おうぜ!

    245「HAZARD ハザード」(日本)
     1991年。大学生のシンは、どこかこのニッポンという国に居場所を見つけられず、退屈な生活を送っていた。眠いだけの国・ニッポンを捨てて、危険な街ニューヨークへと旅立つ。英語の話せないシンはタクシーに乗車拒否された…

  6. HAZARD/ハザード

    「HAZARD/ハザード」 製作:2002年、日本 103分 PG-12指定 監

  7. こんにちわ。
    TB&コメントありがとうございました。
    >要するに、アメリカに行ってそれで悪くなってきました。
    カッコいいでしょ。
    と、言いたいんだろうけど、ズレまくり、全くそれを感じることが出来なかった。
    これは当然の見方で、寧ろこう感じさせるくらいの意図があったのかなーなんて思ったりもします。
    どう考えても一般受けする作品だとは思っていませんが、私は園子温監督の演出って好きで。「この作品、嫌いっ」とか心で絶叫しながらも気になってしまうタイプの味があって。今、最も気になる映画人なのでありましたー(ちっともフォローになってませんが)

  8. とみさんへ
    こんばんは〜☆
    とみさん、温かいコメントを有難うございました!
    私は、正直、オダジョーの大好きなとみさんは、これ読んだらお怒りになるんじゃないかと考えていました。
    「ハザードの安全な見方」どころか、危険なエントリーだと思いましたよ
    とみさんは、自分の心にくるものがあれば、理解力がすごい方だと思うのですが、この作品で「分からない」と言っているのはなんでなのか、それを考えると、きっと、とみさんにも、共感できるところが少なかったからじゃないか、なんて思います。

  9. CINECHANさんへ
    こんばんは〜☆
    そうですよね、チンケな感じがしましたね。
    共感ができないというか、カッコよくも見えなかったんですよね。
    『フーリガン』は、ワルイ奴だけどカッコいい、というのもあったと思うのですが、この作品はそれが見当たりませんでしたよね〜。
    『フーリガン』では、そこへ入るのも、やめたくなるのも、全てキチンと描かれていた気がします。

  10. 隣の評論家さんへ
    こんばんは〜☆
    なるほど、「この作品嫌いっ」、「だけど気になる」そういう隣の評論家さんの気持ちが分かってホッとしましたー
    でも確かにこの監督にとっても4年前の作品で、公開も見送ってたのですし、「どうしよっかなー」っていう作品ではあったんですもんね。
    たぶん自分には、一番ムッとしたのがあの英語だったように思います。

  11. こんにちわ。TB&コメントありがとうございました。
    アハハハ。ザックリ斬ってますね。さすがです。
    英語が分かってしまうと余計なものまで聞こえてしまったかな(笑)?
    一応、園監督はNYに実際に行ったことがあるみたいですよ。んで、ちゃんと危険な思いもしてきたみたいです。

  12. 『HAZARD』

    珍しく初日鑑賞。初回舞台挨拶を見ることができました。
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    なんだけど、そのキタローヘアーが寂しかったなー。顔が見えないんだもん。
    舞台挨拶のインタビュー内容は、「Muses」のcontessaさんの記事をどうぞー。
    「HAZARD」舞台…

  13. こばは。で、
    >要するに、アメリカに行ってそれで悪くなってきました。
    >カッコいいでしょ。
    >と、言いたいんだろうけど、
    いやいや、そんなことが言いたいわけじゃないと思いますた。
    別に言いたいことなんてなかったんじゃないかなと思う。
    言いたいことがあるとしたら、「若いうちはとにかく危険を顧みず突っ走れー」ってことくらい。
    わたし的にはこれはただ、くすぶっている感覚やら突っ走っている感覚やらそういうのを切り取っただけのスクラップみたいなもの・・・。
    「NYへ行った結果、そこでワルくなりました」ということが描かれているとは思いもよらず。
    「ワル」という概念がそもそも私にはよくわからないかも・・・。
    カッコイイ映画でもないし、リアルでもないんだけど、ノリと感触はなかなかよかったと私は思いましたー。
    リーのハイテンションぶりにはルー大柴を思い出しちゃったが・・。

  14. 睦月さんへ
    こんにちは!コメントありがとうございます。
    昨日は(というか、今日というか)楽しかったですありがとうございました!
    しかも直で『ハザード』に対する文句を聞いてもらってスイマセン(+_+)もうこの映画のことはいいですよね・・・
    またいつでもウチ来てくださいね〜♪
    今回はタコライスだったので、次回はおでんか鍋でもしましょう

  15. かえるさんへ
    こんにちは。コメントありがとうございます!
    かえるさんのご意見を聞かせていただき、本当にありがとうございます!
    かえるさんのお考えというのは本当に素晴らしいので、いつもかえるさんの見方は、尊敬して読ませていただいています。
    >わたし的にはこれはただ、くすぶっている感覚やら突っ走っている感覚やらそういうのを切り取っただけのスクラップ
    なるほど、と思い読ませていただきました。
    ただ私には、そういったくすぶり感やら若さゆえの疾走感、それが何かを見出すのに、時に間違いを犯したりもする、という映画であれば、そこにメッセージ性も必要なように感じています。
    そういったものが感じられないそこに大変批判精神を発揮してしまいました。

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  18. こんにちは。TB&コメントありがとうございました。
    僕もとらねこさんと同じ意見ですね。
    とにかく主人公達に共感できませんでした。
    リアリティに関しては、僕は逆にリアルすぎて駄目でしたね。もっと嘘っぽかったら笑ってやれたんですが。

  19. えめきんさんへ
    こんばんは★
    いやー、自分もこれはちょっとダメでしたねー。
    えめきんさんと同じように、↑のコメで別の方が『フーリガン』と比べてますが、自分にとっては雲泥の差って感じでしたー。
    そっか、えめきんさんにとっては、リアルすぎてだめだったのですか。
    自分は昨日そこまで気づきませんでしたが、えめきんさんとは全く違う点で気に入らなかったのかもしれませんね。
    自分にはどうも嘘っぽい話に思えてしまいましたー。あのアイス屋さんも、いつ製造して、いつ巡回してたのかよく分からなかったし。

  20. 『HAZARD』

     園子温監督を一度だけ『紀子の食卓』の舞台挨拶で見たことがあります。その時の印象としてはとても気難しそうで、知的な雰囲気が近寄りがたい。そんな印象を強く受けました。
     それに「映画監督」だけではなく「詩人」なんて肩書きも持っているらしいので本当に気安く口….

  21.  こんばんは!
     眠たい国日本を脱出する。そういった気持ちは何となく分かるし、若いうちは色んな世界を観てくることも良いと思う。
     でも僕も強盗やって「最高だぜ!」と騒いでいる姿は何だかなぁ〜って気がしてしまいましたね。
     世界中何処行ったって楽しい事ばっかじゃないのだから日本で大人しく縁側でお茶でも啜っていれば良いのに。
     それとリーがウザかったですね。ファッキン、ファッキンうるさい!サミュエル先生に説教されてもっと重厚感のあるファッキンの使い方を学んでもらいたいものです。

  22. 蔵六さんへ
    こんばんは〜
    >若いうちは色んな世界を観てくることも良いと思う
    >日本で大人しく縁側でお茶でも啜っていれば良いのに
    あの・・^^;蔵六さん、20代って、完全に嘘かと思われそうな発言ですね
    あっ、イヤ、そこが蔵六さんの良さだし、面白さだと思いますよ、私は

    リーは、本当に、うるさかったですねー。
    あれ、リーが悪いんじゃなくって、脚本が悪いんだと思うんですけどね私。
    ファーストキッチンを“ファッキン”と略す人と、どっちがムカツくか、いい勝負って感じですねー。
    本当、サミュエルに説教してもらいたいです。蛇の次に。

  23. HAZARD

    眠たい日本・・・あ、眠たいのか・・・と眠りに落ちてしまいそうな雰囲気の中、やはり飛べなかった。

  24. ハザード:「自分探し」のプロトタイプ?

    ★監督:園子温(2002年 日本作品) 京都みなみ会館にて鑑賞。 ★あらすじ(Yahoo!ムービーよ…

  25. こんにちは
    確かにジェイ・ウェストの役はひたすら不快でしたね。
    以前に見た2作品を振り返ると、リーに見られるような「不快さ」や「アクの強さ」をあえて観客に強く感じさせる(実はその裏にメッセージが隠されている)演出が園監督の持ち味なのだろうか・・・と私は思っていますが、本作では「不快さ」だけが先行してしまって、それ以上のものがあまり感じられなかったです。
    昨年見た『紀子の食卓』がなかなか面白かったので、つい期待してしまったのですが、本作はハズレでした。

  26. 椀さま
    こんばんは★コメント&TB,ありがとうございました!
    >リーに見られるような「不快さ」や「アクの強さ」をあえて観客に強く感じさせる(実はその裏にメッセージが隠されている
    なるほど、そうですかぁ・・・。とことん不快な気持ちになって、うろんな目つきで鑑賞してしまいました。
    いやぁ、今見ても、自分、とことんケナしていますね
    この映画は、去年のワースト1でした。

  27. HAZARD/ハザード:映画

    今回紹介する映画は、オダギリ・ジョー主演の「HAZARD/ハザード」です。
    HAZARD/ハザードのストーリー大学生のシンは、平凡な日本、退屈なクラスメート、何もない日常から抜け出したい衝動に駆られていた。そんな時にニューヨークの犯罪都市「HAZARD」について書かれた本…




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